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凍結もオーバーヒートも防ぐLLCの働き ~Weeklyメンテナンス~

レスポンス / 2023年2月23日 6時30分

エンジンの状態を健康に保つ上でポイントになるひとつがラジエター液だ。ラジエター液はエンジンの冷却という主な働きに加えて凍結防止や防錆効果などを備えたLLCを用いることが多い。エンジンルームのリザーバタンクで減りや汚れをチェックしておこう。


水冷エンジンを冷却する役目を持つラジエター、内部に冷却水が循環してエンジンの熱をラジエターで冷却する働きをしている。その冷却水として用いられているのがラジエター液だ。一般的にはLLC(ロング・ライフ・クーラント)が用いられることが多い。LLCはクーラントなどの略称で呼ばれることも多い。


LLCは定期的な交換が必要だ。車検ごとの2年程度を目安に交換するのが無難だろう。ただし近年は超ロングライフクーラント呼ばれる寿命の長いアイテムも登場しているので、交換をする前に愛車に入ってるLLCが何なのかを確認しておいた方が良いだろう。


さて、LLCの日常メンテナンスはどのようにすれば良いのだろう。まずはエンジンルームを開けた際には半透明のリザーバタンクを見つけて量の確認は必須だ。一般的にLLCは緑か赤の色が付けられている。エンジンルーム内にはリザーバタンクがいくつかあるがウォッシャー液と間違わないように注意して確認しよう。


リザーバタンクにはアッパー/ロワレベルのゲージが刻み込まれているのでこの範囲内に収まっていればOK。しかし何らかの原因でLLCが減っている(ロワレベルを下回っている)場合には補充する必要がある。その際に注意したいのはLLCの濃度だ。


LLCの基本的な機能のひとつに低温になっても凍らない凍結防止の効果がある。ラジエターは外気にさらされているので真水を入れておくと凍り付いて膨張しラジエターやエンジンまわりのパーツを破壊してしまうことになりかねない。そこで凍結防止の効果を備えたLLCを使うことで低温下に駐車しておいてもトラブルが起こらないようにしているのだ。


しかし、想定される気温に合わせてLLCは濃度を変更する必要がある。つまり寒冷地では濃く、温暖な地域では薄くすることになる。最初から想定する気温を設定したLLCも用意されているが、原液を真水で希釈して濃度を調整する方法もある。


そこでLLCが減っている場合に真水を足すとLLCの濃度が下がり、結果的に凍結温度が高くなってしまう可能性があるのだ。そのため補充用のLLCなどを用いて最適なLLC濃度をキープするのが良いだろう。ただし“濃ければ良い良いだろう”と原液を入れて濃度を極端に高めてしまうと今度は冷却性能が落ちるので要注意(冷却性能はレース用の冷却水など一部を除いて真水の方が高いのが一般的)。LLCの濃度も適度をキープするのが大切だ。


リザーバタンクを確認してLLCが濁っていたり、きれいな緑or赤色では無くなっていると感じたらすぐに交換した方が良いだろう。LLCは冷却の効果に加えてサビを抑える防錆効果や汚れが付きにくくする効果も備えているので劣化するとエンジン内部の各部を保護する能力も低下してしまう。定期的な交換はこのような性能を含めて常に最良の状態をキープするためには必須だ。


最後にラジエター関連でもうひとつの忘れてはいけないメンテナンス項目がラジエターキャップだ。ラジエターキャップは単なるフタでは無いところがポイント。役割としてはラジエター液に圧を掛けて沸点を上げているのだ。そのためラジエターキャップが劣化してくると沸点が下がりオーバーヒートの原因になってしまうこともある。こちらもカー用品店に行くと圧力を計る計測器があるので劣化(圧力が既定値から低下)しているようならば交換しよう。


冬場のラジエターの凍結防止はもちろん、夏場のオーバーヒート防止にも役割を発揮するLLC。日常点検のひとつに組み入れて劣化や減りを早めに見つけ出して愛車の健康状態を保っておこう。


土田康弘|ライター


デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

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