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2023年5月の星空情報 春の大三角と半影月食を見てみよう

sorae.jp / 2023年5月2日 20時51分

春の大三角

立夏を迎えた5月、爽やかな風が吹く季節になりました。夜空を見上げると、春の星座がのびやかに広がっています。春の星空で星座を見つける目印は、3つの明るめの星を結んでできる「春の大三角」です。

(Credit: 国立天文台)

1つ目の星はうしかい座のアークトゥルスです。アークトゥルスは5~6月頃に空の高い所へ上る1等星です。恒星の中で4番目に明るく、オレンジ色をしているので良く目立ちます。

アークトゥルスから北の空へと星を結ぶと、引き伸ばした菱形(♢)のような形が描けます。「逆さまのネクタイ」もしくは「熨斗(のし)」と形容されるこの形が、うしかい座の体の部分に当たります。

うしかい座は歴史が古い星座です。天頂付近に上ることから「天を支える巨人アトラスがモデルだ」と言われることが多いのですが、妖精カリストが変身したおおぐま座のそばに見えることから「カリストの息子アルカスがモデルだ」とする説もあり、はっきりしていません。

なお、アークトゥルスは「熊の番人」という意味で、おおぐま座を追いかけるように上ることから付けられた名前であるといわれています。

2つ目の星はおとめ座のスピカです。アークトゥルスとは対照的な青白い色の1等星で、真珠星とも呼ばれます。スピカから西に向かって星を結んだ時に描ける大きなYの字は、おとめ座の目印である「おとめのワイングラス」です。

おとめ座は二人の女神が合体したような姿をしています。一人は農業の女神「デーメテール」で、その象徴として麦の穂を持っています。スピカは「麦の穂」という意味で、その名が示すように麦の穂先にあたる星です。

もう一人は正義の女神「アストレイア」です。その象徴としてアストレイアは羽ペンを持っています。また、おとめ座の東側にあるてんびん座は、アストレイアが携えていた正義の天秤であるといわれています。

3つ目の星はしし座のデネボラです。アークトゥルスとスピカは1等星でしたが、デネボラは春の大三角で唯一の2等星。名前の意味は「ししの尾」です。

デネボラの西側には「?」マークを逆さまにしたような形があります。草刈り鎌のように見えることから「ししの大鎌」と呼ばれるこの形は、ししの頭と胸に当たります。

胸で輝く星は1等星のレグルスです。名前の意味は「小さな王」で、1等星の中で最も暗い星です。

しし座のモデルはギリシャ神話に登場する人食いライオンです。英雄ヘラクレスに退治された後、星座になったと語られています。

春の大三角を形作る3つの星は、星の名前や周辺の星の並び方が明確で、覚えやすく見つけやすいものばかりです。5月の薫風に吹かれながら、春の大三角探しを楽しんでみてはいかがでしょうか。

半影月食

2023年5月6日の深夜から明け方にかけて半影月食が見られます。「半影」とは光の一部が到達する薄暗い影のことで、光が届かない「本影」の周辺を取り囲むような形をしています。この半影の中に月が入り、薄暗くなる現象が半影月食です。

【▲ 月食の仕組み(Credit: 国立天文台)】

【▲ 月食の仕組み(Credit: 国立天文台)】

一般的な月食とは異なり、月がはっきり欠けたり赤黒くなったりすることはないため、肉眼での観測は困難です。しかし、今回の半影月食は半影にほぼすっぽり月が入り込むほどの深い食となり、食の最大の頃には月の上部が本影に近づきます。そのため、肉眼でも暗くなっている様子が分かるかもしれません。

食の最大である2時23分頃、月の上部(うさぎ模様の腰あたり)に注目してみてください。

【▲ 2023年5月6日の半影月食のようす。国立天文台 曆計算室より(Credit: 国立天文台)】

【▲ 2023年5月6日の半影月食のようす。国立天文台 曆計算室より(Credit: 国立天文台)】

 

Source

Image Credit: 国立天文台, sorae編集部 国立天文台 - 月食とは 国立天文台 - 暦計算室

文/sorae編集部

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