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中国経済浮揚を目指す中国政府の切り札とは?

Record China / 2024年4月2日 16時30分

4、高齢者介護、保育、家事代行などのサービスの規模拡大と質的向上を図り、民間による福祉サービスの提供を支援する。

5、消費環境を整え、消費促進年間キャンペーンを実施し、安心消費行動を行い、消費者の権利・利益の擁護を強化し、有給休暇の取得を促進する。

6、標準底上げ行動を実施し、質の高い発展の要請に見合った標準体系の構築を加速し、財・サービスの持続的な質的向上を推し進め、人民大衆の生活改善の需要をよりよく満たす。

デジタル消費やグリーン消費などの振興、有給休暇の活用などはこれまでも報告に盛り込まれていたが、今はやりの「国貨潮品」消費の振興にも言及した。

また、消費活性化キャンペーンを行うことで、人々の消費マインドを改善しようとしている。

「国貨潮品」消費が台頭してきたことは、民族主義傾向が強まったとみる向きもあるが、かつて中国が行った外国製品ボイコットとは性質が異なる。ボイコットは列強の帝国主義的政策への抗議の意味合いがあり、製品の品質よりもナショナリズムが前面に押し出されていた。

筆者の勤務先の大学でも中国の伝統的衣装を着て写真を撮っている学生を見かけるが、彼らから「外国製品を排除してやろう」というオーラは感じられない。現在の中国の若者は政治問題よりも個人の生活、自分の将来に関心がある。さらにいえば、現在はネットショッピングが発達し、珍しい物が手に入りやすい。そのため、良い物で価格が手頃であれば、どこの国のものかはさほど気にしない。「国貨潮品」はネット上で取り上げられていたため、若者は一つのブームに乗っているという感覚でいると筆者は考える。

また、サービス消費も消費拡大にとって重要な役割を果たす。ここでは、「高齢者介護、保育、家事代行」が挙げられているが、これらのサービスは共働きの家庭にとっては重要なものだ。現在は残業が常態化している企業もあり、若い会社員にとって家事は大きな負担となる。そのため、家事労働の一部を外に任せる「生活の社会化」が進んでいる。保育や介護もそうだが、家事代行サービスはサービスの質が悪く、信用できないというイメージがあった。家事代行サービスの発展については過去の報告でも言及されており、持続的なサービスの改善を図っている。さらに、元気な高齢者を対象にしたサービスや密かなブームになっているペット向けサービスも大きな市場になるだろう。

下取りと買い替えで需要側・供給側の改革促進

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