能登半島地震、農林水産関連の被害総額を1年以上公表せず 江藤農水相「できるだけ早く」

能登半島地震では漁港も大きな被害を受けた＝2024年1月、石川県珠洲市（鴨川一也撮影）

能登半島地震から1年が経過したが、政府は農林水産関連の被害総額を公表していない。江藤拓農林水産相は7日の記者会見で、今後公表する予定はあるかと問われ、「あるの？」と事務方に確認した上で、「（石川県能登地方を襲った）大雨からも3～4カ月経っているわけだから、できるだけ早く要望には応えていきたい」と釈明した。

農水省は能登半島地震で被害を受けた自治体別に農林水産関連の被害状況や件数を公表しているが、被害総額については公表していない。ただ、被害額については、石川県が地震発生約2カ月後に、2000億円以上と概算を算出。また、新潟県が25市町村で約36億円と具体的な被害額を公表するなど、同様に個別で算出し、すでに公表している自治体も複数ある。

能登半島地震より被害が大きかった2011年3月発生の東日本大震災では、約2か月後に農林水産関連の被害総額を約1兆7000億円と算出し、公表している。（西村利也）