中国の研究者、トマトから高収量の「秘密」を発見
Record China / 2024年4月10日 10時20分
福建農林大学の呉双教授チームは世界で初めて、トマトから植物が表皮毛の発育をコントロールして花の構造を変えながら閉鎖花で受粉し、結実率を向上させ、高収量を実現する「秘密」を見つけました。写真はトマト。
昆虫や人工授粉を必要とせず、閉鎖花で受粉し、結実率が野生のトマトよりはるかに高い栽培トマトの秘密はいったい何なのでしょうか。中国の南東沿海部に位置する福建農林大学の呉双教授チームは世界で初めて、トマトから植物が表皮毛の発育をコントロールして花の構造を変えながら閉鎖花で受粉し、結実率を向上させ、高収量を実現する「秘密」を見つけました。関連する研究成果は5日、国際科学誌サイエンス(電子版)で発表されました。
トマトは世界で消費量が最も多い三大野菜の一つです。もともと500年前までは南アメリカのアンデス山脈で自生していた野生果実の一種で、人間の栽培によって世界各地に広まりました。このプロセスにおいて、トマトの栽培はもともとの開放花の受粉から閉鎖花の受粉へと切り替えた結果、結実率は野生種に比べて著しく高まり、トマトの生産量の増加にもつながりました。しかし、その転換に隠された変化メカニズムはこれまで人に知られていませんでした。
今回の研究によりますと、人工栽培のプロセスで、現在のトマトの雄しべの葯(やく)の辺縁細胞は、三つのホメオドメインであるロイシンジッパー遺伝子によって制御されており、ジッパーに似た機能を持つ特殊な表皮毛細胞を形成しています。これらの表皮毛細胞が絡み合って葯単体を一つの筒状につなぎ、雌しべの柱頭を完全に包み込むことで閉鎖花の受粉を実現しました。これで、受粉期間中、外部との接触が遮断され、外部の花粉との接触や汚染を徹底的に防ぎました。
この研究は植物の受粉方式を変えることで、今後、作物の増産に重要な参考を提供するとみられています。(提供/CRI)
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