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ワースト1位はサーフブランド「PIKO」販売が祖業…平均年収が低い「全国ワースト500社」ランキング2023

プレジデントオンライン / 2024年3月15日 7時15分

プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2023年版)」を作成した。調査対象会社3892社のうち、ワースト10社の平均年収は約277万7400円で、平均年収が最も低い新都ホールディングス(本社:東京都豊島区)は223万2000円だった。「全国ワースト500社」の詳細をお伝えする――。(第2回)

■ワースト10社の年収平均は277.7万円

プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2023年版)」を作成した。基にしたデータは直近の年次決算期における有価証券報告書(2022年10月期~2023年9月期)。データ抽出では、経済・金融データサービスの株式会社アイ・エヌ情報センターの協力を得た。

このうち平均年収が低い「ワースト500社」を集計したところ、平均年収額は418.8万円だった。これは、全上場企業の平均年収620.4万円(東京商工リサーチ・2023年8月公開「上場企業3235社 2022年度決算『平均年間給与』調査」)を下回る。

また、ワースト10社の平均年収は約277.7万円で、前回より約14万円減った。

■ワースト1位は廃金属の輸出入業を行う会社

調査対象3892社のうち、従業員の平均年収が最も低かったのは、新都ホールディングスだ。カジュアル衣料の卸売り「クリムゾン」が祖業で、かつてはハワイ発のアパレルブランド「PIKO」の企画・販売を行っていた(現在は株式会社海援隊が取り扱っている)。

「クリムゾン」時代に販売していたPIKOのTシャツ
プレジデントオンライン編集部撮影
「クリムゾン」時代に販売していたPIKOのTシャツ - プレジデントオンライン編集部撮影

そこから業態変革があり、今はアルミニウムや銅など廃金属の輸出入業務を行っている。

平均年収額が低い企業は、一般的には地方拠点が多いが、同社は東京都豊島区に本社を構える。

従業員数は前期の14人から減って8人。平均年齢(49.36歳→56.6歳)や平均勤続年数(1.3年→1.41年)と推移。これまで平均年収は300万円台を維持していたが、前期に比べて124.5万円のマイナスだった。担当者に話を聞くと、「有価証券報告書で開示している通りです」と話した。

■「メガネスーパー」運営会社は6位

2位のトスネットは、交通誘導警備事業が主力。日給の割合が多く、有価証券報告書の開示では低い金額になりやすい。

3位は不動産業のエスポア。4位は中国・九州エリアを中心にスーパーマーケットの「マルミヤストア」や「マルキョウ」を運営するリテールパートナーズだった。

※編集部註:初出時、アクセスグループHDをランキング5位(275万円)としていましたが、同社は事業年度を変更しているため、275万円は6カ月分の平均年収です。説明が不十分でした。アクセスグループHD社を図表から外し、ランキング表を修正しました。(2024年3月21日11:45追記)。

続いて昨年ワースト1位だった夢みつけ隊、眼鏡販売チェーン「メガネスーパー」を運営するビジョナリーHDと並ぶ。

ファンドクリエーショングループは不動産ファンド運用が主力業務。ワイエスフードは九州地盤のラーメン「山小屋」を運営する。

■ファッション関連会社がランクイン

下位ランキング500社を業種的に分類すると、卸や小売業(外食、食料品含む)が183社、サービス業(旅行代理店、介護関連、ホテルなど)が132社となっている。

HANATOUR JAPAN(14位)、ベストワンドットコム(36位)、旅工房(90位)、エイチ・アイ・エス(168位)など、コロナ禍の影響から立ち直りつつある旅行代理店も低年収が目立つ。

気になるのはランキングにファッション関連企業が多数名を連ねていることだ。

女性衣料のバロックジャパンリミテッド(18位)やANAP(26位)、バッグのサマンサタバサジャパンリミテッド(33位)、カジュアル衣料のシーズメン(35位)、子ども服のナルミヤ・インターナショナル(46位)、宝飾品のハピネス・アンド・ディ(64位)、紳士服のタカキュー(66位)、ジーンズカジュアルのライトオン(89位)が下位100位にランクインしている。

コロナ禍の影響というより、ここ数年で激変した消費者の価値観の多様化についていけないのも要因だろう。

中華の東天紅(15位)、和風レストランのカルラ(39位)、居酒屋のかんなん丸(46位)、トラフグ料理の東京一番フーズ(51位)と関門海(61位)が下位100位にランクイン。ラーメンの幸楽苑HDは124位、居酒屋の大庄は134位、英国風パブのハブは175位、串カツ田中HDは449位である。

■610万円下がった会社、130万円上がった会社

500社中比較ができない22社を除いた478社で見てみると、前年比ダウンは167社。ベスト500に比べてダウン組の比率が高い。

ランキングの3位のエスポア(不動産業)は610万円を超えるダウンだった。詳しい要因を問い合わせたが、期日までに回答はなかった。平均勤続年数を見ると、昨年の13.7年から0.6年になったように、従業員が大幅に入れ替わったことが大幅減額になったようだ。

ワーストランキングの中で最も年収が上がったのは、全国に49施設の老人ホーム・介護施設を展開するサンウェルズで、136.1万円の増加だった。

物価高を克服するために、大企業を中心に4%程度の賃上げを目指す動きが広がりつつあるが、下位の各社にも波及することが不可欠である。

地方拠点の企業では、金沢、富山にある百貨店の大和(30位)と福岡県北九州市を地盤とする井筒屋(34位)、福島県いわき市にあるレジャー施設「スパリゾートハワイアンズ」の常磐興産(77位)、新潟交通(106位)、第一交通産業(251位)、天満屋ストア(256位)などが上向きに転じた。

全国展開の企業では、シューズチェーンのエービーシー・マート(144位)、「グローバルネットワーク」や「ニコアンド」ブランドのファッション企業アダストリア(230位)、紳士服チェーン最大手の青山商事(423位)、くら寿司(456位)が増額に転じている。

【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(1位~50位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(51位~100位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(101位~150位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(151位~200位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(202位~250位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(251位~300位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(301位~350位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(351位~400位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(401位~449位)
【図表】平均年収が低い上場企業“ワースト500社”ランキング(452位~500位)

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鎌田 正文(かまた・まさふみ)
ビジネスリサーチ・ジャパン代表
1995年、ビジネスリサーチ・ジャパン設立。金融・流通・メーカーなどの各分野から経済全般まで、幅広く取材、執筆。『2012年版 図解 これから伸びる企業が面白いほどわかる本』など、業界研究の著作多数。

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(ビジネスリサーチ・ジャパン代表 鎌田 正文 図版作成=大橋昭一)

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