これで山ほど仕事を抱えていても自律神経が整う…常に涼しい顔をしている人の「タスクの書き出し方」
プレジデントオンライン / 2024年3月30日 15時15分
※本稿は、小林弘幸、毛利啓銘『自律神経を整えれば「食いしばり・歯ぎしり」は解決する』(宝島社)の一部を再編集したものです。
■SNSで人間関係が広まるが、マイナスの影響のほうが大きい
人は生きていくうえで、他人とまったくかかわらずに生きていくことは不可能です。コミュニティの一員として活動している以上、日々起こるさまざまな出来事や、人間関係の壁にぶつかり、ストレスを感じることもあるでしょう。
すべてのストレスのうち、人間関係のストレスが9割を占めるといわれています。最近ではリアルな人間関係だけでなく、SNSでの人間関係に悩む人も増えています。
SNSで人間関係が広がった結果、他人と自分を比較してしまい、ストレスを感じてしまうことが多くなっているのです。
SNSにはコミュニティづくりや自己表現、孤独感の解消などプラスの効果もあるのですが、人と比べることで劣等感が刺激され、かえって不安感や孤独感を強めてしまうといったマイナスの影響のほうが大きいと私は思っています。
自律神経を整えるためには、SNSを含め、「人間関係」をできるだけすっきり整理することが重要です。
その人間関係が、自分にとって何かの役に立っているのか、プラスの影響があるのか、よく吟味してみてください。付き合っていても無意味だと感じたり、むしろ自分にとって悪影響を及ぼすと思うなら、思い切って整理してしまいましょう。
■だらだら惰性で人間関係を続けるのは無意味
友人や知人の人数が多ければ多いほどいい、人脈は広いほうが安心できる、と思ってはいませんか? だらだら惰性で人間関係を続けているのなら、たくさんの人とつながっていても無意味です。
本当に大事な人との関係を大切に育み、楽しむほうが、はるかに豊かな人生を送れるはずです。
自分にとってプラスにならない関係なら、なるべく角が立たないように、少しずつフェードアウトしていくようにしましょう。
とはいえ、なかなか簡単には整理できない人間関係もあります。
たとえば、仕事がらみの人間関係は、自分の意思や都合だけで整理することは難しいものです。その場合は、人間関係を整理する前に、ストレスの残り1割を占めている「環境」を整理することを考えてみてください。
自分の周囲のものを片づけて環境を整理すれば、9割の人間関係のストレスもおのずと減っていきます。不要なものを処分して環境がすっきりすることで、迷いはなくなります。
片づけに着手するのは面倒くさいと思うかもしれませんが、ストレスなく手をつけられそうなところから始めてみてください。片づけに集中しているうちに、余計なストレスも消えていくはずです。
環境が整えば、自律神経が高いレベルで整っているスマートで素敵な人たちが、周りに集まってくるようになり、人間関係のストレスも減っていきます。自律神経も整い、好調を維持できるようになることでしょう。
■やることを書き出し「見える化」する
毎日忙しく過ごしていると、仕事やプライベートでやるべきことがどんどん溜まっていき、「あれをやらなきゃ」「これもやらなきゃ」と常に時間に追われているような感覚になることはないでしょうか。
処理すべき作業が山積みの状態では、自律神経も乱れてしまい、パフォーマンスも落ちてしまいます。
抱えているタスクの量が多くなればなるほど、すべてのタスクを頭の中で整理しておくのは難しくなっていきます。日々増えていく仕事を整理するのにおすすめなのが、やるべきことをすべて書き出して「見える化」することです。
ポイントは、「長期」「中期」「短期」とカテゴリを分別して、その締め切り=日付も書き入れることです。
長期は1年~半年、中期が1カ月、短期は1週間、と分別します。やるべきことの優先順位がはっきりとわかり、その日の作業を整理することができます。
自分が今何をやらなければならないのか、どのくらいのタスクが残っているのか、目で見て判断ができるので、頭の中もすっきりします。
やるべきことをチェックし、順番に片づけていけば、おのずと仕事に追われることはなくなります。落ち着いた気持ちで一日を過ごすことができ、自律神経も整い、仕事の質量ともに自然と高まっていくのがわかるはずです。
■一日の終わりに3行くらいの短い日記も効果的
手帳やカレンダーなどに書き入れて「見える化」するのが一般的な方法ですが、ホワイトボードを利用したり、付箋に書き込んで貼るなど、さまざまな方法があります。自分に合った方法で、整理をしてみてください。
また、やるべき仕事を整理するだけでなく、ストレスなどの問題を整理してランク付けするのもおすすめです。ストレスの度合いによって、「小」「中」「大」「特大」とランクをつけて区分けして、書き出していきます。
書き出すことで、自分が抱えている問題を視覚的に把握し、俯瞰(ふかん)して捉えることができます。書き出してみたら、「特大」だと思っていたストレスも、案外そこまで思い悩むようなものではなかったかも、と思えることが多いものです。
ストレスを回避する方法を考えて実践することもできますし、逃げられない問題にも冷静に取り組むことができるようになります。たとえそのときに解決法が見つからなかったとしても、書き出したことで不思議とすっきりとした気分になるのです。
一日の終わりに3行くらいの短い日記をつけるのも、自律神経のバランスを安定させるのに効果的な方法です。
日記というのは、その日一日を整理し、心の中をシンプルに片づけることができるもの。文字にして書き出す行為が、心のデトックスになります。
ただし、その日の反省点のみを書くやり方だと、暗い気持ちを引きずってしまい、ストレスが大きくなってしまいます。モチベーションを維持するためにも、ポジティブなことを書くのが理想です。日記の最後には感謝の気持ちを書き入れるようにしましょう。
心を片づけて、自律神経が整えば、すっきりとした気持ちで明日へと向かっていけるはずです。
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順天堂大学医学部教授
1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科講師・助教授などを歴任。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導にも携わる。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト”としても有名。近著に『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)、『名医が実践! 心と体の免疫力を高める最強習慣』『腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず 免疫力が10割』(ともにプレジデント社)『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社)。新型コロナウイルス感染症への適切な対応をサポートするために、感染・重症化リスクを判定する検査をエムスリー社と開発。
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歯科医師
モウリデンタルクリニック院長。1971年生まれ。歯科治療の矛盾や誤った常識を明確に説明し、基礎医学に基づいた論理的な治療を提供している。形骸的な治療ではなく、予知性が高く、治療後の予防管理を重視した治療を行っている。歯の根本的な問題を解決するため、約15年前から患者の食事や生活習慣の改善指導も行う。
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(順天堂大学医学部教授 小林 弘幸、歯科医師 毛利 啓銘)
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