8歳の双子の娘らを道連れに一家心中、死に切れなかった母親が死刑に―中国
Record China / 2024年4月16日 0時0分
中国・山東省濰坊市で、一家心中で死に切れなかった女の死刑が確定した。資料写真。
中国・山東省濰坊市で、一家心中で死に切れなかった女の死刑が確定した。中国メディアの新浪新聞が15日付で報じた。
報道によると、2020年4月26日、孫楽姝(スン・ラーシュー)被告は、夫の孫振涛(スン・ジェンタオ)さんと当時8歳の双子の娘と共に服毒自殺を図った。4人は2日後に発見され、救命措置が行われたが、孫楽姝被告だけが一命をとりとめた。
孫楽姝被告と孫振涛さんは2011年、それぞれ21歳と23歳の時に結婚した。実家が近く、家庭の経済状況も似ていたことから“お似合い”だった。しかし、子どもが双子だったことから経済的に苦しい生活を強いられた。孫楽姝被告は母親に金銭援助してもらうこともあったという。
また、孫楽姝被告の弟によると、孫振涛さんは暴力を振るうこともあったようだ。孫楽姝被告は仕事の愚痴をたびたびこぼす夫に対して徐々に愛想が尽きていき、友人らにたびたび悩みを相談していた。
さらに、孫楽姝被告は夫の家が所有する空き地をめぐって夫の姉とも不仲になっていた。夫の姉はよそへ嫁いでいったのだから土地は当然夫と自分の子どもたちのものだと考えていたものの、夫の母親と姉は同意せず、双方に亀裂が入った。
さまざまな問題を抱える中、最終的に経済上の圧力や村の中という狭い範囲で暮らす子どもの世間体などを考えて、夫婦で心中することを決めたという。
事件後1年ほどして、夫・孫振涛さんの母親が自殺したこともあり、双方の家族の溝はさらに深まることになった。孫楽姝被告の家族は何とかして命を救おうとしたが、孫振涛さんの姉は「承諾書」にサインすることはなかった。
こうした「争い」を受け、当初は自分が薬を購入して子どもたちに飲ませたと話していた孫楽姝被告は一審の裁判中に「準備をして子どもに薬を飲ませたのは夫だった」と供述を変更。検察官からその理由を尋ねられると、「当時私はすぐに死にたかった。こんなに時間がたって(考えが変わった)。私にはまだ両親がいる。事実を話す」と説明した。
しかし、昨年12月22日に行われた二審では一転して再び自らの罪を認め、一審と同じく死刑判決が下った。孫楽姝被告は死刑執行前に家族に送った手紙に、「悲しまないでほしい。私は落ち着いているし、(刑執行が)待ちきれないとさえ思っている。もうすぐ解放されるのだから。怖くはない。ただ、あなたたちに申し訳ない」「しっかり生きて、私のことは忘れてください」などと記したという。
中国のネットユーザーからは「こんな家に生まれてしまった子どもたちがかわいそう」「8歳の娘2人を手にかけておいて、むごい方法で死刑が執行されなかっただけでもう十分、人道主義的だ」「どんなにつらくても、子どもまで道連れにしようとは思わない」「死ぬ気になれば何でもできると思うんだけどな」「貧乏な夫婦には悲しみしかないということ」などのコメントが寄せられている。(翻訳・編集/北田)
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