【徹底討論 あなたはどっち派?】Round3:最高のプレイヤーはジョーダン?それともレブロン?
NBA Rakuten / 2019年11月2日 9時0分
Basketball DinerでMCを務めるダブドリ編集長の大柴壮平氏とNBAライターの大西玲央氏が、毎週ひとつのテーマについて徹底討論する企画。今週は【最高のプレイヤーはジョーダン?それともレブロン?】がテーマです。
【レブロン派 大柴】
マイケル・ジョーダンは強いチームのエースだったから、たまたま優勝しただけです。フロントがいい、GMが素晴らしい、選手層が厚い、スコッティ・ピッペンもいたいいチームでした。ジョーダンはそこにあやかっていただけだと思います。
それに比べて2016年のレブロンの優勝はすごかった。あのファイナルではクリーブランド・キャバリアーズは完全にアンダードッグだったんです。ジョーダンがファイナル行く時は、いつもブルズが本命なんです。2016年のキャブズの相手は、そのジョーダンのブルズが作ったシーズン最高勝率を破って73勝を記録したゴールデンステイト・ウォリアーズなんです。史上最強のウォリアーズを相手にアンダードッグとしてファイナルに臨んで優勝したのはすごいですよね。
もう一つ2016年の優勝がすごかったところは、ファイナルで大逆転優勝をしたんですよ。アンダードッグだったし、実際にシリーズはウォリアーズ優勢で進みました。1勝3敗からの逆転優勝は、ジョーダンどころかNBA史上初なんです。しかもブルズを超えた最強チーム相手にやってのけた。これはブルズを超えたと言っても過言ではないでしょう。
最後に2016年の優勝で一番大事なところは、レブロンは2つの時代で優勝しているということなんですね。レブロンがマイアミ・ヒートにいた頃、最初のファイナルでダーク・ノビツキー率いるダラス・マーベリックスに負けました。あの頃はまだ「ダーク・ノビツキーすごい。あんなにデカいのにスリーが入る。へえ、ストレッチ4っていうんだ」みたいな時代でした。そこからペース&スペースでスリーを沢山打つ、パワーフォワードがスリーポイントを打てるのは当たり前という時代になった。2016年のキャブズは、時代を変えた、時代の先頭を走っていたウォリアーズを相手に勝ったんです。だから2010年代のNBAが過渡期だった頃にも優勝、2016年にはペース&スペース時代に優勝と、2時代に渡って優勝していることになります。
レブロンはいつの時代でも最高のプレイヤーになれる存在なんです。ここで玲央さんに質問です。ジョーダンはウィザーズで優勝できましたか?
【ジョーダン派 玲央】
マイケル・ジョーダンの何がすごいって、まず誰でも知ってることなんですよね。うちの奥さんでも知っている。親世代でも知っている。他業種でも「○○界のマイケル・ジョーダン」という言われ方を今でもするんです。すごいことの代名詞になっているんです。「○○界のレブロン・ジェームズ」なんて聞いたことありません。
ジョーダンの何がすごいって、とにかく勝つんですよ。負けないんです。ファイナルに6回出場して6回優勝、6回ファイナルMVP。なんならレギュラーシーズンも5回MVPを獲っている。記者がもう投票するのが癪だからチャールズ・バークレーとかカール・マローンが獲ったけど、実際は毎年ジョーダンでいいぐらいでした。
3連覇を2回達成しているっていうのもジョーダンの凄さだと思います。「野球やります」って言って2年間バスケから離れていても、戻ってきたらまたリーグを席巻しました。選手として、みんながマイケル・ジョーダンになりたいんです。“Be like Mike” ですよ。“Be Like LeBron” って言わないでしょ。
それにマイケル・ジョーダンはコート上だけじゃないんです。バスケットボール選手がポップカルチャーに影響力を持ったのは、ジョーダンが初めてだと思います。レブロンも「ロサンゼルスに行ってハリウッドのキャリアを作りたい」って言ってましたけど、そもそもあの流れを作ったのはジョーダンなんです。今度『スペース・ジャム2』っていう映画が出るそうですけど、あれも全部ジョーダンのおかげです。今でこそみんないいバッシュ、派手なバッシュ履いてますけど、あれも全部ジョーダンが始めたブームです。ズボンが長いのもジョーダン、坊主が多いのもジョーダン。レブロンが23番つけてるのもジョーダンの番号だから。
影響力がすごすぎるんです。ジョーダンがいて、他の選手がいる。他の選手の中にレブロンとかコービーとかいい選手はいますけど、ジョーダンの比較対象にはなりません。
【レブロン派 大柴】
玲央さんの周りではジョーダンしか知らないと思いますけど、若い世代にはレブロンですから。玲央さんの付き合ってる人間が古いだけです。
とにかく勝つって言ってましたけど、それはGMがいて、サポートキャストがいて6回優勝できたという話なんです。レブロンのように格下のメンバーを引き連れて優勝したわけではありません。
3連覇2回で野球を挟んだということなんですけど、2011-12シーズンのロックアウトの時はレブロンはNFLのチームから来ていいよと言われていたんです。ロックアウトがすぐ終わったからやらなかったですが。
そしてジョーダンが業界に影響を与えたという話があったんですけど、レブロンも業界に影響を与えています。レブロンは故郷を裏切ってマイアミ・ヒートに移籍したんです。その時もちろん批判もありました。僕もあの移籍は良くないと思いましたけど、あの移籍で業界が変わったことは間違いありません。ケビン・デュラントも、レブロンの移籍が無ければ、絶対にウォリアーズには移籍していません。選手側目線に立てば、レブロンのおかげで好きなチームでプレイできるという権利を獲得することができた。これはポップカルチャーを築いたのと同じぐらい重要な出来事だと思います。
もう一つ言いたいことがあります。今仮に二人が新人だったら、絶対レブロンの方が欲しいですよね。なぜならトライアングルオフェンスでしか活躍していないジョーダンと違って、レブロンは2チームで活躍しました。これからまたバスケットボールもどんどん変わっていくでしょうが、レブロンを獲った方が色んな時代に対応できます。
というわけで、もう1度聞きます。ジョーダンはウィザーズで優勝できましたか?
【ジョーダン派 玲央】
強いチームにあやかってるって言いますけど、そもそもジョーダンがいるから強いんです。ピッペンとかホーレス・グラントとかオールタイム・グレイト・プレイヤー(歴代でも優れた選手たち)とばかりプレイしていて、サポーティング・キャストがジョーダンの方がいいと言う人もいます。でも、ジョーダンもピッペンもグラントもみんな生え抜きなんです。彼らはジョーダンが引き上げた選手たちと言ってもいいでしょう。唯一フリーエージェントでスターを獲得したのはデニス・ロドマンだと思いますが、彼もジョーダンがいるからおとなしくプレイしてくれたという話もあります。結局ジョーダンが周りを良くしている。
レブロンも周りを良くする選手だからあまりいいと言われていなかった選手たちを連れてファイナルに行ってるんですけど、そもそもなんでいい選手が集まらないのでしょうか?「レブロンとプレイしたくないのでは?」と邪推したくなります。これだけ仲良しで集まってプレイしようという時代なのに、レブロンの下には集まらない。
だいたい、「あまりいい選手とは言えない選手たちを率いてファイナルに行ったすごい選手だ」って言ってる一方で、「マイアミでビッグ・スリーを作りました、この移籍がスターが移籍できる時代を作りました」っておかしいでしょ。強いチームにあやかりにいってるじゃないですか。
1勝3敗からの大逆転なんていう話もありましたが、多分ジョーダンはファイナルが7試合まであるのも知らないと思います(笑)。ジョーダンはファイナルでゲーム7に行ったことがないんですよ。ジョーダンは圧倒的に勝っちゃうから。1勝3敗になる時点でダメなんです。
レブロンは2つの時代で優勝しているということなんですね。(大柴)
“Be like Mike” ですよ。“Be Like LeBron” って言わないでしょ。(玲央)
ジョーダンはウィザーズで優勝できましたか?(大柴)
多分ジョーダンはファイナルが7試合まであるのも知らないと思います(笑)。(玲央)
(C)2019 NBA Entertainment/Getty Images. All Rights Reserved.
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