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「お隣さんは仏さん」…分譲マンションを遺骨置き場にしてトラブル―中国メディア

Record China / 2024年4月7日 10時0分

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中国では分譲マンションを「遺骨置き場」として利用する事例が多発しており、問題になっている。

中国メディアの北京青年報によると、中国各地で分譲マンションを「遺骨置き場」として利用する事例が多発しており、問題になっている。

江蘇省南通市内のマンションにすむ趙さんは、入居して長い期間が経過したにもかかわらず、隣人と顔を合わせることがなかった。ドアを開ける音が聞こえたこともない。ある日、廊下から物音が聞こえたのでドアスコープで外の様子を見ると、7、8人もの人がいた。趙さんは外出するふりをして、廊下に出た。隣の部屋の開いているドアの前を過ぎる時に、人と人の体の隙間から、ろうそく立てが2基並べられているのが見えた。その中央には黒い箱があった。箱の前に立つ人が腰をかがめてお辞儀をすると白黒写真の遺影が見えた。

これまでにも、分譲マンションを「遺骨置き場」として使っている例が報道されていた。中国では「風水」を気にする人がかなりいる。そのため、風水の理屈により「遺骨を安置するためによい場所」と判断されたマンションで、「遺骨室」が密集する現象もあるという。

さらに、「遺骨置き場」として利用されるマンションは、中小都市にあることが多い。利用者は大都市で生活する人で、大都市では墓地の権利購入価格と管理費用が高額であることが理由という。

マンションの一室を「遺骨置き場」として利用している人は多くの場合、トラブルになることを恐れて実際に住んでいる人にそのことを告げたりはしない。そのことで住人は、人の出入りがほとんどない部屋について「遺骨置き場として使われているのではないか」と疑心暗鬼になって暮らすことになる。前出の趙さんも「ひょっとしたらそうではないか」と長い間にわたって思っていたという。


また、マンション販売業者が、「遺骨置き場」としての利用を念頭に購入すると察しても、「知らなかったふり」をして販売したり、場合によっては積極的に売ろうとする場合があるという。天津市内の不動産業界関係者は「買う側は業者に部屋の用途を教えません。販売側も用途を尋ねずに売るだけです」と説明した。

北京青年報によると、実情把握を目的に天津市、山東省青島市、遼寧省の住宅用マンション物件の販売業者に「遺骨置き場として部屋を購入したい」と問い合わせた。ほとんどの業者は、「遺骨を置くための部屋は存在しない」「そのような部屋は聞いたことがない」と回答した。しかしその後、希望の部屋があるマンションがあるとして、面談を求めてきた営業担当者もいた。また、「私どもには、お買い上げになってからどのように使うのか口出しする権利はありません」などと説明する業者もいた。

住居用マンションの売買の契約書には「住宅の用途を変更しない」との一文がある。しかし「遺骨置き場」としての利用が「用途の変更」に相当するかどうかは、やや微妙にも思える。

北京市弁護士協会不動産管理法律専門委員会の包華主任は同件について、「もし不動産の販売担当者が、購入者の目的が遺骨置き場にすることであることを知りながら販売したり、購入者に対して遺骨を置くことができると示唆した場合には、いずれも違法行為だ。民法典が定める契約の効力と消費者権益保護法の関連内容に違反する」との見方を示した。

その他の法律専門家からも、「分譲住宅の用途は居住することで、故人の遺骨を置くことではない。遺骨を置く行為は、一般的に理解される居住とは異なる」との見方を示した。

上海誠康法律事務所の張大成主任も、分譲住宅を「遺骨置き場」として使うことは、現行法に違反しているとの考えを示した上で、分譲住宅を利用し遺骨の安置についての法律面からの規範化と管理を行うため、立法府が関連法規を改めて早急に整備することを提唱した。

張主任はさらに、問題の根源は墓地関連の費用が極端に高額であることと指摘。関連業界の法外な料金設定にもメスを入れるべきと主張した。張主任はまた、不動産開発業者が、遺骨の安置に特化して使う「遺骨楼」を建設して販売すれば、法律面の問題も解消できるとの考えを示した。(翻訳・編集/如月隼人)

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