地方の借金を減らせ!中国の「大規模インフラ建設」時代が終了か
Record China / 2024年10月6日 9時0分
第一に、地方の「最高責任者(一把手)」への要求を厳しくすることだ。中国共産党は党建設に関する文書の中で、「最高責任者」が下の幹部・党員に手本を示すために、仕事や生活面で厳しい要求を課してきた。
地方のインフラ整備の関連でいうと、共産党中央は前後して「中国共産党中央の『最高責任者』と指導グループに対する監督強化に関する意見」、「中国共産党規律処分条例」などの文書を発表・改訂し、地方の最高責任者に対する監督・監察をさらに強化し、制度的に偽りの政治的業績を作ろうとするのを阻止し、問責・責任追及の仕組みを確立した。
第二に、「GDP主義」から「質の高い発展」への転換だ。中国はこれまでGDPの規模を重視し、地域のGDPの増減は地方の指導者の人事考課の指標の一つだった。そのため、地方ではインフラなどの大型プロジェクトが行われた。こうしたプロジェクトは一時的に経済効果があるが、持続的な経済発展にはつながりにくい。このことから、現在、共産党中央はGDPの良し悪しを評価する「GDP英雄主義」から脱し、地方が課題とする問題の処理など多様な事柄を評価の対象とした。
第三に、中央の審査・認可を厳しくすることだ。例えば、地下鉄、軽便鉄道、高速鉄道などのプロジェクトは簡単に認可されなくなった。地下鉄について言えば、現在、ある市が地下鉄を建設するには、国内総生産(GDP)が3000億元(約6兆円)を超え、財政収入が300億元(約6200億円)を超え、市街地の人口が300万人を超えなければならないため、ハルビンや包頭(パオトウ)などの申告は却下されている。
第四に、9月に発表された「弁法」は、財政部など六つの部・委員会が発表した文書であり、地方財政に「ハードな制約」課すものといえる。2014年ごろから、全人代で発表される「財政報告」には、「切り詰め意識」「ハードな予算制約」という言葉がよく見られるようになり、政府が率先して身を削る姿勢を示している。「弁法」も「財政報告」の方針を体現したものといえる。
「新ルール」の真の意義
「切り詰め意識」を強調するだけで、地方の「やみくもな投資」によるインフラ投資を抑えることができるかといえば、そうではなく、まだ問題がある。
地下鉄・高速鉄道のようなプロジェクトの審査・許可権は中央にあるため、このような大規模インフラ建設の拡大は抑えることができる。ただ、地方で都市広場やテーマパークを建設するという場合、中央には審査・許可権がなく、地方に裁量権がある。そのため、以前のような「やみくもな投資」が発生する可能性をはらんでいる。
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