人前で食事ができない…会食恐怖症の悩みを克服する本『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと』の重版が決定!!
PR TIMES / 2018年12月18日 11時40分
人知れず悩み抱える当事者から大反響! 発売わずか1か月半で重版へ
株式会社内外出版社(東京・上野/代表取締役社長:清田名人)は2018年10月31日に発売した『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと』の重版が決定したことをお知らせいたします。
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発売からわずか1か月半でのスピード重版を記念して、著者の山口健太さんに緊急インタビューを行いました。
◆「会食恐怖症」の当事者たちを勇気づけた1冊の本
――ご自身初となる単行本『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと』が、発売わずか1か月半で重版されることになりました。
素直にうれしいです。購入いただいたみなさん、普段から応援していただいているみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。
――書籍出版以来、山口さんのテレビ出演やインタビュー記事などを通じて、多くの当事者から「会食恐怖症」が社会の関心を集めていることへの喜びの声、「自分は会食恐怖症だったんだ」といった声が上がりました。出版後のこのような反響をどのように受け止めていますか?
これほどの反響には少し驚いていますが、これからも目の前のことを丁寧にやっていきたいと思います。
――「会食恐怖症」はあまり耳慣れない言葉です。どのような病気なのでしょうか?
会食恐怖症は「会食行為」、つまり人前でご飯を食べることへの不安や恐怖が大きく、実際にその場面では何らかの症状が出てしまいます。具体的には、吐き気、めまい、胃痛、動悸、嚥下障害(食べ物が飲み込めない)、口の乾き、体(手足)の震え、発汗、顔面蒼白、呑気(空気を飲み込んお腹が張る)、緘黙(黙り込んでしまう)などが主なところですが、症状の出方や程度は人によってさまざまです。
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◆発症のきっかけの62%は「完食指導」
――かつては山口さんご自身も症状に悩まれたそうですね。発症のきっかけはどのようなことでしたか?
きっかけは、高校時代に所属していた野球部の合宿でした。合宿では「食事もトレーニングの1つ」という考えで、朝2合、昼2合、夜3合のご飯を食べることが要求されていたのです。合宿所の食堂は大勢の部員が整然と並んでいる状態で、私語もほとんど許されないような環境だったので、緊張感はさらに高まります。そんな中、まったく食欲が湧かなかった私はたくさんの量を食べることができず、最初の食事のあとに監督から部員全員の前で怒鳴られてしまいました。これがきっかけで、次の食事の場面で「また食べられずに怒られたらどうしよう」などと、さらに食べることに対してのプレッシャーが大きくなってしまったのです。それと同時に「普段ならもっと食べられるのに悔しい」という感情もありました。
――合宿中に症状の変化はありましたか?
食堂に入るだけで吐き気がこみ上げるようになったり、数日後から食事機会を想像するだけで鬱っぽくなったり、実際に「いただきます」のタイミングで戻してしまったこともありました。このあたりから「誰かとご飯を食べること」に対して、これまで以上に強い苦手意識を持つようになっていました。
――そのような「完食指導」をきっかけに会食恐怖症を発症するケースは多いのでしょうか?
日本会食恐怖症克服支援協会が当事者の方に対して行ったアンケートでは、384人の回答者のうち240人の方が「完食指導が会食恐怖症のきっかけになった」と回答しました。これは全体の62%にあたりますので、半数以上の方が完食指導の影響があると考えているようです。
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◆心療内科医でも「会食恐怖症」の知識がない場合も
――病気であれば、医師の診断を受けて治療することが一般的ですね。
はい。ですが、心療内科の先生でも「会食恐怖症についてよくわからない」という方がいるようです。また、私が当事者時代に感じていたのは「克服のための情報があまりにも少なすぎる」ということでした。たとえばインターネットで「会食恐怖症」と検索をしても「会食恐怖症は社交不安症の1つとされていて、薬物治療や精神療法での治療が推奨されています。」といった程度の情報にしかたどり着けない状態でした。社交不安症について書かれた本を読んでも、「会食恐怖症」についてはわずか1、2ページほどしか記述がなかったり、「症例の1つに会食恐怖というものがあり、自分が食べるところを見られるのが嫌という人がいます」といったの説明がされていることもありました。確かにそういう人もいるのですが、「なんかちょっと違うよな…」と違和感を覚えることが多かったですね。
――山口さんご自身はどのように克服されたのですか?
大学生時代に少しずつ会食に挑戦するようになったこと、心理について学び前向きな考え方を意識的に見つけたこと、日常から心の状態を良くすること。それらが克服につながりました。
――山口さんは、一般社団法人を立ち上げ、会食恐怖症に悩む当事者の克服をサポートする活動をされています。そのような活動を始められた理由を教えてください。
悩んでいる人の力になりたいと思ったからです。会食恐怖症の当事者は、誰にも理解されず、孤独感、絶望感を抱えている人が多いのです。ですので、その人たちの力になりたいと思い、活動を始めました。
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◆克服のための3つのポイント
――著書『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと』では年間のべ1000人以上の克服支援を通じて山口さんが培ってきた会食恐怖症の克服のノウハウを、たくさんの具体的な事例とともに丁寧に解説しています。書籍の執筆にあたって気をつけたところや難しかったところなどはありましたか?
とにかく読みやすい、わかりやすい内容にすることです。相談者の方には学生の方もいますし、本を読むのが苦手な方もいるので、そういった人たちでもスラスラ読めるよう心がけました。
――会食恐怖症は、誰でも克服できるのでしょうか?
私はできると思って相談者の方と接しています。ポイントは3つあります。1つ目は「正しい手順で会食の練習をすること」。2つ目は「前向きな考え方を身につけること」。そして3つ目は、「フローで過ごすための習慣を身につけること」です。あとは克服を一緒に目指せる支援者や仲間がいると理想ですね。
――克服に向けて、避けるべきこと、やってはいけないことはありますか?
一番やってはいけないことは自分を責めることです。苦手なことに挑戦していると、失敗することもあるので、つい自分を責めてしまいがちです。でも、そのような癖があると克服のための行動を継続することができないので、克服することがさらに難しくなってしまいますからね。
――「会食恐怖症」の当事者の方は、「症状のことを打ち明けてもどうせ理解されない」といった理由から、誰にも悩みを相談できずにいるケースが多いようです。症状を克服していくためには家族や周囲の方の気づきやサポートも重要ですね。
周囲の方はプレッシャーをかけすぎず、心配しすぎず、当事者の方の未来を信じて接してあげることが大切になりますね。
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――最後に、現在、会食恐怖症に悩んでいる方へアドバイスをお願いします。
過去の私がそうであったように、一人で悩みを抱え込んできた人が多いと思います。ですが、正しいアプローチをとれば、会食恐怖症は克服することが可能です。この本を読んで、少しでも克服に向けて前向きな気持ちを抱いてくれる人が増えたらと思っています。
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著者:山口健太(やまぐち・けんた)一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会代表理事。2017年5月、一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会を設立(アドバイザー:田島治杏林大学名誉教授)。薬を使わず「会食恐怖症」を克服した自身の経験を生かし、会食恐怖症に悩む人へのカウンセリングを行っている。相談実績は年間のべ1,000件超。学校や保育所への給食指導コンサルティング活動も行う。岩手県盛岡市出身。
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『会食恐怖症を克服するために私たちがやってきたこと』
定価:本体1,500円+税
発売日:2018年10月31日
https://amzn.to/2zKvdjW
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