<独自>米第7艦隊司令官、AI無人機・無人艇など新戦力導入へ 海自「かが」連携に期待
産経ニュース / 2025年1月10日 16時39分
【ワシントン=坂本一之】米海軍が前方展開する最大の艦隊で神奈川県横須賀を拠点とする「第7艦隊」のフレッド・ケイチャー司令官が10日までに産経新聞のインタビューに応じた。人工知能(AI)を組み込んだ無人機や無人艇などの新たな戦力が第7艦隊に導入されるとの見通しを示した。艦艇や航空機といった既存の戦力と組み合わせて中朝などの脅威に対抗していく考えだ。
ケイチャー氏は、国防総省が高性能の無人機や無人艇などを数千規模で展開する「レプリケーター第1弾構想」を今年8月までに実施する方針について「新たな能力が(第7艦隊の)戦域に投入されることを歓迎する」と述べた。「有人と無人の装備の両方が組み合わさることは間違いないだろう」と既存戦力と連動した作戦が展開されるとの見通しを述べ、装備の近代化を図る重要性を強調した。
中国が領有権を主張し軍事的圧力を強める南シナ海で、日米豪比などが共同訓練を実施したことに関し「われわれの最大の強みの一つは、地域における同盟関係とパートナーシップだ」とし、新たな共同訓練の機会を模索する考えを語った。
海上自衛隊の護衛艦が台湾海峡を2024年9月に初めて通過したことには「国際法に従った飛行、航行」を守る必要性を強調し、歓迎した。米海軍と海自の艦艇が共同で台湾海峡を通過する可能性については、一般的な考えと前置きした上で、「海自とより深く活動する機会を求めている」と前向きな姿勢を示した。
24年10、11月に米カリフォルニア州沖で米海軍のステルス戦闘機F35Bで発着艦などの運用試験を実施した海自の護衛艦「かが」に関し、「より緊密に協力する機会を増やすことになる」と指摘。F35Cを運用する空母「ジョージ・ワシントン」との連携を含め、米海軍と「より一体的な」作戦の遂行に期待を示した。
フレッド・ケイチャー
米海軍中将。海軍士官学校卒業後、海軍に任官。第7遠征打撃群司令官や統合参謀本部作戦担当次長などを歴任。2024年2月から第7艦隊司令官。56歳。
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