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日本の新型ロケット「H3」初めて姿を見せる 極低温点検を実施

sorae.jp / 2021年3月19日 21時26分

大型ロケット組立棟から移動するH3ロケット(Credit: JAXA)

大型ロケット組立棟から移動するH3ロケット(Credit: JAXA)

JAXAが開発を行う日本の最新ロケット「H3」がついに姿をあらわしました。3月17日から18日にかけて「H3」ロケット試験1号機は極低温点検を種子島宇宙センターで実施しました。当日の種子島は雨でしたが、試験は無事に終了しました。

この点検は実際にロケットへ燃料を充填し、エンジン着火直前までカウントダウンを行うリハーサルで、打ち上げまでの作業や手順を確認するために行います。カウントダウンは7秒前で停止するため、実際にロケットを打ち上げるわけではありません。

極低温点検は機体移動、推進剤充填、カウントダウンの3つの手順に分かれます。まず、宇宙センター内にある大型ロケット組立棟から射点へH3ロケットを移動させます。その後、実際にロケットへ液体推進剤を充填させ、正常に作動するか確認します。また機体の様子を確認できるか機体と地上アンテナの電波をつなげることでチェックします。最後にエンジン着火直前までのカウントダウンを行います。

射点に到着したH3ロケット(Credit: JAXA)

射点に到着したH3ロケット(Credit: JAXA)

また、JAXAによると、本来カウントダウンは2回行う予定でしたが、1回目のカウントダウンで予定通りのデータを取得できたため、2回目は行わなかったということです。

今回使用されたH3ロケット試験1号機は、フライト用機体と異なる部分、共通している部分があります。(※1)

<フライト用機体と異なる部分>
・フェアリング:試験用を使用(未塗装)
フライト用のフェアリングは断熱塗料を塗っているため白色。しかし試験用は塗装せず、繊維強化プラスチック(CFRP)そのままの色。
・LE-9エンジン:試験用を使用
・ペイロード:搭載せず
・火工品:搭載せず ※火工品
・フェアリングや固体ロケットブースターを分離するために使用

<フライト用機体と同じ部分>
・固体ロケットブースター(SRB-3):本体の横についている2本のブースター
・コア機体:ロケットの本体
・LE-5B-3:第二段エンジン

またH3ロケットが搭載されている移動発射台(ML)と移動発射台運搬車(通称ドーリー)は新しく製造されました。今回の極低温点検では、初めてロケットを搭載して運用を行いました。

なお、H3ロケットは2021年度の初打ち上げに向けて準備が進められています。

 

 

Source: JAXA(プレスリリース、ファン!ファン!JAXA!)
※1:Youtube NVS「 H3ロケット試験1号機極低温点検」の概要欄を参考。
Credit: JAXA
文/出口隼詩

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