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「女性を食事に誘って成功した男性は8割超」世界53カ国調査でわかった恋人ができない人に足りない視点

プレジデントオンライン / 2024年2月29日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/DragonImages

人間関係を構築するにはどうすればいいか。心理学者の内藤誼人さんは「私たちは友だちや知り合いを増やしたい、恋人を作りたいのに、『自分なんて』『断られたらどうしよう』などと誤った思い込みにより行動しないことがよくある。しかし、アメリカのある調査では、女性を食事に誘ったり映画に誘ったりして、『一度でもうまくいったことがありますか?』という問いに対し、83.2パーセントが『イエス』、80.9パーセントが『長く続く関係として成功した』と回答している。『宝くじは買わないと当たらない』とよく言われるのと同じで、自分から動かないと友人や恋人はできるわけがない」という――。(第2回/全3回)

※本稿は、内藤誼人『「なまけもの」のやる気スイッチ』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。

■月曜日にやる気が出ないのは自分のせい

月曜日になると、憂鬱(ゆううつ)な気分になってしまうことがあります。

いわゆる「ブルーマンデー」という現象です。

月曜日を待たず、日曜日の夕方くらいから、「ああ、また仕事かあ」という気持ちでネガティブな気分になってしまう人もいるようです。日曜日の夕方にはサザエさんが放送されるので「サザエさん症候群」という言葉もあるようです。サザエさん自体は、とてもアットホームなアニメなのですが……。

とはいえ、月曜日には必ず意気消沈してしまうのかというと、そんなことはありません。

「ブルーマンデー」という現象があると思い込んでいるから、ブルーマンデー現象が起きるのであって、そんなものはないと思っていれば、気分が落ち込むこともありません。

イギリスにあるセント・ジェームズ大学のガイルズ・クロフトは、66人の大学生に、ブルーマンデーが存在すると思うか、ブルーマンデーなんて都市伝説だと思うかを質問する一方で、2週間、その日の気分の記録を取ってもらいました。

その結果、月曜日には気分の落ち込みが見られました。

ただし、それは「ブルーマンデー現象は存在する」と思っている人だけでした。「ブルーマンデーなんてウソだよ」と思っている人は、月曜日でもその他の曜日と同じように生活できていたのです。結局のところ、月曜日に陰鬱(いんうつ)な気分になるのは、本人の思い込みなのです。

本人がそう思い込んでいるからブルーマンデーが起きるのであって、そういう自己暗示を自分にかけないようにすれば、ブルーマンデーは起きないのです。

■「月曜日になると、リフレッシュされて気分が良い」

カナダにあるブリティッシュ・コロンビア大学のジョン・ヘリウェルは、50万人もの大規模調査を行い、曜日ごとに、幸福感や楽しい気持ちがどのように変動するかを調べてみました。すると、平日はだいたいどの曜日も同じようなムードであることがわかったのです。「ブルーマンデー」などまったくありませんでした。

自分におかしな暗示をかけさえしなければ、月曜日だからといって気分が落ち込んだりすることはありません。「ブルーマンデーなんて神話にすぎない」という事実を知っておけば、おそらく読者のみなさんも今後は月曜日になるたびに抑うつを感じなくてすむかもしれません。

どうせ暗示をかけるのなら、「月曜日になると、リフレッシュされて気分が良い」というような好ましい暗示をかけてください。日曜日に家でダラダラしているくらいなら、会社に出たほうが人に会えるので嬉しい、というように考えてみるのもいいでしょう。

■「行動できない」のは自分の勝手な思い込みによるもの

友だちや知り合いを増やしたいのに、自分からは積極的に行動できない人がいます。

「私のような人間とは知り合いになりたいとは思わないはず」
「どうせ断られるに決まっている」
「いきなり声をかけたら、不審者扱いされるだけ」

だいたいこんな感じのことを考えてしまって、声をかけるのを躊躇(ちゅうちょ)してしまうのです。

ですが、それは自分で勝手にそう思い込んでいるだけです。ごくごくシンプルに、「あなたとお知り合いになりたいのです」と頼んでみてください。意外と拍子抜けするほど、簡単に「いいですよ」と言ってもらえるでしょう。

アメリカにあるプリンストン大学のニコル・シェルトンは、白人の学生は、もっと黒人の友人がほしいと思っているのに、「黒人の学生はそう思っていないだろう」と思い込んでいて、声をかけるのをためらうことを調査によって明らかにしました。

また黒人の学生も、もっと白人の友だちがほしいと思っているのに、「白人の学生は嫌がるだろう」と思って声をかけないことも明らかにしています。結局、お互いに勝手な思い込みで、友だちになることを遠慮し合っているのです。

友だちと一緒ではなく一人でいる人のイメージ
写真=iStock.com/fizkes
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fizkes

「行動できない」のだとしたら、それは自分の誤った思い込みが行動を妨害しているのです。

■友だちを増やしたいなら、シンプルに頼む

というわけで解決策はひとつしかありません。

自分の誤った思い込みを修正して、ごくシンプルに「友だちになりたいんです」とお願いしてみればいいのです。

友だちと一緒にいる女性たちのイメージ
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/metamorworks

「どうせ拒絶されるに決まっている」と思うかもしれませんが、本当に拒絶されるかどうかなど、やってみなければわからないではありませんか。

相手の気持ちなど、超能力者でもない私たちには知りようがないのですから、とにかく声をかけてお願いしてみなければなりません。

その結果として、拒絶されることがあるかもしれませんが、現実にはそういう可能性はものすごく低いのです。

勝手な思い込みで行動できない人はたくさんいるのですが、実際に動いてみると、全然たいしたことがないことがわかるはずです。

だまされたと思って、ぜひ一度、知り合いになりたい人に「あなたとお知り合いになりたい」と頼んでみてください。びっくりするほどたやすくOKしてもらえると思います。

■世の中は善人であふれている

「人を見たら泥棒だと思え」という言葉がありますが、現実にはそんなに悪人はいないものです。根っからの悪人など、果たしているのでしょうか。たいていの人はとても親切ですし、思いやりを持っています。ほぼすべての人が善人といっても過言ではありません。

ところが私たちは、善意にあふれた人ばかりだということをなかなか信じられないのです。みんな自己中心的で、自分のことにしか興味がなく、こちらが何をお願いしても絶対に拒絶するはずだ、と勝手に思い込んでいるのです。

もしだれかに助けてほしいと思うのなら、シンプルに「手伝ってもらえませんか?」とお願いしてみればいいのです。たいていの人は快く引き受けてくれるでしょう。拒絶される可能性は驚くほど低いと思います。

アメリカにあるコロンビア大学のフランシス・フリンは、42人の大学生に「知らない人に10分かかるインタビューを頼んできてほしい。さて、5人のノルマを達成するのに、いったい何人に声をかけなければならないと思う?」と聞いてみました。

すると学生の平均の見積もりは20.5人でした。20人くらいに声をかけないと5人のノルマを達成できないという予測です。

ところが実際にやってもらうと、平均10.5人に声をかけたところでノルマが達成できました。自分の見積もりの半分ですんでしまったわけです。世の中には善人が多くて、そんなに拒絶もされないことがわかります。

■断られてしまうことを過剰に心配するのはやめよう

フリンはさらに第2実験で、「他人の携帯電話を借りてほしい。ノルマは3人」という課題を与えました。先ほどと同様、3人のノルマをクリアするのに声をかける人数を予測してもらうと、平均10.1人ということがわかりました。

けれども実際にやってもらうと、平均6.2人に声をかけたところでノルマを達成できたのです。フリンはさらに第3実験として、「遠く離れたキャンパス内の施設まで、道案内をお願いしてほしい。ノルマは1人」という課題では、ノルマを達成するのに平均7.2人に声をかけなければならないだろうと予測したのですが、現実には2.3人に声をかけるだけでやすやすと達成できました。

私たちは、自分のお願いが断られてしまうことを過剰に心配しがちなのです。

ですが、現実にはそんなに断られることはない、ということがフリンの実験で明らかにされたといえます。

実際にお願いしてみると、かなりの高確率でうまくいくことを知っておきましょう。

自分だけでは仕事ができないと思うのなら、職場のだれかに声をかけて「手伝ってください」とか「残業に付き合ってください」とお願いしてみてください。わりと簡単に「いいですよ」と言ってもらえることがわかると思います。

世の中には、そんなに性格がねじ曲がった人はいないのです。

大きなハートを抱きかかえる人のイメージ
写真=iStock.com/Marc Calleja Lopez
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Marc Calleja Lopez

■恋人ができないのは、アプローチしないから

恋人ができないのは、自分の責任です。

といっても、顔だちに魅力がないとか、太っているとか、会話がヘタだとか、そういう意味ではありません。恋人ができないのは、自分から行動しないからです。「私の恋人になってください」とお願いしないから、恋人ができないだけのことです。

私たちは、誤った思い込みを持っていて、それで行動しないことがよくあります。

「あんなに素敵な人が、私のようなむさくるしい人間とデートしてくれるわけがない」と勝手に思い込んで、デートのお願いをしないのです。

これでは恋人ができるわけがありません。

「宝くじは買わないと当たらない」とよく言われます。

恋人も同じで、「自分から動かないと、恋人はできない」のです。

黙って座って待っていたら、いつの間にか恋人ができちゃった、ということは絶対にありません。自分から動くからこそ恋人ができるのです。

「相手にはっきりと拒絶されてしまうのが怖い……」と感じて、いつまでもグズグズと行動をためらう人がいますが、自分から動かないと何も変わりません。それにまた、声をかけるとかなりの高確率でうまくいきます。

■好きな人がいたらとにかくデートに誘ってみる

アメリカにあるミシガン大学のデビッド・シュミットは、世界の53カ国(日本も入っています)の1万6954人の男性に調査し、女性を食事に誘ったり、映画に誘ったりして、「一度でもうまくいったことがありますか?」と尋ねてみると、なんと83.2パーセントが「イエス」と答えてくれたではありませんか。まさかの8割超えです。

内藤誼人『「なまけもの」のやる気スイッチ』(総合法令出版)
内藤誼人『「なまけもの」のやる気スイッチ』(総合法令出版)

しかもシュミットは、「それが長く続く関係として成功しましたか?」とも質問してみたのですが、80.9パーセントが「イエス」と答えました。

好きな人がいたら、とにかくデートに誘ってみてください。

そんなに拒絶もされないと思います。

もうひとつ別の研究もご紹介しましょう。

カナダにあるトロント大学のサマンサ・ジョエルは、恋人のいない大学生132人(そのうち男性は65人)に、あまり魅力的でない異性の写真とプロフィールを見せて、「この人とデートできますか?」と聞いてみると、約4割の人が「いいですよ」と答えてくれることを突き止めました。そんなに顔だちに魅力がなくとも、それでも「デートくらいなら」と考える人はかなり多いのです。

ジョエルによりますと、私たちはイケメンや美人が好ましいと口では言うものの、「拒絶したら相手がかわいそう」などという配慮が働いて、現実には自分の好みのタイプではなくとも、デートには応じてくれることが多い、と指摘しています。

とにかく動いてください。自分の勝手な思い込みで、「うまくいくわけがない」などと考えていたら、いつまで経っても行動は起こせません。

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内藤 誼人(ないとう・よしひと)
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースに、ビジネスを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。趣味は釣りとガーデニング。著書に『いちいち気にしない心が手に入る本:何があっても「受け流せる」心理学』(三笠書房)、『「人たらし」のブラック心理術』(大和書房)、『世界最先端の研究が教える新事実心理学BEST100』(総合法令出版)、『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』(明日香出版社)、『羨んだり、妬んだりしなくてよくなる アドラー心理の言葉』(ぱる出版)など多数。その数は250冊を超える。

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(心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長 内藤 誼人)

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