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「近大ラーメン」歴代店主2人の飽くなき挑戦 食い倒れの街・大阪で相次ぎ、新規出店

産経ニュース / 2024年4月17日 11時0分

「すするか、すすらんか。」の料理長、奥野亮太郎さんが調理した麻婆豆腐ラーメン=2月、大阪市中央区(西川博明撮影)

新型コロナウイルス禍をきっかけに近畿大(大阪府東大阪市)の学生らが起業し、新名物となった学食の「近大ラーメン」。その歴代店主2人が今春、それぞれ新たな挑戦を始めた。近大ラーメンとは異なるメニューで、大阪市内にラーメン店を相次ぎ新規出店。「食い倒れの街・大阪」の激戦区で新たな客層を囲い込もうと、若き経営者が果敢に挑んでいる。

卒業2日後にオープン

「お客さんから『おいしかった』という言葉をいただくと、ホッとしますね」

昨年4月から約1年間、近大の学食ラーメン店「近大をすすらんか。」の2代目店主を務めた村上黎一郎(れいいちろう)さん(22)。卒業式からわずか2日後の3月25日、JR大阪環状線の寺田町駅近くにラーメン店「麺やaube(オーブ)」(大阪市天王寺区)をオープンし、手応えをこう語った。

店名「aube」はフランス語で「夜明け」を意味する。自身の名前の由来である「黎明(れいめい)」からの連想に加え、大学生活の大半がコロナ禍だった中で2代目店主を担っただけに「(コロナ禍の)闇から光が差し、僕の人生観も変わった」との思いも込めた。

ゆえに苦境から脱し、活力を提供しようと、新店の主力メニューに据えたのが「スタミナホルモンラーメン」(900円)。近大ラーメンで好評を得ていたまぜそばとは趣向を変え、ニンニクを利かせ、野菜もたっぷり入ったあんかけラーメンだ。オープンからまだ1カ月程度だが、客足は伸びている。

新店の店長は2代目近大ラーメンで料理長を務めていた野田壮哉(そうや)さん(22)に任せた村上さん。「他人に店を任せながら、事業や組織を動かす力を身につけたい」と、経営スキルを磨いている。

「麻婆豆腐」で勝負

そんな村上さんを起業家の道に導いたのが、先輩の近大ラーメン初代店主で、飲食関連のベンチャー企業「やるかやらんか」(奈良県橿原市)社長の西奈槻(なつき)さん(23)=近大大学院修士2年。同社は大阪・ミナミの心斎橋エリアに2月23日、新たなラーメン店「すするか、すすらんか。」をオープンした。コロナ禍の令和2年、奈良市内に開業した1号店に続く事業展開となる。

奈良で口コミで評判となった看板メニューは「麻婆豆腐ラーメン」(汁なし、1100円)。辛さ控えめの麻婆豆腐にシャキシャキとした奈良産のネギが食感のアクセントとなる「自信作」(同社取締役兼料理長の奥野亮太郎さん)といい、経営は軌道に乗りつつある。

ミナミは飲食の激戦区のため、周囲から「無謀」とも言われ、リスクも自覚しているが、「どこまで通用するかを試したい」と強調。「学生らに学校外で学べる実践の場を提供し、地元・奈良を発信する場にもしたい」と、メニューに奈良の地ビールや日本酒もそろえた。

業界は厳しいが

ただ、飲食業界を取り巻く環境は厳しさを増している。

信用調査会社の帝国データバンクが4日発表した令和5年度の飲食店倒産動向調査によると、全国での飲食店の倒産は過去最多の802件。物価や人件費の高騰が主な要因で、業態別では中華料理・ラーメン店や居酒屋がそれぞれ最多の倒産件数となっている。

こうした中でも「麺やaube」のラーメンだけでなく、「今後、鉄板焼きやイタリアンの店もやりたい。人と人がつながる飲食で幸せを広げ、他の事業にも挑戦できれば」と将来像を描く村上さん。

西さんも奈良で自信を深めた「麻婆豆腐ラーメン」がラーメン業界の新ジャンルとして「『すするか、すすらんか。』を食べに行こうと言ってもらえるような店に育てていきたい」と意気込んでいる。(西川博明)

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