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怪物退治、収穫、掃除…謎の「難業」に挑んだ英雄ヘラクレスの浮気と嫉妬に翻弄された人生 名作偏愛エマキ

産経ニュース / 2024年5月11日 12時0分

絵・いんこせいじん

知っているようで知らない「名作」の楽しみ方や物語のツボを、作品への愛と一枚の「まとめ絵」とともに読み解きます。

何でそんなことを…

ギリシャ神話最大の英雄ヘラクレス。世界で最も大きいカブトムシにその名が使われていることからも分かるように、力と勇気の象徴ともされている。一方で、彼の人生は生まれてから死ぬまで、誰かの浮気心と嫉妬心に振り回されることになった。

彼の英雄譚で最も知られているのが「十二の難業」だ。不死身の体を持つライオンや青銅の爪を持つ鳥との対決、アマゾネスの女王との遭遇など、小学校の図書館で読んだときにはわくわくさせられたものだが、今となってみると、「何でそんなことさせられているんや…」と悲しい気持ちもよぎる。

ギリシャ神話の主神ゼウスが、自らを支える英雄となることを期待し、妻ではない人間の女性に産ませたのがヘラクレスだ。「浮気者のゼウスに嫉妬した妻のヘラが、その愛人や子供に報復する」というのはギリシャ神話の一種の典型で、「十二の難業」も、ヘラの嫉妬心(とゼウスの浮気心)がきっかけだった。

ヘラはヘラクレスが結婚し、子供をなしてから、彼の気を狂わせ、その子供を殺させた。神話とはいえ、やりすぎではないかと思うのだが、われに返ったヘラクレスは「ある王に仕え、難業をやりとげよ」という神託を受け、十二の難業に挑むことになる。

先に少し触れたように、難業の多くは怪物退治だ。だが、黄金のリンゴの収穫はまだしも、長年掃除をしていなかった家畜小屋の掃除など、「何それ?」という難業もあり、最後の試練も、死者の国から番犬ケルベロスを連れて帰ってこい、というもの。女神アテネの力も借りてなんとか成し遂げ、ようやく苦行から解放されたのだった。

その後のヘラクレスだが、彼もまた自らの浮気心と妻の嫉妬心が原因で死を迎える。半人半神の彼が神と認められるのは、死後のことだった。(池田進一)

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