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「線路に飛び込むなよ、後処理が面倒だから」上司の発言に壊れた心。3年休みなしの激務にも限界で…49歳男性が選んだ道

日刊SPA! / 2024年2月1日 8時52分

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「仕事やお金より、精神の健康が一番大事。私のように手遅れになる前に、SOSを自ら発信して!」と訴える堀将人さん(仮名・49歳)

管理職の名の下、残業代も支払われず限界まで働かされ、使い捨てにされる……。’08年に「名ばかり管理職」という言葉が生まれてから16年、空前の人手不足の今、多くの中年が職場で苛酷な労働に喘いでいる。その悲惨な現状を追い、日本特有の病理を探った!
◆毎日5時間の残業は当たり前。情緒も不安定に
小売り・元課長(49歳)/年収430万円

ホームセンター運営会社の本社総務部に勤務する堀将人さん(仮名・49歳)は、勤続28年。10年間にわたり、課長として若手の部下を従えて仕事に奮闘していた。しかし、当時の覇気は今や見る影もなく、虚ろな目でこう話した。

「自ら降格を申し入れ、休職を経て職場に戻りました。課長の頃の地獄の日々からは解放されたけど、今が幸せなんて口が裂けても言えません」

降格を会社に申請した2年前、堀さんに何があったのか。

「ヒラ社員の頃、残業は1時間程度でしたが、課長になると部下の育成や店舗サポート業務だけでも大変なのに、一人で複数店舗の改修立案に同時に対処しなければならず、毎日5時間の残業が当たり前に……。過労死ラインの100時間を超える月もありました。

ところが、課長になる前はちゃんと支払われていた残業手当が、どうも少ない。当時は、増えるばかりの仕事を片づけるのに精いっぱいで、考える余裕がなかったんです。休日も自宅で残務処理に追われ、課長時代の後半の3年間は実質休みなし。ストレス過多が続き、気がつくとため息が止まらない。情緒も不安定になっていたのです」

◆「超」がつく「名ばかり管理職」

管理職の肩書はあるが、残業手当は支払われない……。当時は気づけなかったが、堀さんは、「超」がつく「名ばかり管理職」だったのだ。

「『名ばかり』だから権限なんてないのに、馬鹿正直に、管理職らしく部下のフォローもしてました。でも、あまりに多忙でそれも疎かになり、私を取り囲んだ若手から『課長として最低限の仕事はしてください!』と詰め寄られた。信頼を失ってしまったのです。

ところが、パワハラ体質の上司はフォローしてくれるどころか、暴言を浴びせてきた。大勢の社員の前で怒鳴られるのはまだいいほう。『会社のカネ、垂れ流してるんじゃねえ!』『俺の足を引っ張るな!』などと罵詈雑言を浴びせられ、ファイルで頭を叩かれたり、暴力も振るわれました。でも、上司と部下の板挟みになっていた私に味方なんていない。誰も助けてくれませんでした」

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