立ち退き拒否の家が高速道路に囲まれる、家主は後悔―中国
Record China / 2025年1月24日 22時0分
22日、香港メディア・香港01は、江西省で高速道路建設に伴う立ち退きを拒否し続けた結果、家を道路に囲まれることになった家主が後悔の念を口にしていると報じた。
中国・江西省で高速道路建設に伴う立ち退きを拒否し続けた結果、家を道路に囲まれることになった家主が後悔の念を口にしている。香港メディア・香港01が22日に報じた。
記事によると、江西省金溪県にある一軒の家がこのほどネット上で注目を集めた。この家は高速道路建設で立ち退きに応じなかったため両側の道路に囲まれることになり、空から見ると「目」のように見えることから「金渓の目」という名の奇景スポットとして知られるようになり、写真を撮りに現地を訪れる人が増えた。
また、この家の持ち主はネット上で「最強の釘子戸(頑固な住人)」とも呼ばれており、現在も11歳の孫とともにこの家に住み続けている。道路工事が続く中、昼間は家を留守にして村を散歩し、工事が終わった夜に帰宅する日々が続いている。水道や電気は通っているものの、工事中に壁が振動することがしばしばあり、道路開通後にはどのような影響が出るかわからないとのこと。
記事によると、道路建設計画当初に地元政府が立ち退き補償として160万元(約3200万円)と2部屋分の居住空間を提示したものの家主は受け入れず。その後、地元政府が補償を3部屋分に引き上げる譲歩を見せたが、家主は「別の家もすでに取り壊しているのに、その分の補償がない」としてさらに拒否し、訴訟を起こした。しかし、訴訟に向けて弁護士費用を10万元(約200万円)支払ったものの、結局裁判は始まらないままだという。
長期間にわたる交渉が不調に終わったことから地元政府はすでに高速道路建設を強行し、この家を避ける形で道路を敷設。春節前には完成して全線開通予定で、開通すれば家は完全に道路に囲まれ、家主とその孫は自動車が高速で行き来する間で生活することになる。
強気の姿勢を崩さず立ち退きを拒否し続けた家主は現在の状況について「もし時間を戻せるなら、当時の条件を受け入れていた。立ち退きを拒否したことが賭けに負けたように感じている」と後悔の念を口にしたという。(編集・翻訳/川尻)
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