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はやぶさ2カプセルの展示内容と、一般からのメッセージ入りメモリーチップの往復航行達成

sorae.jp / 2021年3月8日 11時0分

3月5日、JAXAは記者説明会で「はやぶさ2」サンプル解析と地球帰還カプセルの現状について説明しました。サンプルはC室の観察に進み、カプセルの状態は良好で、内面は「新品のように見える」というほどの状態だとのこと。新型コロナウイルス感染症の動向次第ではありますが、一般への公開予定も発表されました。また、「星の王子さまに会いにいきませんかミリオンキャンペーン2」で托されたメッセージを収めたメモリーチップが、無事小惑星往復を成し遂げたという報告もありました。

小惑星リュウグウのサンプルはC室の観察へ

サンプルコンテナC室試料の重量測定と、光学顕微鏡による観察が始まっています。
3つの観察用容器に分けられたリュウグウの粒子は合計1.51gですが、別に取り分けた粒子もあるということで、実際の重量はこれより少し重くなります。

C室サンプルの一部(Credit: JAXA)

カプセル展示について

帰還カプセルの公開日程と、現状について報告されました。
カプセル公開は現状、相模原市立博物館と国立科学博物館での展示が決まっています。ただし、緊急事態宣言の延長が決まったことや新型コロナウイルス感染症の状況によっては変更となる可能性もあるとのこと。

・相模原市立博物館:2021年3月12日~3月16日
(要事前申し込み、3月5日に締切済)
・国立科学博物館:2021年3月27日~4月11日
企画展「小惑星探査機『はやぶさ2』-小惑星リュウグウからのサンプルリターン-」開催のお知らせ:https://www.kahaku.go.jp/event/2021/03hayabusa2/

展示されるのは、前面ヒートシールド・背面ヒートシールド、インスツルメントモジュール、搭載電子機器部(本来インスツルメントモジュールに取り付けられているが、外して展示)、パラシュート。リュウグウの粒子を収めているサンプルコンテナ部は、内部のサンプル取り出しと分析に回っているため展示されません。

どこが見どころなのか、カプセル担当の吉原圭介氏と山田哲哉氏はそれぞれ、
吉原「カプセル内部の状態は美しい状態が維持されています。まるで新品のような状態なのをぜひ見て欲しい」
山田「ヒートシールドも見て欲しいのですが、少し天邪鬼なことを述べます。降下時にカプセル内の空気圧を外に合わせる小さな穴(ベントホール)を見て欲しいと思います。背面ヒートシールドの2箇所のキノコのような突起のそばにそれぞれ1つずつ開いています。直径は1.5mmくらいです」
と述べていました。また、初代のカプセルと比べると、背面ヒートシールドの金色のテープの残っている量が少し少なく見えるとのことです。

展示されるカプセル各部のイメージ。上から前面ヒートシールド、背面ヒートシールド、インスツルメントモジュール(当祭殿機器部を外した状態)、搭載電子機器部。

カプセルの状態

チェックを行ったところ、カプセル各部品の状態は概ね良好とのことです。

帰還カプセルには、再突入飛行計測モジュール(REMM:読みは「レム」)と名付けられた計測装置が搭載され、カプセル内部の9箇所の温度データや再突入前後の加速度・角速度を測定しています。これは初代「はやぶさ」にはなかった装置で、電子機器の進歩で、小型で軽いものが作れるようになったために搭載できるようになったとのこと。重量は70gです。

高速で大気圏に再突入した時のデータ取得は、H-IIAロケット2号機によって打ち上げられた高速再突入実験機(DASH)で2002年2月に行う予定でしたが同機は製造時の配線ミスで分離に失敗、実験はできませんでした。今回の成功は、18年越しの悲願達成となります。
データ解析をしたところ、内部の温度は、リュウグウの粒子に悪影響がない温度範囲に保たれていたことが分かりました。山田氏は、これから更に解析を行い、論文などで発表していきたいと意気込みを語っていました。

また、シールド表面の観察から、再突入時の最高温度は3000度程度に達していた可能性があるとのこと。これは設計値内に収まっています。

メッセージ入りメモリーチップの往復航行達成

帰還カプセルには、2013年に実施された「星の王子さまに会いにいきませんかミリオンキャンペーン2」の際、名前やメッセージ、イラスト・寄せ書き等の収録された、同一内容のメモリーチップが2枚搭載されていました。

キャンペーンの際はメモリーチップと呼んでいましたが、特別なものではなく市販のマイクロSDカードです。ただし、搭載前に再突入の熱(カプセル内で80度が上限)に耐えられるかどうかの試験を行ったそうです。
データは良好に読み込むことができましたが、これは搭載箇所が内部の支持アブレータに埋め込まれ、更に構体や背面・全面シールドなどさまざまな部品が保護材となって、放射線から守られたためであろうという予想です。データのビット反転の有無については調査されていませんが、2枚とも状態が良好であったので、片方がダメでももう片方から補うことができるだろうとのことでした。

ミッションマネージャの吉川真氏からは、キャンペーンに参加した方々に向けて「今回は、行って帰ってくるというところを疑似体験をして欲しくて搭載しました。我々自身がリュウグウまで行ってくる時代は遠いかもしれないですが、皆さんのお名前はリュウグウまで行って帰ってくることができました」、また、実際の搭載と取り出しを行った吉原氏からは「埋めるときは考えなかったが、帰ってくるときは無事か心配で、断熱材を切る手が震えました」というコメントが述べられました。

搭載されたメモリーチップ(Credit: JAXA)

メモリーチップ取り出し作業を行う吉原氏(Credit: JAXA)

名前やメッセージなどの記録内容については、応募者が検索できるシステムを構築中とのこと。筆者(金木)もメッセージを送っているのですが、何と書いたかすぐには思い出せません。検索システムが公開されたら調べてみて、7年分の感慨に浸ってみようと思っています。なお、ターゲットマーカに刻まれた名前などは、下のキャンペーンサイトで既に検索システムが公開されています。

参考:星の王子さまに会いにいきませんかミリオンキャンペーン2公式サイト https://www.haya2-campaign.jp/

 

 

Image Credit: JAXA
文/金木利憲

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