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中国の地方財政は土地財政依存から脱却できるか

Record China / 2024年7月30日 7時30分

このように、今後の不動産業界の発展はこれまでのように別の事業に手を出さず、本業に立ち戻るという基調になっている。

地方財政が逼迫?不動産市場の不振が原因

ただ、現在の中国経済の構造はまだ投資けん引型であるため、不動産業界の不振は企業だけでなく、地方の財政にも影響をもたらす。

華泰証券が7月半ばに発表した研究レポートによると、2024年第1四半期(1~3月)、全国の成約土地建築面積は前年同期比29%減の約9億9000万平方メートル、成約金額は同35%減の約1兆1000億元(約23兆1000億円)だった。

中国の土地市場の契約数は減少しているが、中でも住宅用地の減少が最も大きい。同社の研究レポートによると、第1四半期の住宅関連用地の成約建築面積は前年同期比35%減の約1億8000万平方メートルで、成約額は同42%減の約6694億元(約14兆574億円)だった。

このことは、住宅在庫の活性化政策の効果がまだ顕著に見られていないことを意味する。

同研究レポートは、「ほとんどの都市で成約規模が減少し、一部の都市では土地供給を停止した。2024年第1四半期の355都市のサンプル都市のうち、成約額が100億元(約2100億円)以上の都市は前年同期比12都市減の15都市で、2020年上半期より47都市減少した。成約ゼロの都市は前年同期比11都市増の39都市に達した」と述べ、不動産関連の消費マインドの改善が遅れていることを示している。

土地市場の不振は不動産業界の流動性危機に関係している。2021年は中国の不動産業界にとって困難な1年といわれた。住宅価格抑制政策の影響などにより、不動産企業の資金調達環境が悪化し、資金繰りが悪化した。中国政府はその悪影響を緩和するために、調整政策を講じた。

粤開証券が6月23日に発表した研究レポートによると、全国の土地譲渡金は2020年の8兆400億元(約168兆8400億円)から2023年の5兆600元(約106兆2600億円)に下落し、累計下落率は37%だった。同レポートによると、2024年の全国財政の土地譲渡収入は前年比19%減の4兆7000億元(約98兆7000億円)になる。

粤開証券首席エコノミストの羅志恒氏が6月24日に発表した文章は、「財政収支の面から言うと、不動産市場の低迷は地方の利用可能な財力を減少させ、財政支出が力を発揮するのを妨げる」と述べた。

文章は、収入面では、地方財政の土地財政への依存度が低下し、上級からの移転支出への依存度が高まり、中央にプレッシャーが波及している」としている。支出面では、地方財政が積極的な財政政策を実施するのは難しくなり、一部の公共政策目標の実現に影響を与えると指摘する。

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