今年の弥生賞出走馬で‟ディープインパクトを上回る”衝撃のパフォーマンスを見せた馬とは
日刊SPA! / 2024年3月2日 8時25分
続く日本ダービーは大外から5馬身差をつける圧勝。当時のレースレコードタイとなる2分23秒3を記録しています。そして、秋初戦の神戸新聞杯を制して迎えた菊花賞。京都競馬場には菊花賞の入場動員レコードとなる13万6701人が入場しました。京都に住んでいた筆者は菊花賞を見に行きたかったのですが、当時はまだ高校生だったので自重。「世界のホースマンよ、見てくれ!これが日本近代競馬の結晶だ!」という名実況と共に、見事三冠を達成しました。
◆凱旋門賞では厳しい結果に…
古馬と初対決となった有馬記念ではこちらも名馬ハーツクライと名手ルメール騎手の好騎乗に阻まれて2着となりましたが、古馬になり阪神大賞典と天皇賞(春)、宝塚記念と3連勝。そして凱旋門賞に挑みます。結果は3着に入線(後に失格)。夜中まで起きていた筆者も伸びきれないディープインパクトの姿にショックを受けました。
帰国初戦はジャパンカップ。単勝オッズは1.3倍で単勝支持率61.2%は日本国内で走ったレースの中では最も低くなりました。凱旋門賞のレース振りから世間もやや不安視している様子でしたが、レースではその不安を払しょくする、いつものディープインパクトの姿がありました。そして引退レースの有馬記念は武豊騎手が「生涯最高のレースができた」と語る走りでG1 7勝目を記録しました。
◆最大の強みはトップスピードの持続力にある
ここまでディープインパクトの戦歴を振り返りましたが、筆者が最も衝撃を受けたレースが天皇賞(春)でした。道中はいつものように後方から競馬を進めていましたが、向正面で一気にスピードを上げて3コーナーでは3番手。4コーナーでは早くも先頭に立つ驚愕の競馬で、そのままリンカーンを3馬身半差突き放す圧勝でした。
勝ちタイムの3分13秒4は当時のレコードタイム。そして何よりも衝撃なのが上がり4ハロンのタイムです。競走馬の持続力はレースの上がり4ハロンに表れると筆者は考えており、ディープインパクトが勝利した天皇賞(春)の上がり4ハロンタイム44.8秒は、芝3000m以上のレースにおいて今なお破られていない歴代最速タイムとなります。
ディープインパクトといえば上がり3ハロン33秒台を記録するようにトップスピード性能も非常に優れていますが、それを維持する持続力こそが最大の強みであったと考えています。産駒としてジェンティルドンナやコントレイルなど中~長距離馬を多く輩出していることも、自身の持続力を遺伝させている結果といえるでしょう。最強馬論争で必ず名前が挙がるディープインパクトですが、少なくとも長距離部門では歴代最強馬だと筆者は確信しています。
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