長城の麓で自動運転航空モデルエリアが建設中―中国
Record China / 2024年4月3日 21時30分
長城の麓で自動運転航空モデルエリアが建設中だという。写真は八達嶺長城。
北京八達嶺長城景勝地で、2機の新型高性能小型ドローンが「勤務開始」した。南楼と北楼の間を行き来し、文化財保護、保安点検、景勝地管理にリアルタイムのサービスを提供する。新華社が伝えた。
北京市は連日にわたり、自動運転航空機産業に関する2件の政策文書を立て続けに発表し、北京市自動運転航空モデルエリアの建設を加速させている。低空経済を強化し、新たな質の生産力の育成を加速させるという北京の強いシグナルがさらに発せられた。
北京市科学技術委員会と中関村管理委員会は延慶区と共同でこのほど通達した「中関村延慶パークドローン産業イノベーション発展の促進に関する行動案(2024−26年)」の中で、北京はドローンのイノベーション発展の推進に注力し、北京市自動運転航空モデルエリアの構築を加速させ、100億元(約2100億円)規模のドローン産業クラスターを形成すると打ち出した。もう一つの政策文書「北京市自動運転航空モデルエリア建設案」は、北京市は延慶「民生用自動運転航空試験エリア」により北京市自動運転航空モデルエリアの建設を加速させ、イノベーションサービス、応用シーン、産業チェーンなどの面で先駆けた試行を実施するとした。
北京市延慶区科学技術委員会の陳[日斤](チェン・シン)副会長は、「北京南部にはハイレベル自動運転モデルエリアがあり、北西部では自動運転航空モデルエリアが建設中だ。これから航空機も自動車も自動運転を加速的に実施することになる」と述べた。
北京は低空経済の発展で資源面の優位性がある上、イノベーションの蓄積もある。北京はドローン分野で航天科技、中航工業、中国航発、中国電科および中国科学院、清華大学、北京航空航天大学などの科学研究機関を擁する。インテリジェントスウォームや交差反転式ローターなど複数の技術成果が北京で実用化・導入されている。
北京市延慶区は2020年10月21日に全国の「民生用自動運転航空試験エリア」第1弾に指定された。3年余りの発展を経て、中関村延慶パークには航天時代飛鴻、遠度互連、清航装備などの90社以上の産業チェーン川上・川下企業が集積している。八達嶺空港を中心とする高さ1098m、374平方km範囲の空域が企業向けに無料で開放されている。これは延慶が低空経済を発展させるための中核的要素になっている。
産業が集積する勢いをつけるためには、整ったイノベーションエコシステムと開放的な応用シーンが欠かせない。陳氏は「一歩前に進み自らサービスを提供し、政府調達サービスという方法で飛行計画申請の承認プロセスを簡略化する。企業の需要と産業発展の需要に基づき航路計画や飛行機監督管理などのサービスを整備する一方で、応用シーンを拡大し、ドローンの農林植物保護、緊急救援、森林火災予防・消火などのより多くのシーンでの活用を推進する。ヘーゼルナッツ園とトウモロコシ畑の農薬散布で現在すでにドローンが使われている」と述べた。
北京市科学技術委員会、中関村管理委員会副会長の龔維幂(ゴン・ウェイミー)氏は、「26年までに中関村延慶パークのドローンイノベーション能力を顕著に高め、重要中核技術でブレークスルーを達成し、低空応用シーンを加速的に開放させ、産業用ドローンを主導とする低空経済と低空警備を兼ね備える特色産業クラスターを形成する」と述べた。
陳氏は、「現在は景勝地物流シーンのドローンへの開放を加速的に推進している。近いうちに、八達嶺長城を訪れる観光客が登頂後に長城の麓のコーヒーを飲みたくなれば、ドローンで速やかに届けられるようになる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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