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シーラカンスのカップやカエルの一輪挿し 400年の歴史誇る「上野焼」に新風吹き込む若手陶芸家

RKB毎日放送 / 2024年5月2日 17時57分

400年の歴史を誇る福岡県の伝統的な工芸品・「上野焼(あがのやき)」。その技法を受け継ぎながら生き物をモチーフにした独自の作品で注目を集める若手の陶芸家がいます。

カエルの一輪挿しや羊のカップ 29歳の陶芸家が新風

真剣な眼差しでカップに装飾を施す女性。「守窯」の熊谷眞春(くまがえ・まはる)さん、29歳です。福岡県福智町の特産品「上野焼」を生産する約20の窯元の中では最年少の陶芸家でその作品は幅広い世代から支持されています。

400年の歴史を誇る「上野焼」は薄づくりで多くの釉薬を使うことによる色彩美を持つことが魅力です。特に茶器などが有名で、国の伝統的工芸品の指定を受けています。熊谷さんが手がけるのは「上野焼」の多彩な色を生かした「生き物」をテーマとする作品です。

西尾健佑記者
「守窯では、恐竜の鉢植えや蛇をもした香炉など変わった焼き物があります。口から煙りが出て、まるで生きているかのようです」

カエルの一輪挿しや羊のカップ、恐竜の植木鉢など生き物の皮膚や毛並みを多彩な色で表現しています。

熊谷眞春さん
「陶器だと器を育てるという言い方もするので、自分の焼き物は生き物が多いので、生き物を育てている気持ちになるかなと思って」

父親の守さんに弟子入り500超える作品制作

もともと、物作りが好きだった熊谷さん。大学を卒業後、父親の守(まもる)さんに弟子入りしました。陶芸家となってからは、大好きな生き物を表現することに没頭しこれまでに制作した作品の数は、500を超えました。熊谷さんは、自分の作品をきっかけに「上野焼」を身近に感じてほしいと考えています。

熊谷眞春さん
「身近に感じてもらえれば。小さい子から年配の方まで生き物って好きな方が多いので」

春の新作は「シーラカンス」のカップ

熊谷眞春さん
「シーラカンスを、ティーカップのソーサー付きで作ろうと思ってて、(スマホを)見ながら作っています」

熊谷さんの春の新作は「シーラカンス」のカップです。できあがりを想像しながら釉薬を塗っていきます。

熊谷眞春さん
「カップにして出したらお客さんとかに出したら面白いじゃないですか。これでお茶出されたらビックリするだろうな」

焼き上がった「シーラカンス」のカップ。目やうろこ、持ち手となっている尾びれなどが生き生きと表現されています。

熊谷眞春さん
「どんな反応をしてもらえるのかが楽しみですね。わーと驚いてもらえるのが見てて楽しいし作りがいがあります」父・守さん「よく作るなって思いますね。一つのものをすると、根気強いし丁寧ですからいいことだなって思います」

「上野焼春の陶器まつり」で新作披露

先月開催された「上野焼」の陶器まつりではシーラカンスを始めとする生き物をテーマとした作品が守窯に並べられました。

作品を見た人はー
「食洗機向きじゃないけど可愛い」

「恐竜が好きなので、ぜひ見たいと思って、ここお目当てで来ました。質感とか色とか恐竜っぽくて好きです」

「モチーフがすごい、めったに見ないタイプ。造形がすごく細かくて素晴らしいなって思います」

熊谷眞春さん
「自分の作品を見て驚かれているみたいなのでやっぱり嬉しいですね。好きを詰め込んで作っているので、自分の好きがお客さんに伝わればそれが一番嬉しいですね。自分の作品をきっかけに(上野焼を)幅広い世代に知っていただければと思います」

「上野焼」の若手のホープ熊谷さん。これからも大好きな生き物をテーマとした作品で幅広い世代を楽しませてくれそうです。

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