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統一地方選挙!良い候補者選び10の基準(後編)

政治山 / 2015年3月11日 11時47分

 今年の4月に第18回統一地方選挙が執行されます。
 「あなたは、選挙に行きますか?」
 「誰に投票しますか?」
 「あなたはどんな候補者になりたいですか?」

 前編では、昨今の投票率の状況や「投票は、義務ではなく権利であること」と「良い候補者選び10の基準」について、まとめてみた。後編では「こういう候補者は駄目だ!」という逆からの視点と「あなたにとって良い候補者とは?」という視点から考察を深めてみたい。

駄目な候補者のパターン!

 “逆もまた真なり”という言葉があるが「こういう候補者は駄目だ!」という逆からの視点から見ていくと、以下のようなことをしない候補者は「良い候補者」の可能性がある。

01.体制や他者を批判したり、評論したりするだけの候補者
 体制や他者を批判したり、評論したりするだけなら誰でもできる。これからの時代は、単に批判をするのではなく、それぞれの立ち位置を尊重しつつ、互いに対話をする機会を増やし、街の課題を明確にして、みんなで一緒に解決策を考えていくことが大事。

 主義主張や方法論が違っていても「自分たちの街を良くしていこう!」という思いで互いに選挙を戦っているという信頼ポイントを置いて、攻撃をし合うのではなく、共感を導き出そうとしているかどうかという姿勢が問われる。

02.「私は市長派です!」という候補者
 執行機関(役所)と議事機関(議会)は二元代表制で、対等・協力の関係にあるが、議員は選挙によって選ばれた市民の代表として、市長をはじめ執行部と対峙(たいじ)しなければならない。にもかかわらず「私は市長派です!」「私は市長を支持しています!」といってみたり、市長と選挙協力をしたり、選挙ポスターやリーフレットに市長とツーショットの写真を載せてしまう候補者。

 市長の力を借りて選挙に当選した議員が、市民の立場にたって、重点政策について執行部と政策論争できるとは思えない。

03.「私が実現しました!」という候補者
 議会は合議制(過半数以上の議員の賛同がなければ、政策実現は不可能)なのに「あそこの歩道橋は、私が提案して設置しました」と、まるで自分ひとりの力で実現してしまったかのごとく、豪語してしまう候補者。

 ちょっとした言い回しの違いだが「私の提案がキッカケとなり実現しました!」といって、事実ベースで、その提案が実現に至った経緯を、丁寧に説明する候補者であれば信頼はできる。

04.自分の街の一般会計予算額を知らない候補者
 「あなたの街の一般会計予算額は?」と聞かれて、即答できない候補者。もしくは、知らなかった場合、素直に無知であることを認めず、適当なことを言って誤魔化す候補者。

05.アウトプットよりもアウトカム
 「私は一般質問を4年間欠かさず行いました」という候補者。これは、一見聞こえは良いが、野球に例えれば「私は毎回、打席に立ちました!」と言っているのと同じである。プロの世界は打席に立った回数だけではなく、打率(成果)で評価されるもの。

 アウトプット(何をしたのか)とアウトカム(どんな成果を出したのか)を履き違えてはいけない。もちろん、一般質問に登壇(打席に立つこと)すらしない候補者という観点もあるが、一般質問は手段のひとつに過ぎない。成果の指標は、一般質問をして「何がどう変化(政策実現)したのか?」。

 一般質問しなくても個別に職員や市長に働きかけることや、討論、決議、条例制定(改正)等々、現状の課題を解決する手段は、いくらでもある。そして、評価基準としては、その議員が提案した課題解決策が、どれほど実現に結びつき「市民福祉の向上」に、どの程度、寄与したのかということのほうが重要である。

 以上、「駄目な候補者のパターン!」についてまとめてみた。

あなたにとって、良い候補者とは?

 何よりも大切なことは、有権者の皆さん自身が、近い将来、「自分の街や自分の生活が、どうあってほしいのか?」を明確にすることである。

 正解はひとつではない。1+1=2ではないということ。「良い候補者とは、◯◯な候補者だ!」という答えは、それぞれに違って良い。投票をする有権者の皆さん自身が、置かれている立場、環境、思想(何に問題意識を持っているか)によっても変化する。

 例えば、自分の街がドンドン開発されて、発展し便利になってほしいと考えているAさんにとっては、開発優先型の候補者は「良い候補者」。

 一方で、開発よりも自然保護が優先で、多少不便でも緑に囲まれて、ゆったりとした生活をしたいと考えているBさんにとっては「良くない候補者」ということになる。

 つまり、「良い候補者」とは、有権者によって十人十色なのである。せめて選挙の時くらいは「自分の街や自分の生活が、どうあってほしいのか?」について「自分ゴト」として、棚卸しをしてみる機会としたほうが良いのだと私は思うのだが、皆さんはいかがでしょうか?ここが明確になっていれば、候補者を選ぶ基準も明確になるはずだ!

率直なご感想やご意見を、お待ちしております。
 前編では、昨今の投票率の状況や「投票は、義務ではなく権利であること」と「良い候補者選び10の基準」について、後編では、「こういう候補者は駄目だ!」という逆からの視点と「あなたにとって良い候補者とは?」という視点から考察を深めてみたが、果たして皆さんは「選挙に行ってみようかな?」「自分が立候補してみようかな?」と思っていただけたであろうか?

 このコラムを読んで、皆さんが少しでも「自分の街や自分の生活のことについて考えてみよう!」というキッカケになったのであれば嬉しい限りです。コラムの率直なご感想やご意見などを頂戴できれば幸甚に存じます。

おまけ!

 そうはいっても人を見極めることは、なかなか至難の技である。人から聞いた噂話や他者からの評価だけでなく、インターネット上で候補者のプロファイリングをしたり、気になる候補者のリーフレットや選挙公報をチェックしたり、さらには二次情報のみを鵜呑みにするのではなく、気になる候補者に直接コンタクトしたり、現職候補者の議事録を読んでみたりするなど、一次情報の入手にも留意しながら、自分の五感を開いて、相手をよく観察し、事実と価値判断を分けて捉えることが大切である。

 以下は「論語」にある古(いにしえ)からの教えである。

“子曰、視其所以、觀其所由、察其所安、人焉捜哉、人焉捜哉” 論語 為政第二より
[読み下し]
 子曰(しのたま)わく、其(そ)の以(な)す所(ところ)を視(み)、
 其の由(よ)る所を観(み)、其の安(あん)ずる所を察(み)れば、
 人(ひと)焉(いずく)んぞ、捜(かく)さんや。人焉んぞ、捜さんや。
[通釈]
 一、その人の行為をよく注意して視(み)る。
 二、その行為の拠って来たる原因・動機を観(み)る。
 三、その人がどんな所に安らぎを求めているかを察(み)る。
 このようにすれば、その人の正体はすっかり分かってしまうものだ。

        ◇        ◇

政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。

<千葉県流山市議会議員 松野豊>

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