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大規模特殊詐欺「ルフィ」を壊滅させた2人の女②〜ルフィの愛人となった女

日刊SPA! / 2024年3月29日 15時49分

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ひとりでの海外は初めてだった

「ルフィ」などと名乗り、フィリピンから広域強盗事件を指示した疑いがある渡邉優樹被告(39歳)ら特殊詐欺グープの「かけ子」で、23年1月に東京・足立区で起きた強盗未遂事件で起訴された山田李沙被告(27歳)の判決公判が3月5日、東京地裁で開かれた。山田被告は「かけ子」として被害者の情報を指示役に提供したとして、強盗予備、住居侵入などの罪に問われ、懲役1年2月を言い渡された。
 判決理由として「組織的かつ計画的で悪質」と指摘する一方で、「事実を認めるとともに指示役らについてもつまびらかに話している」として懲役1年6月の求刑に対して1年2月を言い渡した。

 同被告は23年8月に窃盗罪で懲役3年の実刑判決を受け現在服役中だ。2月22日に行われた公判では起訴内容について「間違いありません」と認め、今後予定される指示役とみられるの渡辺被告らの裁判に「呼ばれることがあれば全面的に協力したい」と述べ、全容解明にひと役かっている。

 実は、そんな山田被告とともに”幹部”と呼ばれるも、「ルフィ」ら渡邉たちの大規模特殊詐欺グループを、事実上壊滅に追い込んだ女がいるーー。

 被害総額60億円。大規模特殊詐欺、強盗、殺人。通称「ルフィ」事件にかかわった、実行犯12人の容疑者(被告)の素顔を描いた、『「ルフィ」の子どもたち』(扶桑社)から、山田被告ともうひとりの女の素顔に迫る。

(以下、『「ルフィ」の子どもたち』より一部編集の上抜粋)

(おことわり)被疑者、被告人については現在も捜査や裁判が続いているため司法の公正な判断が待たれる。本稿においては報道上、社会的意義のあるものとして彼らについて取り上げる。なお、本文中の敬称等は略し、年齢、肩書などは原則的に事件当時のものを掲載する。

◆異国で恋に落ちた男

2019年3月16日。マニラのニノイ・アキノ国際空港に柴田千晶(当時27歳)はひとりで降り立った。
 
 初めてのフィリピンだった。柴田を笑顔で出迎えたのは、ルフィグループの幹部、渡邉優樹だった。焼けた肌に爽やかな笑顔。身長180cmはあろうか。がっしりとした体躯をブランドもののスーツで包んでいるが、そこはかとなく漂う「ある種のにおい」。夜の世界が長かった柴田の直感は的中する。決して真っ当ではない世界に片足を突っ込んでしまったことを――。
 
 ここで逃げ出すこともできただろう。しかし、妖しい雰囲気ながら優しい言葉をかけてくれ、今まで出会ってきた男とはどこか違っていた。柴田は渡邉に惹かれたのだ。2人はその日のうちに男女の仲になった。柴田が渡邉に傾倒していったのだ。渡邉は普段接するキャバクラの客や男性店員などと比べ、遥かに紳士的だった。

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