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次々と明るみに出る「宗教者による性暴力」…“自分の性欲に悩んだ”現役牧師が気づいたこと

日刊SPA! / 2024年3月11日 8時52分

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「若い女性が人に言わないような悩みを自分にだけ打ち明けてきたとき、好意を寄せられていると錯覚することもある」と沼田氏

 安倍晋三元首相の銃撃事件を機に、世間の注目を集めるようになった「宗教2世問題」。宗教の信仰が深い家庭に生まれてしまったがゆえに、幼い頃から性暴力を受けてしまう実態があった。
◆仏教系の団体でも権力が存在すれば性暴力は生まれる

 性暴力が起こるのは、なにもキリスト教系だけではない。仏教系の新興宗教において、幼い頃に性被害に遭ったという宗教2世の「たまみか」さんに、当時の話を聞いた。

「私がいた教団は、『人生で起こったつらいことは、ご先祖様の魂が救われていないからであり、ならば自分たちで先祖供養をしましょう』という教えでした。私が生まれたとき、すでに両親が入信していて、自動的にその宗教の信者にさせられました」

 被害に遭ったのは、小学校低学年のとき。地区会長の家に呼ばれ、大学生の息子(信者)と話していたときだった。

「『ちょっと2人でお話ししようか』と部屋に連れて行かれ、あぐらの上に座らされました。そこでバックハグの状態でギュッとされました。最初は抱きしめるだけだったんですが、太ももから鼠径部、背中、顔、髪の毛と、段々と触る面積が増えていったのを覚えています」

◆権力と子供の立場の弱さにつけ込む

 触る以上の行為がなかったのは、「今思えば策略だったと思う」と、たまみかさんは語る。

「顔はかなり近づけてきたんですが、キスはしてこないんです。おそらくそれをしてしまうと、“チクられてしまう”と思ったんでしょうね。かなり卑劣なやり方だと思います」

 中学生になり、教団内の「青年部」で活動している際にも性暴力があった。

「夏休みに、大人と一緒に滋賀県の『聖地』と呼ばれるところに行ってキャンプをするんです。そこで別の地区の30代の男性に、しつこく『大人っぽくてかわいい』『今度ドライブに行こう』『真剣に付き合ってほしい』と迫られたんです。そう言いつつ、教義の真剣な話を交ぜてくるから、権力を利用して丸め込もうとしてきたのかなと」

 以来、異性に対して性嫌悪があるというたまみかさんが教団に思うことは。

「正直、教え自体は『周りの人を大事にしましょう』とか『ご先祖様に感謝しましょう』とか悪いことは言っていません。でも、子供の立場の弱さにつけ込んで性暴力をするのは、この上なく卑怯ですよね」

 ここでも権力と信者同士の関係性の近さが、性暴力を生んでいた。

◆現役牧師が「性暴力は決して他人事ではない」と語るワケ

 世界中で相次ぐ聖職者による性暴力報道に、現役牧師の沼田和也氏は複雑な気持ちだという。許せない、そしてやるせない思いを持つと同時に、「他人事ではない」という思いも去来しているからだ。

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