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「まぁ」「はい」「なるほど」は要注意ワード…無意識に相手を不快にする「使うべきでない相槌」の正しい使い方

プレジデントオンライン / 2024年4月7日 7時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/SB

相手の話を聞くときには「相槌」に注意したほうがいい。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト(WBS)」キャスターの山川龍雄さんは「『まぁ』『はい』『なるほど』といった相槌は使いすぎるとよくない。私は録画で自分の発言をみて、考えをあらためた」という――。

※本稿は、山川龍雄『「話す・聞く・書く」伝え方のシン・常識 半分にして話そう』(日経BP)の一部を再編集したものです。

■猫背、首が曲がっているとだらしなく映る

Q 山川さん自身が番組に出演する際に、見た目の印象で気を付けているところはありますか。

A 自戒を込めて申し上げられる教訓はたくさんあります。10年前、テレビの仕事を始めて最初のうちは、自分の出演番組を録画にとってよく「一人反省会」をやりました。まず、姿勢ですが、猫背で両方の肩の高さが同じではありませんでした。これはだらしなく映ります。首の角度も曲がっていることに気づきました。

Q 確かに、姿勢がピシッとしているかどうかでずいぶん印象は変わります。

A あとフリップやモニターを指す時に、手がゆらゆらと揺れていました。

Q 手先が動いていると落ち着きがないように映りますし、見る側は気が散りますね。

A それに情報番組などではたくさんモニター画面やフリップで図表を示す時がありますが、説明する内容と指すところが違ったりしていると、頭に入ってきません。今は、読む内容に合わせて、適切なところを指示棒で指すことを心がけています。

■訃報を伝えた自分が「冷たい感じ」に映っていた

Q 話す時の表情についてはいかがですか。

A これはいまだに悩みの1つです。テレビ慣れしていない人は全般的にそうだと思いますが、私も表情が薄かった。前向きな話をしている時は明るい表情を、悲しい話を聞いている時は悲しい表情をするのが自然です。特にテレビでは表情は少し大げさなくらいがちょうどいい。

ある時、経営者の訃報を伝えるニュースについて解説する機会がありました。その経営者には取材でずいぶんお世話になったこともあり、本心からお悔やみを申し上げていたのですが、後で録画を見てみたら、悲しいというよりも、冷たい感じに映っていました。

Q 自分の思いが必ずしも表情と一致していなかったわけですね。

■芸人の「ワイプ芸」の反射神経はすごい

A 特にテレビでは自分が思った以上に、無表情に映ります。この点は、たまに特番などでご一緒しますが、芸人さんはうまいですね。VTRを流している最中に、画面の一部が小窓のようになって出演者を映すことがありますが、表情が豊かで反射神経が素晴らしい。あれは本当に「芸」だと思います。いまだに自分にはできません。

Q 声のトーンについてはいかがですか。

A 最近の若い人には多いですが、私も少し語尾のイントネーションを上げる癖がありました。これは番組のチーフプロデューサーから「発言が軽く感じられるので直した方がいい」と指摘を受けました。しかし一度付いた癖をなくすのは難しいですね。それに私の場合、語尾のトーンを落とすと、今度は聞き取りにくくなってしまい、画面を通して弱々しく映ってしまうのです。

Q 語尾が「ごにょごにょ」とフェードアウトしていくタイプの人は自信がなさそうに映ります。

■「と思います」の濫用はやめたほうがいい

A 弱々しく映るという点では、語尾に「と思います」とか「と言われています」などを連発する人がいます。自分の発言が間違っていた場合のリスクを回避しているように見えるので、あえて使う必要のないところにまで、この表現を使うのは避けた方がいいです。

よく仕事の現場で「善処します」「対処します」を連発する人がいますが、聞いている側は「お前、何もやる気はないだろう」と受け止めますよね。それと同じで、「と思います」「という可能性もあります」などをあまり連発すると、発言から責任を感じ取れません。

Q 「あのー」とか「えーと」など、話の継ぎ目に口癖のある人もいます。

A 本人は無意識に使っていて、気づいていないことが多いです。聞いている側は気になって話に集中できないので、できるだけ減らすよう努めてください。

それに、「と思います」といった婉曲表現を使う人も、「あのー」「えーと」と連発する人も、その瞬間、体が揺れていたり、目が泳いでいたりすることが多い。メラビアンの法則に従えば、視覚情報、聴覚情報、言語情報すべてを使って、まさに「自信のなさを表現」しているわけです。

■「まぁ」「はい」「なるほど」は要注意ワード

Q 他にも目立つ口癖はありますか。

山川龍雄『「話す・聞く・書く」伝え方のシン・常識 半分にして話そう』(日経BP)
山川龍雄『「話す・聞く・書く」伝え方のシン・常識 半分にして話そう』(日経BP)

A 私はテレビに出演したての頃、「まぁ」という言葉をよく使っていました。録画で見て、「こんなに使っていたのか」と驚きました。「まぁ」の連発は、聞く側に不遜な印象を与えますから、今はできるだけ使わないようにしています。

あと、聞き手を不快にする点では、テレビやラジオでよくあるのが、緊張で口の中が乾燥して、話し始めに「くちゃっ」という音をマイクが拾うことです。これの対策としては、番組中に用意された水を飲むなどして、口の中を湿らせておくことをお勧めします。

Q 話を聞いている時の相づちの打ち方にも、人それぞれ特徴がありませんか。

A 私は当然のように「はい」「なるほど」といった言葉を挟むのがいいと思っていました。ところが録画で聞いてみると、私の「はい」はマイク越しだと少し甲高くて耳障りが悪い。以来、少し「はい」の回数は減らすようにしました。「なるほど」も本当に「なるほど」と思えるところで言わないと、逆に相手の話を理解できていないように映りますから、要注意ワードです。

ロビーで和やかに会話する2人のビジネスマン
写真=iStock.com/Rossella De Berti
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Rossella De Berti

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山川 龍雄(やまかわ・たつお)
テレビ東京解説委員 「ワールドビジネスサテライト」キャスター
1965年10月熊本県荒尾市生まれ。89年京都大学経済学部卒業後、花王を経て、91年日経BP入社。物流雑誌『日経ロジスティクス』の編集に携わった後、95年「日経ビジネス」に異動。自動車、商社業界などを担当後、2004年~ 08年までニューヨーク支局長を務める。日経ビジネス副編集長、日本経済新聞証券部次長を経て、11年4月から日経ビジネス編集長。 14年4月からテレビの報道番組に仕事の軸足を移し、現在に至る。

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(テレビ東京解説委員 「ワールドビジネスサテライト」キャスター 山川 龍雄)

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