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【開催報告】「世界難民の日」特別シンポジウム、若者を中心に152人が難民問題を考えました

PR TIMES / 2018年6月6日 17時1分

世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン(東京都中野区/以下、WVJ)と、日本に暮らす難民の定住支援を行う公益財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部(東京都港区/以下、RHQ)は、「世界難民の日」を前にした6月2日(土)に特別シンポジウムを開催しました。

「世界の難民危機と私たちにできること~「難民とともに生きる」を若者と考える~」と題した本シンポジウムには、若者を中心に152人が参加。日本ができる支援を国内外から捉え、参加者一人ひとりが難民問題を身近なこととしてとらえる機会となりました。



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難民に関わる若者・大人・難民当事者が集結

第一部では、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)・川内敏月さん、WVJ・中村ゆきスタッフ、フォトジャーナリスト・安田菜津紀さん、RHQ・伊藤寛了さん、国際基督教大学・新垣修さんが、それぞれ取り組んでいる難民支援事業について報告しました。

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第二部では、上記5名に、聖心女子大学 難民支援学生団体「SHRET」の鈴木菜紘さん、慶應義塾大学 公認学生団体「S.A.L.」の高橋英佑さんと三橋幸奈さん、インドシナ難民のトルオン ティ トゥイ チャンさんを加え、“「難民とともに生きる」を若者と考える”というテーマでパネル・ディスカッションを行いました。大学生の皆さんが難民支援に携わるようになったきっかけや、支援活動の現場で働く専門家たちのモチベーションが共有されると、会場からは「学生としてこの問題にどう関われるか」という質問が出ました。会場が一体となって難民問題を考える時間となりました。



第一部 難民支援の活動報告

川内 敏月(国連難民高等弁務官事務所(UNHCR) 駐日事務所 副代表(法務担当))

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世界中で、自らの意思に反して移動を強いられている難民や国内避難民の人々の数は、6,560万人にのぼるといわれています。その数は、残念ながら毎年増え続けています。しかし、たまたま平和な日本に生まれた私たちと、たまたま難民にならざるを得ない状況に生まれた人たちの間に、同じ人間として何か違いがあるのでしょうか。UNHCRは国連の専門機関として、1950年に設立されて以来、各国政府や国際機関、様々な団体や市民社会、そして「自分にも何かできることはないだろうか」と考える一人ひとりの支援者の方々と共に、日々、難民保護や支援に取り組んでいます。

中村 ゆき(国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン 緊急人道支援課 南スーダン担当)

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南スーダン内戦により240万人が難民、190万人が国内避難民として隣国に逃れ、ウガンダには106万人が滞在しています。アフリカ最大の難民居住区であるビディビディでは、急激な難民の増加により支援ニーズへの対応が追い付かず、人々は厳しい生活を強いられています。WVJでは、7割を占める子どもたちに、その保護活動や教育支援を通じて、児童労働、早婚、武力勢力への勧誘等のリスクから子どもたちを守り、未来を築くことができるよう支援を行っています。今年から「Take back Future~難民の子どもの明日を取り戻そう~」キャンペーンもスタートしています。ぜひ応援をお願いします。

安田 菜津紀(フォトジャーナリスト)

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内戦前に通ったシリアでは、歴史深い風景に魅せられただけでなく、家族や友人を何よりの宝としていた人々に出会いました。けれどもこの7年間、500万人以上が隣国やヨーロッパへと逃れ、時に差別や貧困に直面しながらの避難生活を余儀なくされています。今年5月に訪れたシリア北部の街では、不発弾や人々の心に残る恐怖心が帰還をより困難なものとしていました。ある難民となった男性が、自分たちを最も追い詰めてきたのは、世界の無関心だと話してくれたことがあります。だからこそ取材を続け、日本からも心を寄せ続けたいと思います。

伊藤 寛了((公財)アジア福祉教育財団 難民事業本部 企画第一係長)

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1978年以降、1万2,000人を超えるインドシナ難民、条約難民、第三国定住難民の方々を日本は受け入れてきました。難民事業本部(RHQ)は、1979年の設立以来、政府からの委託を受けて難民の方々の日本への定住を支援しており、1.日本語教育・生活ガイダンス・就職斡旋からなる定住支援プログラム、2.同プログラム修了後の生活相談・日本語学習支援・就労支援等のアフターケアを実施しています。難民の方々の定住においては、私たち一人ひとりの理解と協力が重要になります。本シンポジウムが次世代を担う若者と「難民とともに生きる」を考える切欠(きっかけ)となれば幸いです。

新垣 修(国際基督教大学教授)

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我々はグローバルな難民排除主義の時代にあります。北の先進諸国は、南の難民の接近を阻むため「壁」を建造してきました。この「壁」は単純な物理的障壁ではありません。厳格な査証制度や軍事力を盾とする阻止、出入国管理権限の一部の私企業への委託等を含む重層的で巧妙な「壁」です。財政力や外交力での圧倒的な力を背景に、北は、難民を南に結い付けています。この状況に応えるべく、国際基督教大学は、シリア難民入学のための奨学金制度を開始しました。これは新たな取り組みであり、今後は、他大学や企業との協働、学生の主体化を願っています。
若い皆さんへ。「見えないものに目を注ぎなさい」


第二部 パネル・ディスカッション 「難民とともに生きる」を若者と考える

第二部の冒頭では、各学生団体の活動紹介と、インドシナ難民であるチャンさんのこれまでの歩みが共有されました。チャンさんは、命をかけて海を渡り強く生きてきた過去に触れ、「人間はそれぞれ一輪ずつの花。みんな違うけど必ず咲く。(難民を含めた)日本中がお花畑になるにはどうしたらいいか」と、心に響くメッセージをくださいました。

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その後始まったパネル・ディスカッションでは、「初めは軽い気持ちだったけど、“知ってしまった”から難民問題に深く関わるようになった」という「S.A.L.」の高橋さん・三橋さんの話がありました。一方、難民支援に仕事として関わるモチベーションについて、安田さんは「いただきものである“出会い”を通じて、自分は何をしてあげられるかという気持ちでいること」、中村スタッフは「一人ひとりの命の大切さを忘れないこと」、新垣さんは「私にできることで一番効果的なことは若者の心に種をまくこと」と、それぞれの思いをお話くださいました。

高校生や大学生の姿が目立った会場からは、「学生としてこの問題にどう関われるか」という質問が出、高橋さんは「難民としてではなく、人として交流していくこと」、チャンさんは「難民は1人の人間であなたと同じ。違うことは当たり前だと理解して」、と答えました。

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短い時間でしたが、「難民」というカテゴリーではなく「人」として個人の関係を育むことが大切というメッセージを残して、シンポジウムは閉会しました。



「世界難民の日」特別シンポジウム 開催概要

日時: 2018年6月2日(土)13:00 - 15:30
会場: グロービス経営大学院内 グロービスホール
主催: (公財)アジア福祉教育財団 難民事業本部
(特非)ワールド・ビジョン・ジャパン
協力: 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)/ 国際基督教大学
参加費用: 無料
プログラム:

開会挨拶: 木内 真理子(ワールド・ビジョン・ジャパン 事務局長)

第1部:難民支援の活動報告
・「世界の難民問題とUNHCR」川内 敏月(UNHCR駐日事務所)
・「南スーダンの難民支援~現状と課題~」中村 ゆき(ワールド・ビジョン・ジャパン)
・「故郷を離れて生きるシリアの人々」安田 菜津紀(フォトジャーナリスト)
・「日本の難民受入れの40年の歩み」伊藤 寛了(アジア福祉教育財団 難民事業本部)
・「難民を受け入れる大学」新垣 修(国際基督教大学)

第2部:パネル・ディスカッション
テーマ:「難民とともに生きる」を若者と考える
【学生/難民定住者】
・鈴木 菜紘 (聖心女子大学 難民支援学生団体SHRET)
・高橋 英佑 (慶應義塾大学 公認学生団体 S.A.L.)
・トルオン ティ トゥイ チャン(インドシナ難民、(公財)アジア福祉教育財団難民事業本部・通訳)

質疑応答
閉会挨拶: 瀬尾 正嗣(難民事業本部 次長)

■主催団体
≫特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン
キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等のために困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録された、約100カ国で活動するワールド・ビジョンの日本事務所です。詳しくは www.worldvision.jp へ。
≫公益財団法人アジア福祉教育財団 難民事業本部
インドシナ難民の日本受入れをきっかけに、1979年アジア福祉教育財団内に発足した、日本に暮らす難民の定住支援を行う団体。現在は第三国定住難民、条約難民、インドシナ難民の日本での定住促進と自立のため、日本政府より委託を受け、難民支援に関する様々な事業を行っています。また、難民認定申請者に対する援助事業、難民問題の広報・啓発活動も行っています。詳しくは http://www.rhq.gr.jp へ。

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