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始まったばかりの相互作用。“おとめ座”の渦巻銀河「NGC 4567」と「NGC 4568」

sorae.jp / 2022年1月27日 21時27分

相互作用銀河「NGC 4567」と「NGC 4568」(Credit: ESO)

【▲ 相互作用銀河「NGC 4567」と「NGC 4568」(Credit: ESO)】

こちらは「おとめ座」の方向およそ6000万光年先にある2つの渦巻銀河「NGC 4567」と「NGC 4568」です。画像に向かって左側がNGC 4567、右側がNGC 4568となります。両銀河の配置は地球からは「V字」を描くように見えることから、海外ではその姿が蝶にたとえられて「Butterfly Galaxies(バタフライ銀河)」とも呼ばれています。

衝突し始めている両銀河は、重力を介して互いに影響し合う相互作用の初期段階にあるとみられています。複数の銀河が影響を及ぼし合っている銀河は「相互作用銀河」と呼ばれていて、そのなかには元の姿から大きく歪んでいるものも観測されています。

現在観測されているNGC 4567とNGC 4568はどちらも渦巻銀河としての姿が保たれていますが、いずれは合体して1つの銀河になると予想されています。衝突や合体と聞くと破壊的な現象のようにも思えますが、実際には星どうしが衝突する確率はわずかだと考えられています。画像を公開したヨーロッパ南天天文台(ESO)は、その様子を「重力が演出した星・ガス・塵のワルツ」と表現しています。

なお、私たちが住む天の川銀河は約250万光年先の渦巻銀河「アンドロメダ銀河(M31)」と接近し続けていて、今から40億~45億年後には衝突が始まるとみられています。天の川銀河とアンドロメダ銀河も相互作用銀河の段階を経て融合し、「ミルコメダ(Milkomeda※)」と呼ばれる1つの銀河が誕生すると考えられています。

※…天の川(Milky Way)とアンドロメダ(Andromeda)の混成語

【▲ 夜空で眺める「天の川銀河」と「アンドロメダ銀河」の衝突合体】
(Credit: NASA, APOD, Shutterstock; 編集: sorae)

冒頭の画像はESOのパラナル天文台(チリ)にある「超大型望遠鏡(VLT)」の観測装置「FORS2」による光学観測データをもとに作成されたもので、ESOの今週の一枚「The Butterfly Effect」として2022年1月24日付で公開されています。

 

関連:可視光と電波、異なる波長で観測された棒渦巻銀河「NGC 1300」

Image Credit: ESO
Source: ESO
文/松村武宏

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