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NASA観測衛星の成果、若い恒星ストリームで3つの太陽系外惑星を発見

sorae.jp / 2021年2月14日 21時48分

恒星「TOI 451」を周回する3つの系外惑星、リング、伴星を描いた模式図(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center)

恒星「TOI 451」を周回する3つの系外惑星、リング、伴星を描いた模式図(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center)

ダートマス大学のElisabeth Newton氏らの研究グループは、エリダヌス座の方向およそ400光年先にある恒星「TOI 451」を公転する複数の太陽系外惑星が見つかったとする研究成果を発表しました。いずれも恒星に近すぎるために表面温度は摂氏数百~1000度以上とみられていますが、研究グループでは惑星の大気に関する有望な観測対象と考えています。

TOI 451は太陽と比べて直径と質量が約9割と一回り小さな恒星(G型星)です。研究グループが発見した系外惑星は内側から順に「TOI 451b」(公転周期約1.9日、直径は地球の約1.9倍)、「TOI 451c」(同約9.2日、約3.0倍)、「TOI 451d」(同約16日、約4.0倍)の3つで、研究にはアメリカ航空宇宙局(NASA)の系外惑星探査衛星「TESS」の観測データが利用されました。

今回発見された3つの系外惑星は、公転周期の短さからもわかるように主星のTOI 451からそれぞれ約0.03、約0.08、約0.12天文単位(※)しか離れておらず、表面温度も摂氏約1200度、約600度、約450度と推定されています。

※…1天文単位=約1億5000万km、太陽から地球までの平均距離に由来する

TOI 451は「うお座-エリダヌス座恒星ストリーム(Pisces-Eridanus stream)」と呼ばれる最近確認された恒星ストリームにあります。恒星ストリームとは星やガスでできた川の流れのような細長い構造で、矮小銀河や球状星団が銀河の強い重力によって引き伸ばされてできたと考えられており、天の川銀河では十数本の恒星ストリームが知られています。

14の星座にまたがるうお座-エリダヌス座恒星ストリームの長さはNASAによると約1300光年に及ぶといい、コロンビア大学のJason Curtis氏らによる2019年の研究ではその年齢がプレアデス星団(すばる)に近い約1億2000万年と比較的若いことが示されています。

恒星ストリームと同じ年齢とされるTOI 451を公転する系外惑星はまだ進化の途上にある可能性が考えられることや、観測しやすい約400光年先という比較的近い場所にあること、サイズが地球の2~4倍ほどの惑星が3つあることから、Newton氏は「惑星大気の進化についての理論を検証する上で有望な観測対象です」とコメントしています。

なお、研究グループはNASAの赤外線天文衛星「NEOWISE」の観測データをもとに、TOI 451から約5天文単位と推定される範囲に岩や塵が集まったリングが存在する可能性を指摘しています。また、欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡「ガイア」の観測データをもとに、TOI 451から約4700天文単位離れたところにある星がTOI 451の伴星であり、2つの赤色矮星(M型星)からなる連星である可能性にも言及しています。

 

関連:系外惑星「WASP-62b」は雲ひとつない空であることが明らかに

Image Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center
Source: NASA
文/松村武宏

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