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第3回全国母乳調査 母親の食事やDHAサプリメント摂取と母乳中の脂肪酸組成との関係についての研究結果が論文掲載されました

PR TIMES / 2020年9月24日 14時15分

《Current Developments in Nutrition》に掲載



雪印ビーンスターク株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:内田 彰彦)は、雪印メグミルク株式会社と共同で2015年より第3回全国母乳調査を実施しています。
今回、母親の食事やDHA(ドコサヘキサエン酸)のサプリメント摂取と母乳中の脂肪酸組成との関係についての論文が、米国栄養学会(American Society of Nutrition)のオンライン版オープンアクセス学術雑誌である「Current Developments in Nutrition」に掲載されました(2020年6月15日付)。
今後も、収集した母乳の成分と母親の生活習慣や乳幼児の成長・発達との関係を調べてまいります。


発表概要

論文題名  母乳中のDHA濃度と母親の食事及びサプリメント使用との関連性:日本人母乳のコホート
      研究データの横断的解析
      (英語原題:Association of DHA Concentration in Human Breast Milk with Maternal Diet
      and Use of Supplements: A Cross-Sectional Analysis of Data from the Japanese Human
      Milk Study Cohort)

掲載誌    Current Developments in Nutrition. 2020, 4(7), 105;
      https://doi.org/10.1093/cdn/nzaa105

著者 上野宏1、日暮聡志1、下村ゆずか2、泉井亮太2、松浦弘明2、塩田誠2、
      久保内宏晶2、山村淳一1、鳥羽保宏1、小林敏也1

1 雪印ビーンスターク(株)商品開発部
2 雪印メグミルク(株)


論文掲載内容のポイント


・日本人授乳婦の魚介類及びDHAサプリメントの摂取と、母乳の脂肪酸組成を調査しました。
・ DHAサプリメントを摂取している母親の母乳は、非摂取者に比べ高いDHA濃度を示しました。
・母親の焼き魚摂取量と母乳中のDHA濃度の間に関連性が認められました。

【論文の要約】
〇背景および目的
DHAは、乳幼児の神経発達に不可欠な栄養素の一つである。日本人の母乳はDHA濃度が高いという特徴があり、母親の食事内容は母乳中の脂肪酸組成に影響を与えると考えられている。本研究では、母乳中のDHAを含む脂肪酸組成を調べ、授乳期における日本人女性の食事習慣との関係を調査することを目的とした。

〇方法
本研究は、第3回全国母乳調査の初期段階に募集した78人の母親の母乳を対象とする横断的研究として実施した。産後1~6ヶ月の期間に収集した母乳より脂質を抽出し、ガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を分析した。母親の食生活は、簡易型自記式食事歴法質問票を用いた食事歴法により、日常的に摂取する魚介類の種類や調理方法を調査するとともに、DHAサプリメントの摂取有無ならびに摂取頻度について調査した。また、食事習慣と母乳中のDHA濃度との関連性を回帰分析により解析した。

〇結果および考察
対象者の母乳中のDHA濃度は総脂肪酸あたり0.62%(中央値)であり、78名中24名がDHAサプリメントを日常的に摂取していた。DHAサプリメント摂取者の母乳中DHA濃度(中央値0.74%)は非摂取者(中央値0.55%)よりも高く(図(a))、単回帰分析においても、DHAサプリメントの摂取と母乳中のDHA濃度との関連性が示された。
さらに、母親の魚介類の摂取量とDHAサプリメントの摂取、および母乳中のDHA濃度との関係について重回帰分析*を行った。その結果、母親のDHAサプリメントの摂取は、母子の年齢あるいは日齢、母親の現在のBMI、児の出生体重による因子調整後も母乳中のDHA濃度との関連性を有することが示された。また、母親の焼き魚の摂取量と母乳中のDHA濃度についても同様に関連性が示された(図(b))。以上の結果から、母親の日常的なDHAサプリメントの摂取と焼き魚の摂取量は、日本人の母乳中のDHA濃度に関連性を有することが示唆された。一連の結果は、現代の日本人授乳婦の食事習慣、ならびに母乳中の脂肪酸組成を反映していると推測される。

* 重回帰分析:複数の変数からなるデータを調べる多変量解析と呼ばれる統計手法の一つで、予測したい変数(目的変数といい、今回の研究では母乳中DHA濃度)とそれに影響を及ぼすと考えられる複数の変数(説明変数といい、今回の研究ではDHAサプリメントの摂取や、魚介類の摂取量など)の間に関連性があるかどうかを調べる方法です。
[画像: https://prtimes.jp/i/11145/83/resize/d11145-83-657248-0.png ]

        図:母親の食事習慣と母乳中のDHA濃度との関係(論文より改変して引用、作図)

(a) DHAサプリ摂取と母乳中のDHA濃度との関係 (b) 焼き魚摂取量と母乳中のDHA濃度との関係
黒点は外れ値、水色点は各測定値を、青線は焼き魚摂取量と母乳中のDHA濃度に関する回帰直線を示す。
2群間の比較にはMann-Whitney U-testを用いた。

【関連リリース】
・ 第3回全国母乳調査 1210組のお母さんと赤ちゃんにご協力いただいた研究概要が論文掲載されました
 (2020年6月11日:https://www.beanstalksnow.co.jp/news/5893/
・ 日本人の母乳中ビタミンD濃度の年代による変化を調査
 (2019年10月15日:https://www.beanstalksnow.co.jp/news/5631/
・ 第3回全国母乳調査 「オステオポンチン」の乳児栄養における役割について
 (2019年6月24日:https://www.beanstalksnow.co.jp/news/5500/
・ 第3回全国母乳調査 現代日本人母乳の主要栄養素濃度と母親の摂取栄養素量について
 (2019年6月17日:https://www.beanstalksnow.co.jp/news/5497/
・ 第3回全国母乳調査 機能性成分PQQの測定方法を開発
 (2019年3月27日:https://www.beanstalksnow.co.jp/news/5353/
・ 免疫に働きかける「母乳中オステオポンチン」国際共同研究で濃度変化解明
 (2018年5月21日:https://www.beanstalksnow.co.jp/news/4888/
・ 最近の日本人の母乳中ビタミンD濃度について調査
 (2017年5月23日:https://www.beanstalksnow.co.jp/news/4429/
・ 全国規模の母乳調査開始
 (2015年7月24日:https://www.beanstalksnow.co.jp/news/873/

【雪印ビーンスターク 全国母乳調査につきまして】
母親の生活習慣と母乳成分が乳児に与える影響に関する研究のために実施しております。

1. 目  的:母乳成分とともに母子の背景情報を収集しその相互関係を把握する
2. 対  象:母乳哺育している母親1,210 名
3. 方  法:母親から母乳を提供いただくとともに、食事や生活習慣のアンケート、乳児の発育や
       疾病状況のアンケートを実施
4. 実施期間:2014年~2024年(追跡調査を行うため長期実施となります)

※第1回(1960年実施)と第2回(1989年実施)の母乳調査につきましては当社ホームページをご覧ください。
https://www.beanstalksnow.co.jp/labo/milk/

【企業情報】
雪印メグミルクグループ 雪印ビーンスターク株式会社 (Bean Stalk Snow Co.,Ltd.)
設 立 :2002年8月7日
代表者 :代表取締役社長 内田 彰彦
URL  :https://www.beanstalksnow.co.jp

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