シミの原因になるタンパク質とその抑制成分を発見
PR TIMES / 2019年1月21日 16時40分
―シミのメカニズムの研究成果を権威ある化粧品の国際学術大会で発表―
株式会社ファンケルは、加齢とともに消えにくくなる肌のシミのメカニズムについて研究を進めています。その結果、メラニンを産生する細胞のメラノサイトで紫外線などの刺激を受けて過剰に活発になったタンパク質「CXCR4」(1)が、消えにくくなるシミの原因となることと、さらにサクラの葉などに含まれる「プルネチン」(2)に「CXCR4」を抑制する効果を発見しましたのでお知らせします。
本研究結果は2018年9月19日~21日にドイツのミュンヘンで開催された権威ある化粧品学術大会「IFSCC」(The International Federation of Societies of Cosmetic Chemists/国際化粧品技術者会連盟)で発表しました。
<研究結果>
【「CXCR4」が消えにくいシミの原因であることを発見】
[画像1: https://prtimes.jp/i/17666/330/resize/d17666-330-263344-0.jpg ]
加齢とともに消えにくくなるシミは、表皮の基底膜(3)が壊れ、その下にある真皮に落ち込んでいるという特徴があります。そこで、基底膜の上に存在するシミの原因であるメラニンを産生する細胞のメラノサイトと、基底膜の破壊の関係について研究しました。紫外線によって皮膚の中でさまざまなタンパク質が増加し、皮膚に影響を与えます。その中で特にメラノサイトで産生されるタンパク質「CXCR4」の機能や反応(以後、活性と表記)に着目しました。
その結果、紫外線などのストレスによって、メラノサイトで増える「CXCR4」の活性を促進すると、基底膜を破壊する酵素MMPが増加して基底膜の破壊を起こすことを発見しました。逆に「CXCR4」の活性を阻害すると、基底膜を構成するコラーゲンの産生量が増加することも発見しました(図1)。
つまり「CXCR4」の活性が促進されると基底膜が破壊され、シミの原因であるメラニンが真皮に落ち込み、排出されずに固定化されることが、消えにくいシミの原因の一つになることが分かりました。また、「CXCR4」の活性を阻害すると、コラーゲンの産生量が増加し、基底膜が強化できることも分かりました。
【「CXCR4」の活性を抑制する成分「プルネチン」を発見】
[画像2: https://prtimes.jp/i/17666/330/resize/d17666-330-110493-1.jpg ]
次に、約100種類の天然由来化合物の中から「CXCR4」の活性を抑制する成分を探索しました。その結果、
サクラの葉などに含まれる「プルネチン」に「CXCR4」の増加を抑制する効果を発見し、活性を抑制できることが分かりました。さらに、「プルネチン」は、紫外線の照射で減少する基底膜のコラーゲンを増加させる効果を持つことも同時に発見しました。このことから、基底膜の破壊によってメラニンが真皮に入り込み、消えにくくなるシミの形成を防ぐ有用な成分であると考えられます(図2)。
<本研究成果による今後の製品開発>
本研究成果で発見された「CXCR4」の活性を抑制する成分「プルネチン」は、加齢にともなって消えにくくなったシミをケアする成分として有効であると考えています。今後この新しい機能を持つ成分を配合したホワイトニング化粧品を発売する予定です。
【用語解説】
(1)「CXCR4」:C-X-C motif chemokine receptor 4の略語。皮膚だけではなく、膵臓や小腸、免疫器官などさまざまな臓器に存在しているタンパク質。基底膜を壊して細胞を侵入させる働きを持つ。皮膚では皮膚炎症や乾癬、がんの転移などへの関与が報告されている。
(2)「プルネチン」:イソフラボノイドの一種でサクラの葉やアイリスの塊茎に含まれる物質。抗炎症、抗糖尿病、抗酸化機能が知られている。
(3)基底膜:表皮と真皮が接している境目に存在する厚さ約100nmのシート状の膜。コラーゲンなどの細胞外
タンパク質でできた網目状の構造をしており、表皮細胞にとって重要な足場。紫外線や加齢により薄くなることが知られている。
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