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理研、IBMの次世代量子システムをスーパーコンピュータ「富岳」に連携

PR TIMES / 2024年5月1日 13時40分

-理研および共同研究者は、IBM Quantum System Twoをオンプレミスで利用可能に
-量子を中心としたスーパーコンピューティング向けのアプリケーション開発を加速させることを目的とした、「富岳」と同じ建物に設置される唯一の量子システム
-IBM Quantum System Twoが米国以外で初めて稼働予定

IBMは、IBMの次世代量子アーキテクチャーおよび最も高性能な量子プロセッサーを、神戸市の理研計算科学研究センターに導入し、専有利用権を提供する計画について、理化学研究所(理研)と合意したことを発表しました。これは、スーパーコンピュータ「富岳」と同じ建物に量子コンピュータが設置される初の事例となります。


本合意は、経済産業省傘下の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がファンディングする「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の「量子・スパコンの統合利用技術の開発」プロジェクトにおいて締結されたもので、理研は本プロジェクトの実施において、IBM Quantum System Twoを専有利用します。


本プロジェクトでは、理研と共同提案者のソフトバンク株式会社、理化学研究所の共同実施者の東京大学、大阪大学は、日本の科学とビジネスを発展させるというビジョンのもと、最先端の量子コンピュータとスパコンを連携するためのシステムソフトウェア、プラットフォームを構築し、ポスト5G 時代で提供されるサービスとして展開する技術としての有効性を実証します。


また、本プロジェクトとは別に、IBMは、量子コンピュータとスーパーコンピュータというヘテロジニアスな統合コンピューティング環境でのワークフロー実行のための、ミドルウェアや最適な量子回路を生成・実行するソフトウェアの開発を行う予定です。これらの新機能により、アルゴリズム品質や実行時間の改善が期待されます。


本合意に基づき導入し、「富岳」と連携するIBM Quantum System Twoには、IBMは「量子を中心としたスーパーコンピューティング」という次世代の量子コンピューティング・アーキテクチャーの導入を計画しています。これは、スケーラブルな極低温インフラストラクチャーやモジュール式の量子ビット制御機器、スケーラブルなクラシック・サーバー、先進的なシステムソフトウェアを組み合わせ、従来型のHPCサービスと並列する形で量子コンピューティング・サービスを提供するもので、量子を中心としたスーパーコンピューティングというIBMのビジョンの中核をなす構成要素です。


量子を中心としたスーパーコンピューティングは、量子コンピューティング・リソースと従来型コンピューティング・リソースが統合され、並列化されたワークロードの中で協働し、これまで不可能であった計算を実行することによって実現されるものです。量子を中心としたスーパーコンピューティングは、量子コンピューティングがアーキテクチャーにおいて不可欠となる従来型HPCの未来に向けたIBMのビジョンであり、IBM Quantum System Twoはこのビジョンに向けた重要な構成要素です。


IBM Quantum System Twoには、これまでのIBM Quantumプロセッサーの中で最高の性能指標を実現するアーキテクチャーを備えた新しい商用量子プロセッサー・シリーズの第1号となる、133量子ビットのIBM Quantum Heronプロセッサーが搭載される予定です。IBM Quantum Heronプロセッサーは、IBM Quantumプロセッサーの中でエラー率が最も低く、これまで最も高性能であったIBM Eagleプロセッサーと比較して5倍の性能向上( https://arxiv.org/abs/2311.05933 )を実現したプロセッサーで、現在はクラウド上で利用が可能です。


計算科学研究センター量子 HPC 連携プラットフォーム部門 部門長の佐藤三久博士は次のように述べています。「最先端の NISQ の量子コンピュータは今、量子ビット数の増加と忠実度の向上に伴い、実用的な段階に踏み出しつつあります。HPC (High Performance Computing) の観点から見ると、量子コンピュータは、従来スパコンで実行されてきた科学アプリケーションを高速化し、スパコンではまだ解くことのできない計算を可能にする装置です。理研の科学の総合力と「富岳」をはじめとする最先端のスパコン開発及び運用の経験を生かして、量子・HPC 連携コンピューティングのためのシステムソフトウェアの開発に取り組んでいきます。」


IBMフェロー 兼 IBM Quantum バイス・プレジデントのジェイ・ガンベッタ(Jay Gambetta)は、次のように述べています。「スーパーコンピュータ「富岳」に初めて量子システムを直接連携させるIBMと理研の合意は、量子を中心としたスーパーコンピューティングによって定義される未来に向けた行程において記念碑的なマイルストーンとなります。この取り組みにより、従来型のコンピューティング・リソースを使用して量子計算と量子通信を組み合わせるモジュール式で柔軟なアーキテクチャーの推進に向けて業界を前進させ、両方のパラダイムが連携してますます複雑化する問題を解決できるようにします。」


IBMについて
IBMは、世界をリードするハイブリッドクラウドとAI、およびコンサルティング・サービスを提供しています。世界175カ国以上のお客様の、データからの洞察の活用、ビジネス・プロセス効率化、コスト削減、そして業界における競争力向上を支援しています。金融サービス、通信、ヘルスケアなどの重要な社会インフラ領域における4,000以上の政府機関や企業が、IBMのハイブリッドクラウド・プラットフォームとRed Hat OpenShiftによって、迅速に、効率良く、かつセキュアにデジタル変革を推進しています。 IBMは、AI、量子コンピューティング、業界別のクラウド・ソリューションおよびコンサルティング・サービスなどの画期的なイノベーションを通じて、オープンで柔軟な選択肢をお客様に提供します。 これらはすべて、信頼性、透明性、責任、包括性、ならびにサービスに対するIBMのコミットメントに裏付けられています。詳細は、http://www.ibm.com/ をご覧ください。


理研について
国立研究開発法人理化学研究所(りかがくけんきゅうしょ、英語名:RIKEN)は、日本で唯一の自然科学の総合研究所として、物理学、工学、化学、数理・情報科学、計算科学、生物学、医科学などに及ぶ広い分野で研究を進めています。1917 年に財団法人として創設された理研は、現在では日本全国に世界トップクラスの研究センターや研究所のネットワークを擁しています。

当報道資料は、2024年4月30日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳をもとにしています。原文はこちら( https://newsroom.ibm.com/2024-04-30-RIKEN-Selects-IBMs-Next-Generation-Quantum-System-to-be-Integrated-with-the-Supercomputer-Fugaku )を参照ください。


IBM、ibm.comは、米国やその他の国におけるInternational Business Machines Corporationの商標または登録商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、ibm.com/trademarkをご覧ください。

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