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花粉症はシーズン前からの治療が重要。会社でも対策を講じ、より働きやすく

QLife / 2023年12月21日 17時0分

労働生産性を下げる花粉症。会社にできる対策とは

 特に春や秋に、多くの人が花粉症による鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどの症状に悩まされています。アレルギー性鼻炎に関する研究によると、その症状によって労働生産性が32.5%も低下することが明らかになっており1)、一人当たりの年間の経済的損失は約19万円に上るとの報告もあります2)。政府も花粉症を社会問題ととらえ本格的な対策を始めています3)。


左から大澤さん、MEGUMIさん、岡野先生 (ノバルティスファーマ提供)

 一方で、花粉症を自覚しつつも病院に行かず、市販薬で対処している人も多いのではないでしょうか。働く人の生産性に大きな影響を及ぼす疾患ながら、会社として対策に取り組んでいるところはまだ少ないでしょう。

 そこで製薬会社のノバルティスファーマは「会社の花粉症対策でウェルビーイングを向上」と題し、働く人の生産性向上に努める企業人向けの啓発イベントを2023年12月8日に開催しました。

 イベントには、自身も花粉症の悩みを抱えながら、女優業・カフェの経営・映画プロデュース業などを行うタレントのMEGUMIさんが登壇し、仕事のパフォーマンスを高めるための花粉症対策を学びました。アレルギー性鼻炎の専門家である岡野光博先生(国際医療福祉大学医学部教授)は花粉症が業務に与える影響や花粉症対策について解説し、「花粉症手当」など会社内の花粉症対策導入で注目される株式会社ラフールの大澤直人さんが自社の取り組みを紹介しました。

花粉症対策は会社にとっても費用対効果が高い

 岡野先生は、花粉症は「職場には行けるけれども、出勤時に憂鬱になる、仕事をしたくない、生産性が落ちるという方が非常に多い」と指摘します。鼻アレルギー診療ガイドラインよると、1日のくしゃみ発作回数が 11 回以上、1日の鼻かみ回数が 11 回以上、鼻閉による口呼吸が1日のうちかなりの時間ある場合は重症とみなされます4)。重症の人のQOLは無症状や軽症の人に比べて明らかに低下し5)、花粉症の治療費やマスク購入などの経済的負担を感じている人も多いことが、ノバルティスファーマの調査からわかっています6)。


イベントの様子 (ノバルティスファーマ提供)

 そのような実態を踏まえて、会社として花粉症対策に取り組んでいるのが株式会社ラフ―ルです。同社では「花粉症手当」として、①病院の診察費、処方箋代を会社が全額支給(約5,000円/回、上限回数なし)、②高級ティッシュ、高級マスク、目薬などの花粉症対策グッズの現物支給を実施しています。同社の大澤さんによると、花粉症手当は社員の約半数が利用しており、残業時間10%削減、営業受注率1.3倍向上などの効果を上げているといいます。

 岡野先生は専門家の立場から「花粉症による経済的損失が一人当たり年間20万円弱あると考えれば、費用対効果の高い取り組みではないか」と評しました。

花粉症治療は花粉が飛散する前から

 岡野先生は2024 年の花粉症対策の柱として「花粉の除去・回避、初期療法、注射薬療法、アレルゲン免疫療法」を挙げました。花粉飛散量の多い日は外出を控える、花粉の付きにくい服を着る、窓際を念入りに掃除するといった環境整備と、標準的な治療をしっかり行えば、多くの患者さんの重症化が抑えられるといいます。特に初期療法が重要だとして、「花粉の本格的な飛散が始まる前、2月中旬までの治療」を強く呼びかけました。また、花粉飛散量が多い場合や重症化した場合は、複数の薬を併用することも効果があると解説しました。


岡野先生 (ノバルティスファーマ提供)

 アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法 Sublingual Immunotherapy: SLIT)とは、アレルゲン(抗原)を口腔底に投与してアレルギー反応性を弱める根治的治療です。症状が改善することはもちろん、3年継続することで、終了後 2 年間は効果が持続することもポイントです。 岡野先生は「花粉症にはいろいろな薬があるので、医師に相談すれば個人に合った薬をもらえる」とし、市販薬だけで済ませず病院に行くことをすすめました。

 MEGUMIさんは「会社が花粉症対策に取り組むことで、社員の花粉症への向き合い方も変わるのではないか」とコメント。「花粉症を病気として深刻に捉えていない人が多いかもしれないけれど、会社が対策に取り組めば、花粉症は治療したら治るという意識につながる」とポジティブな変化に期待を寄せました。(QLife編集部)

1)Vandenplas O, et al. JACI Pract 6: 1274, 2018. 2)岡本美孝他:鼻閉を伴うアレルギー性鼻炎に係わる経済的損失.医薬ジャーナル50(3),p. 983-991,2014. 3)内閣官房:花粉症に関する関係閣僚会議.(2023年12月18日確認) 4)耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会:鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版, ライフ・サイエンス, 2020. 5)KumanomidouH, Okano M, et al. AllergolInt 71: 207, 2022. 6)ノバルティスファーマ:花粉症が与える業務パフォーマンスへの影響度調査結果集. (2023年12月18日確認)

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ノバルティスファーマ プレスリリース

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