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『R-1グランプリ2024』採点分析。コントかフリップ芸か…“ネタ時間4分”で分かれた明暗

日刊SPA! / 2024年3月10日 15時55分

 全体を見渡すと、ザコシ以外の審査員は「いいと思ったら突出して高い点数をつける」という採点をしていない。言い換えれば、ルシファー吉岡と街裏ぴんく以外の7組は、採点の仕方から大差が付きにくい状況だったと言える。その7組のなかで、ひとりだけ470点という高得点をマークしているのを見ると、いかに吉住が幅広く高い評価を受けたのかがうかがえる。

◆「R-1に夢はあるんですよ!」

 ファイナルステージに駒を進めたのは、ルシファー吉岡、街裏ぴんく、吉住の3人。ちなみにファイナルに進める人数も今回から2人→3人に増えている。トータルの放送時間も2時間から2時間30分に拡大され、数年前は常に時間に追われていた進行にも余裕が見られ、ネタをじっくり見られる体制が整ったように感じる。

 ファイナルの出番順はファーストステージの3位から。1本目でデモ隊として警察と戦っていた吉住は、2本目で鑑識として警察側になり、どちらもうっすらと怖い彼女を演じきる。街裏ぴんくは再びセンターマイクの前に身一つで立ち、「こんな嘘ついてたら迷惑かかるじゃないですか!」と叫びながら嘘のデビュー秘話を延々と語る。1本目でザコシから「キャラ通りのことをやるから笑いやすい」と言われたルシファー吉岡は、そのキャラのまま隣人宅の前で漏れ聞いたラブコメを演じきる。

 三者三様、それぞれの持ち味をフルに活かした4分に悩む審査員。ファイナル進出が3人に増えたことで、2-2-1で審査が割れることも考えられる。果たして投票結果は、陣内とバカリが吉住に、小籔と野田とザコシが街裏ぴんくに……!

 3票目が入った瞬間、街裏ぴんくは手を大きく叩き、メガネを取って泣き崩れた。金色の紙吹雪が舞台を舞い、敗退したファイナリストが集まってくる。MCの粗品に「今の気持ちどうですか!?」と問われた街裏ぴんくは、舞台上に両膝をついたまま、右手を客席に突き出して、漫談の熱量のまま「R-1に夢はあるんですよ!」と声を振り絞った。

 芸歴20年で初めてつかんだ栄冠。その言葉は嘘ではなく、魂からの叫びだった。

<TEXT/井上マサキ イラスト/まつもとりえこ 編集/アライユキコ>

【まつもとりえこ】
イラストレーター。『朝日新聞telling,』『QJWeb』などでドラマ、バラエティなどテレビ番組のイラストレビューを執筆。趣味はお笑いライブに行くこと(年間100本ほど)。金沢市出身。X(Twitter):@riekomatsumoto

【井上マサキ】
ライター。大手SIerにてシステムエンジニアとして勤務後、フリーランスのライターに。理系・エンジニア経験を強みに、企業取材やコーポレート案件など幅広く執筆するかたわら、「路線図マニア」としてメディアにも多数出演。著書に『たのしい路線図』(グラフィック社)、『日本の路線図』(三才ブックス)、『桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか?』(ダイヤモンド社)など。X(Twitter):@inomsk

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