1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

人間関係がもっとラクになる!…歳をとってからの「人付き合い」のコツ【心理学者が助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月16日 10時30分

写真

仕事や子育てを卒業したら、「人付き合い」もだんだんと減っていきますが、悪いことばかりではありません。「気の合う人とだけ付き合えることは、日々のストレスを大いに減少させる」と、心理学者の内藤誼人氏は言います。内藤氏の著書『老いを楽しむ心理学』(ワニブックス)より、歳をとってからの人付き合いのコツを詳しく見ていきましょう。

歳をとると、人付き合いのストレスはなくなる?

あまり知られていませんが、お年寄りのほうが若者よりも人生満足度は高い傾向があります

「えっ!? 逆なのでは?」と思うかもしれませんが、お年寄りのほうが日々の生活に対して満足度が高いのです。

なぜなら、お年寄りは気の合う人としか付き合わないからです。若いうちは、職場や取引先など仕事関係や子育ての環境で、あまり好きではない人とも付き合わざるを得ないということも多く、そういう不満が満足度を下げる傾向があります。その点、お年寄りは、自分が嫌いな人とは付き合いません。イヤな人と付き合わなくとも、何の支障もないからです。定年を迎えたら、本当に好きな友人とだけ付き合っていればいいので、人付き合いのストレスも感じないですむのですね。

米国スタンフォード大学のヘレン・ファンは、地元の電話帳でランダムに電話をかけ、中央値によって若い人206名(平均30.1歳)と、年配者196名(平均62.0歳)にわけて、どれくらい気の合う人と付き合っているのかを比較してみたのですが、年配者のほうが気の合う人とだけ付き合うという傾向が明らかにされました。

「本当は会社の飲み会なんかに出たくないんだけど、しかたない……」

「あんな奴の顔なんて見たくないけど、後で何か問題が起きても困るし……」

「子どもたち同士は仲がよいけど、親同士は特に趣味も合わないし……」

若いうちは、人間関係の心配をしなくてはなりませんが、定年を迎えたお年寄りにはそういう心配はゼロ。付き合いたくない人とは付き合わずにすませられるということも、お年寄りのメリットだといえます。

私たちにとって、「人付き合い」はストレスの第一の原因であることが多いのですが、お年寄りになると、人付き合いでのストレスはなくなります。付き合いたくない人とは付き合わなくとも何ら問題がないからです。

定年を迎えることには、こういう素晴らしいメリットもあるのです。

若いうちは、人脈を広げるためにも、積極的にいろいろな人と付き合ってみるのもいいかもしれませんが、ある程度の年齢になったら、むしろ付き合う人間を「絞り込む」ことを考えましょう。嫌いな人とはなるべく付き合わないようにして、一緒にいて楽しい人とだけ付き合うようにしましょう。嫌いな人から誘われても、「最近、ちょっと体調が悪くて」とウソをついてごまかしておけば、年齢のこともあるので、相手も無理強じいはしてこないと思います。

感情を表現することの大切さ

歳を重ねると、感情的になることは少なくなります。しかし、どうしても気に入らないことがあるのなら、はっきりと相手に伝えるほうが、お互いにとっていいでしょう。

「私は、あなたの○○がどうしても苦手」ということをはっきり言わないと、相手には伝わりません。超能力者でもない相手には、こちらがどんな感情を抱いているのかがわからないのです。

もちろん、最初から喧嘩腰になるのではなく、穏やかな話し方で、「今後は○○してほしい」ときちんと伝えれば、相手にも理解してもらえるはずです。

家庭内で気に入らない点があれば、それも伝えましょう。

「私の体調が悪いときには、黙って家事を手伝ってほしい」

「新聞を取りに行くのなら、ついでにゴミ出しもしてほしい」

そういうことはどんどん指摘したほうがいいと思います。喧嘩腰で言うのでなければ、相手も「わかった」と納得してくれるはずです。ムカッとすることがあっても我慢していたら、ずっと気分の悪さがつづきますよね。当然、健康によいはずもありません。怒りはため込むのではなく、上手に発散すべきなのです。

米国ラッシュ大学のロバート・ウィルソンは、平均75.4歳の851名を、5年ほど追跡調査してみました。その5年間で164名が亡くなったのですが、亡くなった人には、「怒りを表現せず、怒りを心の中にため込みやすい」タイプという共通点があることがわかりました。

怒りを感じたら、表現しましょう。

兼好法師は『徒然草』の中で、「おぼしきこと言わぬは、腹ふくるるわざなり」と書いています。思ったことを口に出さないと、お腹の中に何かが残っているように感じて気持ち悪いという意味です。

何か思うことがあれば、どんどん相手に伝えたほうがよいでしょう。相手が親しい友人や配偶者であってもそうです。気になる点は、お互いに改善していかないと、将来的にも楽しくお付き合いができませんから。

もちろん、言い方には気をつけなければなりませんよ。不満や愚痴を感情的にぶつけるのではなく、できるだけ落ち着いた話し方で、「改善してもらえればどれだけ自分が嬉しいか」ということを理解してもらうようにするのです。穏やかに話せば、相手もきっとわかってくれます。遠慮なく、自分の考えや感情を相手に伝えましょう。怒りをため込んで、ずっとムカムカしているよりは、伝えたいことをきちんと伝えたほうがはるかに建設的ですし、心理的にも健康でいられます。

内藤 誼人 心理学者

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください