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“フランスのワークマン”が全店舗閉店。CMOが語る「日本ではミスマッチだった」戦略とは――大反響トップ10

日刊SPA! / 2024年3月24日 8時45分

「もともと日本に向けて直営ECを展開していました。しかし、『実際に商品を触って確かめたい』という声を受けて、2019年に実店舗を立ち上げるに至ったんです」

 職人服のイメージが強かったワークマンが高機能で低価格な点から一般層からも支持されるようになり、「ワークマンブーム」が起きたタイミングだったこともあり、デカトロンは「フランスのワークマン」として注目を集めた。

◆コロナ禍での苦悩

 しかし2022年にはいずれの店舗もコロナの煽りを受け、閉店を決断。デカトロンは、店舗に足を運んでもらい、いろいろなスポーツギアを手に取って体験できるところが売りであり、まだ日本でオープンしたての店舗にとってこのコロナは痛手が非常に大きかった。

 終わりの見えぬパンデミックの収束を盲目的に祈るより、できることをやる。リテールカンパニーとしてではなくブランドとしての日本での生き残り戦略への路線変更をいち早く進めた。

「ヨーロッパでは新店舗を出店するとき、コストコのように郊外エリアで出店する、いわゆる“郊外型店舗”が一般的です。車社会かつ空いた土地が多いため、街から離れた商業施設に人が多く集まります。むしろ都市部が空洞化しており、買い物をするなら車で不便な場所に行く、というのが当たり前になっています」

◆「都市型店舗」からトレンドが広がる日本

 同じ要領で、デカトロンもまずは郊外エリアからの店舗展開を目指した。しかし日本の場合は、小型の「都市型店舗」からほかのコミュニティにトレンドが広がるという特徴がある。

 さらに、都市開発が進んでいて、その土地に小さなコミュニティが生まれているため、それぞれに合ったマーケティング施策も求められる。このような特長を利用してブランドの認知を上げ、今までにないデカトロンを世界に先駆けて作ることが、チャールズ氏の新しい役割となった。

「またヨーロッパでは、デカトロンはリテール(小売店)事業を展開するアパレル企業として認知されていますが、日本ではスポーツブランドと捉えられ、マーケティング戦略がミスマッチだったことも大きな誤算でした」

 コロナ禍により小売りが大打撃を受けたことも重なり、2022年に直営全店舗が閉店し、日本における再出発を余儀なくされた。

◆直営ECでは動画を活用

 矢野経済研究所の調査によると、日本におけるアウトドアの市場規模は2023年度に3174億円まで成長すると言われている。コロナ禍からのアウトドアブームを追い風に再起をかけたデカトロンの日本再進出を任されたのは、フランス本社での商品開発を経て現在、日本支社のマーケティング責任者を務めるチャールズ氏だ。

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