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中国の地方財政は土地財政依存から脱却できるか

Record China / 2024年7月30日 7時30分

民生証券が6日に発表した研究レポートは、中国の29省の上半期の土地市場状況の統計を取った。統計に含まれていない2省はチベット自治区と海南省だった。この研究報告書によると、2024年上半期の土地譲渡金の減少幅は広東省が64%、寧夏回族自治区が62%、天津市が60%と最も大きかった。

「経済大省」といわれる土地市場も楽観できない。2024年上半期の土地譲渡金の前年同期比減少幅は、沿海地域では江蘇省が52%、浙江省が37%、福建省が1%、山東省が18%だった。直轄市では北京が16%、上海が19%だった。

土地依存型財政からの脱却を目指す三中全会の措置

地方財政にとって土地譲渡金は重要で、地方政府は通常、土地純収益から教育資金、農地水利建設資金、住宅保障支出などを計上しているため、土地財政に依存している地方財政のあり方を見直す必要がある。

地方財政について、三中全会では以下のような措置が打ち出された。

1、地方の自主運用可能な財政資金を増やし、地方税源を広げ、地方の租税管理権限を適度に拡大する。

2、財政移転支出体系を充実させ、特別移転支出を整理・規範化し、一般的移転支出を増やし、市・県の財政力と権限との適合度を高める。

3、質の高い発展を促すための移転支出インセンティブ・制約メカニズムを確立する。

4、消費税の課税段階の繰り下げを推進して徐々に地方税に切り替え、未控除仕入増値税還付政策と税額控除の仕組みを見直し、共有税の分割比例を適正にする。

5、都市整備税、教育費付加、地方教育付加の地方付加税への統合を検討し、地方政府に一定の枠内で具体的な適用税率を決定できる権限を付与する。

6、地方政府特別債の適用枠を適切に拡大し、プロジェクト資本金に用いる分野、規模、割合を適度に拡大する。

7、政府債務管理制度を整備し、包括的地方債監視・監督管理体系と隠れ債務リスク防止・解消のための長期的かつ効果的な仕組みを確立し、地方融資プラットフォーム会社(地方政府系資金調達受け皿会社)の改革・業務転換を急ぐ。

8、税外収入の管理を規範化し、一部の税外収入の管理権限を適度に地方へ委譲し、地方によって現地の実情に応じた管理を実施する。

地方財政が土地譲渡金に頼り、地方融資プラットフォーム会社を通じて財政収入を得る方法は、投資主導型から消費主導型の経済構造の転換にマイナスとなるため、新たな地方財政のあり方を模索したのが今回の「決定」で盛り込まれた措置だと筆者は考える。

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