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なぜ「LDH」は国民から飽きられないのか。“伝説”が30年以上も続く理由

日刊SPA! / 2024年3月29日 15時52分

◆LDHアーティストが支持され、ハマる理由

その直感的な音楽体験は、LDHが社名として掲げるモットー「Love、Dream、Happiness」そのもの。つまり、ひとりのリスナーとして、大きな夢を仮託したんじゃないのか(ぼくが岩ちゃんにそうするように)。老若男女関係なく、広くLDHアーティストが支持され、知らず知らずのうちにハマっている理由が、このあたりにそこはかとない熱気として隠れているようにぼくは思う。

じゃあEXILEから翻って、改名デビューから15年後。2016年に公開された映画が、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』である。同作は、岩田剛典の映画初主演作品として記憶されている。この映画主演デビュー年は、山﨑賢人などを筆頭プレイヤーに、所謂きらきら実写映画ラッシュのちょうど黄金期に位置づけられる。

同作を映画館で観たぼくは、ベッド上、シーツと薄い掛け布団のサンドイッチ状態で、カメラ目線ぎみになる岩田さんに対して金切り声をあげる女性ファンに遭遇したことをよく覚えている。岩ちゃんファンによるごく自然な反応だと理解しつつ、これは実は待望の逸材が映画界に出現した瞬間をまさに直感した叫び声だったんじゃないかとついつい妄想を飛躍させてしまう。

EXILEによる音楽的な地盤が常に磐石で、恒常的だからこそ、その分だけ申し子たる岩田剛典は俳優としても演技のフィールドを自由に耕し、決定的な足跡を残すことができる。『誰も知らない明石家さんま』(日本テレビ、2023年11月26日放送回)内の再現ドラマ「笑いに魂を売った男たち」でさんま役を引き受けてしまう彼は、LDHアーティストでありながら、(「劇団EXILE」とは別軸で)俳優部をも代表するご意見番的な役回りまで担う。2025年前期NHK連続テレビ小説『虎に翼』が朝ドラデビューとなることも手伝って、多くの観客や視聴者からの夢を託され、広く支持されるようになった存在感はもはや不動。

◆LDH的な存在とは、国民的存在

朝ドラつながりだと、戦前、戦中、戦後にアメリカ文化に対する夢や憧れをリズミカルな日本の音楽として体現した大作曲家・服部良一(現在放送中の『ブギウギ』で重要なモデルのひとり)でさえ、こうした文脈で現代風に表現すれば、LDH的な存在といえるかもしれない。LDH的な存在とは、同時に国民的な存在だから。

2008年に第50回日本レコード大賞を受賞した「Ti Amo」を呼び水として、3年連続大賞受賞の快挙を果たし、2009年には、天皇陛下御即位20年を祝う国民祭典で、奉祝曲 組曲「太陽の国」をパフォーマンスしたEXILE。俗にいうEXILE系カラーを国民的なものにした。この祭典は11月12日に開催されたから、2010年11月10日に控えた三代目JSBデビューまで1年を切っていたことになる。HIROさんが自伝エッセー『Bボーイサラリーマン』冒頭に書いた、「事実は小説より奇なりというけれど、小説が事実よりも、真実に近いということもあるわけだし」が現実化したように、何とも神がかったタイミングに他ならなかった。

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