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“石破の大ナタ”で裏金議員たちが落選の危機…“シンパ”が次々と非公認の高市氏は「ポスト石破」に黄信号か

集英社オンライン / 2024年10月10日 7時0分

10月9日に解散した衆議院の総選挙に向け、石破茂首相は「裏金議員」計12人を非公認とした。自民党内では裏金議員の怨嗟の声と、安堵する声の双方が漏れ、大荒れの中で突入する異例の選挙戦となる。10日から首相はASEANに出席するため、ひとたび決戦の舞台から離れるが、衆院選後の永田町では本当の戦いが待ち構えている。

【画像】裏金問題で公認が危ういとされる、さきの総裁選で高市氏の推薦人となった議員

「有名人になっちゃったよ~」という余裕が一転、裏金議員はあとがない状況に

衆院解散を午後に控えた10月9日朝、それまでに非公認が明らかになっていた6人に加え、新たに裏金議員6人が非公認となったことが発表されると、永田町では驚きの声が上がった。

「自民が先週実施した極秘の情勢調査の結果が思わしくなく、党執行部は、裏金議員に厳しく対応する姿勢を見せることで国民の支持を集める作戦に出ました。新たに非公認となった裏金議員は、情勢調査の結果がとくに悪かったそうです」(全国紙政治部記者)

裏金問題が取りざたされ始めたころは「有名人になっちゃって、街でも『一緒に写真撮ってください』って頼まれるんだよ~」と余裕も見せていた、ある旧安倍派議員は「とにかくなるべく裏金問題の記憶が薄れた状態で選挙したかった。裏金問題が蒸し返されてしまったし、非公認や比例復活なしの措置も重い…」と嘆く。

非公認になると、党からの金銭的支援もなく、選挙カーの数も少なくなるなど、公認と比べて苦しい戦いとなる。そして、選挙基盤の弱い議員にとっては、公認されても比例復活できないことが死活問題となる。

「これまで自民党が圧勝していた選挙ですら比例復活に甘んじてきた議員にとっては、裏金問題の逆風が吹く中、小選挙区で勝ち抜くのは至難の業。比例復活ができないなら、すでに『落選確実』状態です」(自民党関係者)

実際、過去2回の衆院選で比例復活を繰り返してきた越智隆雄氏は、裏金議員の比例復活がないことが発表された翌日、不出馬の意向を表明した。

「このまま永田町にいても、出世の見込みはほぼない。多額の選挙資金を使って惨敗するよりも、さっさと撤退したほうがいいという判断なのでしょう」(同前)

非裏金議員は「ライバルが減る」と歓迎 

今回、非公認や比例復活なしの対象となった議員のほとんどは、かつて石破氏とは距離のある安倍派に所属してきた。そのため、もともと党内でくすぶっていた石破支持派と、反石破派の対立は、より深まった形だ。

それだけでなく、総裁選で石破氏を支持していた平沢勝栄氏(旧二階派)も公然と「この問題に関する決定プロセスには理解に苦しむものもあります」とコメントを発表。裏金議員の間で石破氏への不満は広がっている。

ただ、党内からは「石破おろしは早々に起きるかもしれない。こんなことをされると、2025年の参院選でも、2028年の参院選でも、裏金議員の処遇問題を蒸し返される」という声もある一方で、「裏金を作っていなかった議員からすると、裏金議員の比例復活を認めれば『比例で自民に投票して裏金議員を救うのは嫌だ』という動きが強まるところだった」という安堵の声も。

「比例復活できるかどうかは、他選挙区の自民候補との惜敗率の勝負になる。比例名簿に載る候補が減るだけでも、ライバルが減る」(非裏金議員)というわけだ。

実際に小選挙区で落選した場合、大半の地域では、複数県の自民候補と数議席を奪い合う構図となり、惜敗率数ポイントの差が明暗を分ける。

自民に逆風が吹く今回は、小選挙区で負ける自民候補が増える一方、自民に配分される比例の椅子も減って競争が激しくなることが十分予想されるため、ライバルは一人でも少ないほうがいいというわけだ。

「ポスト石破」候補・高市氏の衆院側推薦人は、半数が非公認・比例復活なしに

石破氏への党内の不満が高まっているうえ、自民の衆院選での苦戦が予想される中で、早くも党内では「ポスト石破」への関心も高まっている。
そこで注目が集まるのが、総裁選で石破氏にわずかな差で負けた高市早苗氏だ。

麻生太郎最高顧問から「ポスト石破」に向けて「用意しておけ」と言われたとされる高市氏。総務会長の打診を断り、無役として「次」に向けた準備に余念がなく、「前回の衆院選後は、『支援してくれた議員へのお礼がない』と言われていたが、今回は丁寧なお礼の手紙を送るなど、フォローを欠かさなくなっている」(自民党関係者)という。

しかし、今回の党本部の決定により、高市氏を担いできた議員たちが数多く、非公認・比例復活なしの対象になった。

9日の時点で、さきの総裁選で高市氏の推薦人となった衆院議員11人のうち、1人が非公認、5人が比例復活なしに。

さらに、推薦人のひとり、杉田水脈氏も第1次公認候補からは外れており、かりに杉田氏の非公認が決まると、高市氏の推薦人となっていた衆院議員11人のうち半数以上の7人が非公認または比例復活なしとなる。

「高市氏は総裁選で石破氏に僅差で2位になったとはいえ、積極的に支援してくれる議員は多いわけではなく、出馬の際は20人の推薦人集めに苦労していました。
議員票を集めることと、『推薦人として名前を公表されてもいい』という議員を集めることは別。高市氏の推薦人が数人バッジを失うと、『ポスト石破』を狙う高市氏の戦略にも黄信号が灯ります」(自民党関係者)

石破氏にとっても、「ポスト石破」を狙う高市氏にとっても、今後の行く末を大きく左右する「裏金議員切り」。本当の戦いは、衆院選後に待っている。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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