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イスラエル「戦時内閣」、深まる相互不信 イランへの反撃にも影響か

産経ニュース / 2024年4月18日 18時48分

【カイロ=佐藤貴生】イランの攻撃を受けたイスラエルで、「戦時内閣」のメンバー間の関係が冷え込み対立が深まっているもようだ。ネタニヤフ首相の独断的な姿勢がその背景として指摘されている。イランへの反撃を巡る協議が熱を帯びる中、メンバーの相互不信が方針決定に影響しかねないとの見方もある。

戦時内閣の主要メンバーは与党リクードの党首ネタニヤフ氏と野党・国家団結党を率いるガンツ前国防相、リクード所属のガラント現国防相の3人。通常の政権と違い戦闘を巡る重要事項だけを扱う。昨年10月、イスラム原理主義組織ハマスの奇襲を受けた直後に発足した。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は16日、戦時内閣は「決断すべき多くの重要課題で争っている」とし、イランへの反撃やハマスとの戦闘に「影響が及びかねない」と報じた。

同紙は政府当局者らの話として、ネタニヤフ氏がハマスとの戦闘方針を単独で決める傾向が強まり、ガンツ、ガラント両氏が反感を強めていたと伝えた。それが鮮明に示された局面があった。

ネタニヤフ氏がパレスチナ自治区ガザの最南端ラファへの本格攻撃に意欲を示し、バイデン米政権との溝が深まっていた3月、ガンツ、ガラント両氏が個別に米国を訪問し、高官らと会談したのだ。

長い軍務経験がある2人が、最大の武器支援国である米国との関係を重視していることが明らかになり、ネタニヤフ氏との隔たりが際立った。

米国の意向を考慮する戦時内閣のメンバーに対し、ネタニヤフ連立政権に参加する極右政党は、イランに対し「粉砕するような反撃を行うべきだ」(ベングビール国家治安相)などと強硬論を訴えている。

ハマスの奇襲を許し、ガザに連行された人質も救出できないネタニヤフ氏は各種世論調査で支持率が低下しており、次の国会選では退陣を迫られる可能性が高い。選挙を回避して政権を維持するには極右政党の支持が不可欠だ。

自らの政治生命か、あるいは対米関係か。イランへの反撃を巡るネタニヤフ氏の選択は、国の行く末をも大きく左右する。

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