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「しゃべり方までエリザベス女王自身」現在78歳・現役感たっぷりの俳優ヘレン・ミレンとの戸田奈津子の思い出とは

集英社オンライン / 2024年4月20日 19時0分

「僕は人の笑顔を栄養にして生きている」戸田奈津子が京都旅行をともにした、いまは亡きロビン・ウィリアムスとの思い出 〉から続く

字幕翻訳の第一人者・戸田奈津子さんは、学生時代から熱心に劇場通いをしてきた生粋の映画好き。彼女が愛してきたスターや監督の見るべき1本を、長場雄さんの作品付きで紹介する。

しゃべり方まで、まるでエリザベス女王自身

『モスキート・コースト』(1986)で主演を務めたハリソン・フォードの取材でロサンゼルスを訪れたときに、共演者で英国出身のヘレン・ミレンにもお会いしました。ハリウッド女優とは違って、キラキラしたアクセサリーなど何も身につけていない清楚な装いでね。

ざっくばらんに何でも話す、地に足がついた感じのステキな方でした。作品自体は、ピーター・ウイアー監督の作品で唯一あまり評価されないものだったけど(笑)。

彼女の出演作で私が好きなのは『ゴスフォード・パーク』(2001)。マギー・スミスやマイケル・ガンボンなど、イギリスの名優が勢ぞろい。貴族の館を舞台にしたドラマで、英国らしく殺人事件までからむ。監督のロバート・アルトマンはほとんどの作品が群像劇で、大勢の役者を見事に交通整理しながら、しかもテーマを浮き立たせるという手腕で鳴らした名匠です。

女優としてのヘレンの見るべき1本は、エリザベス女王の苦悩を見事に演じきった『クィーン』(2006)かな。しゃべり方まで、まるでエリザベス女王自身ではないかと思うほどの名演技。基礎を叩き込まれている英国の俳優の演技力は、世界でも群を抜いています。

『クイーン』(2006) The Queen 上映時間:1時間43分/イギリス、アメリカ、フランス、イタリア

1997年8月31日、ダイアナ元皇太子妃が交通事故で急逝。彼女を「すでに王室を去った民間人」扱いし沈黙を貫き通すエリザベス女王(ヘレン・ミレン)に対し、悲しみに暮れる国民は不満を募らせる。

そんな中、首相に就任したばかりのトニー・ブレア(マイケル・シーン)は、王室と国民の間に立ち、事態の収束に奔走する。ヘレン・ミレンは、アカデミー賞をはじめゴールデン・グローブ賞やヴェネチア国際映画祭など多くの映画賞で主演女優賞に輝いた。

ヘレン・ミレン

1945年7月26日生まれ、イギリス、ロンドン出身。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーでキャリアをスタート、映画にも出始め、『としごろ』(1969)で初の主役を。

主な出演作は『キャル』(1984)『ホワイトナイツ/白夜』(1985)『モスキート・コースト』(1986)『英国万歳!』(1994)『ゴスフォード・パーク』(2001)『クィーン』(2006)『黄金のアデーレ 名画の帰還』(2015)『バービー』(声/2023)など。2003年に大英帝国勲章を受賞している。

語り/戸田奈津子 アートワーク/長場雄 文/松山梢

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