春夏秋冬の「音」を、手でさわって感じる! 点字つき絵本『音にさわる ーはるなつあきふゆをたのしむ「手」ー』発売。
PR TIMES / 2021年10月5日 18時45分
見える子も見えない子も楽しめる、点字つきの絵本の最新作です。
株式会社偕成社(出版社 本社:東京都新宿区 代表取締役社長:今村正樹)は、『音にさわる ーはるなつあきふゆをたのしむ「手」ー』(広瀬浩二郎 作/日比野尚子 絵)を、2021年10月4日に刊行しました。
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音にさわる ーはるなつあきふゆをたのしむ「手」ー
https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784032261608
「てんじつきさわるえほん」とは
文章が点字になっているだけではなく、イラストも隆起印刷で表現して「さわれる」ようにしたのが、「てんじつきさわるえほん」です。
偕成社ではこれまでにも、「見える子も見えない子も楽しめる」をコンセプトに、「てんじつきさわるえほん」として、人気絵本を点字化し、「さわれる」ようにした作品を刊行してきました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/26693/100/resize/d26693-100-fe56ae11b48058083c2d-3.jpg ]
▲それぞれ、2021年に300万部を突破したあかちゃん絵本『じゃあじゃあびりびり』、シリーズ累計が3400万部を突破している「ノンタン」シリーズの中の1冊『ノンタン じどうしゃぶっぶー』が元になっています。
*隆起印刷についてほか、「てんじつきさわるえほん」をより詳しく紹介した記事はこちらです。
https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/s/osusume/osm180219/
(偕成社のウェブマガジンKaisei webより/2018年2月)
今作は、既存の絵本を「さわれる化」したものではなく、一から作られた「さわる絵本」。そのため、これまでの作品とはちがった特徴をそなえています。
『音にさわる』の内容と特徴
<内容>
主人公は手の姿をした「さわるくん」。4つの季節をめぐり、さまざまな音をさがします。
<特徴(1)> 春夏秋冬の「音」をさわる、視覚でない感覚で季節を感じる構成
春は桜が咲き、そよそよと風が吹く様子。夏は葉のしげった木で、セミがなく様子。季節ごと、自然の中にある音を隆起印刷で表現し、タイトルの通り「音にさわれる」ようになっています。
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▲通常の印刷はこちら。セミの声は、文字でも絵でも示されていませんが……、
[画像4: https://prtimes.jp/i/26693/100/resize/d26693-100-b1e44c2e1a6d4f004b22-8.jpg ]
▲隆起印刷ではこのように、にぎやかにセミの声が表現されています。(黒い部分が隆起印刷)
このように、見える子も見えない子も、一緒の隆起印刷を「さわって」、季節ごとの音を楽しめるのです。
<特徴(2)> 絵と隆起印刷が一致!
[画像5: https://prtimes.jp/i/26693/100/resize/d26693-100-4f7d601a03ef6336eeab-10.jpg ]
これまでのような「既存の絵本の『さわれる化』」では、わかりやすくするためのくふうとして、「絵」と「隆起印刷された絵」が一致していない部分がありました。
元の絵で重なっている部分をそのまま隆起印刷にしてしまうと、ひとかたまりになってしまい、本来の形がわかりにくくなってしまうことがあります。
そのため、これまでの「てんじつきさわるえほん」では、元の絵からずらした場所に、さわって理解できるような形で、隆起印刷を施してきました。
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▲『てんじつきさわるえほん ノンタンじどうしゃぶっぶー』の表紙でも、ノンタンがじどうしゃを抱えている元の絵だと、車を持っていることがわかりにくいので、車だけが少しはなれた場所に隆起印刷されています。
本作は一から作られたため、それを考慮して絵が描かれ、絵に一致した隆起印刷が施されています。「ずれ」については、なぜずれているのですか? という質問を受けることも多かったのですが、これは元の絵本がある場合と、オリジナルで作られた場合との違いでもあります。
[画像7: https://prtimes.jp/i/26693/100/resize/d26693-100-d1c8611c36d1a488b70d-11.jpg ]
作者・広瀬浩二郎さんが本作を手がけたきっかけ
本作の作者、広瀬浩二郎さんは、大阪の国立民族学博物館に勤務されている全盲の方です。視覚以外の感覚を総動員して修行に励み、琵琶で人の心をうつ「音」を創造した琵琶法師「耳なし芳一」の話からインスピレーションを得て、今回初めて絵本を手がけました。
新型コロナウイルス感染症の拡大とともに、そもそも「さわる」とはどんな意味をもっているのかという、基本的な問いに立ち返ることになったという広瀬さん。「非接触社会から触発は生まれない」と、発信を続けています。
コロナ禍においては「さわる」ことがタブーのようなイメージとなってしまったけれど、「さわる」ことは目が見えない人だけでなく、誰にとっても本来生きていく上では必要なこと、意味のあること。
いろいろな感触の隆起印刷を用いていて、子どもたちがさわり楽しむことによって、視覚だけにだけに頼らないさまざまな感覚が目覚めることになれば、という思いが込められています。かわいらしく明解なイラストは、日比野尚子さんが手がけています。
「さわる」ことを通して、見える子と見えない子が一緒に楽しめる本作。ぜひ直接「さわって」読んでいただきたい一冊です。
★本作の発売を記念して、広瀬さんのインタビュー記事を公開しました。
https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/a/ath/ath2109/
(偕成社のウェブマガジンKaisei webより/2021年10月5日公開)
書籍詳細
【著者紹介】
作:広瀬浩二郎
1967年、東京都生まれ。13歳の時に失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。2000年、同大学院にて文学博士号取得。専門は日本宗教史、触文化論。2001年より大阪にある国立民族学博物館に勤務。現在は学術資源研究開発センター准教授。「ユニバーサル・ミュージアム」(誰もが楽しめる博物館)の実践的研究に取り組み、「触」をテーマとする各種イベントを全国で企画・実施している。著書は『目に見えない世界を歩く』、『触常者として生きる』、『それでも僕たちは「濃厚接触」を続ける!』など多数。
絵:日比野尚子
山口県の湯田温泉生まれ。広告制作会社で、グラフィックデザイナーとして勤務したのち、大阪市設置のクリエイティブ産業支援施設にて、アートディレクター兼コミュニティづくりを務める。退職後、イラストレーターとして独立。装丁画・挿絵・企業や地方自治体、商品のキャラクターを手がける。主な仕事に味の素AGFブレンディのキャラクター、国立民族学博物館のポスター、国立国際美術館の子どもガイドなどがある。
[画像8: https://prtimes.jp/i/26693/100/resize/d26693-100-fe1fc287ad315a2788fc-9.jpg ]
【書誌情報】
書名:てんじつきさわるえほん 音にさわる ーはるなつあきふゆをたのしむ「手」ー
作:広瀬浩二郎
絵:日比野尚子
定価:1,540円(税込)
対象:2歳から
サイズ:19cm×17cm
ページ数:12ページ
ISBN コード:978-4-03-226160-8
発売日:2021年10月4日
◎偕成社HP書誌情報:https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784032261608
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