似ているようで似ていない「双子」の星
sorae.jp / 2019年10月2日 22時49分
画像の左右にある2つの明るい光はふたご座の星「ポルックス」(左)と「カストル」(右)です。美しい天体画像というと渦巻き銀河を思い出しますが、そうした画像にある1つ1つの光の点はおもにこのような「恒星」(みずから光り輝く天体)でできています。
ふたご座のこの2つの星は非常に明るいためよく目立ち、観察するときの方角や明るさの点でお互いによく似ています。しかし左のポルックスは黄色か少し赤みがかった色で、右のカストルは青白い色と、かなり異なっています。「双子」とは言うものの、星の年齢や種類が異なり、このような違いが生まれているのです。
ポルックスは地球から33光年の距離にあります。長い年月を経て「赤色巨星」と呼ばれるタイプになっており、太陽の2倍の重さ(質量)を持っています。一方のカストルは51光年の距離で、「主系列星」というタイプです。太陽も主系列星の1つですが、カストルは太陽の2.7倍の重さがあります。違いは色や星のタイプだけではありません。カストルは少なくても2つの「伴星」が存在し、万有引力で引き合ってお互いの周りを回っていることが知られています。一方でポルックスには重たい惑星が少なくても1つ存在することがわかっています。星空は一見すると同じような星々が光っているように見えますが、色や重さ、さらには惑星の有無など、実はバラエティに富んでいることがわかります。
ふたご座については古代バビロニア、ギリシャ、そしてローマ神話において、カストルとポルックスが双子の兄弟を表しているとされています。天文学的にはまるで違う「双子」ですが、肉眼でも観察することができ、12月にはふたご座流星群として同じ方角に流れ星を見ることができるかもしれません。寒い季節ですが、流星群とともに双子の色の違いにもぜひ注目してみてください。
Image Credit & Copyright: Rogelio Bernal Andreo (Deep Sky Colors)
Source: NASA
文/北越康敬
この記事に関連するニュース
-
流れ星に願いをかけるのはなぜ? 小惑星・彗星から宇宙の謎にせまる
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年5月7日 11時10分
-
2024年5月の星空情報 5日~6日は「みずがめ座η(エータ)流星群」を見よう
sorae.jp / 2024年5月3日 18時25分
-
★2024年5月の天体イベント★ GWに流星群が出現!月と惑星の接近も
ウェザーニュース / 2024年5月2日 16時1分
-
ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ34周年記念画像は惑星状星雲「M76」
sorae.jp / 2024年4月26日 20時56分
-
天の川銀河の恒星ブラックホールとしては最も重い「Gaia BH3」を発見
sorae.jp / 2024年4月22日 21時29分
ランキング
-
1煮物だけじゃない!スーパーフード並みの栄養価「切り干し大根」の意外な食べ方
週刊女性PRIME / 2024年5月18日 8時0分
-
2キウイの皮を剥くのが面倒→皮ごと食べられます! 気になる毛の解決法も伝授、ゼスプリが明かすキウイの手軽な食べ方は?
まいどなニュース / 2024年5月18日 7時0分
-
3「ガラケーの使い方が分からない…」スマホ世代の新入社員が訪問先で“やらかした”大騒動
日刊SPA! / 2024年5月19日 15時54分
-
4軽自動車、20年で6割値上がり 初の平均160万円台が視野
共同通信 / 2024年5月18日 16時51分
-
5「バヤリースオレンジの瓶、製造中止」SNSで拡散 アサヒ飲料「そのような事実はない」と否定
ねとらぼ / 2024年5月18日 11時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください