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2024年「冬ドラマBEST5」最終回まで観て選定。4位『さよならマエストロ』、『厨房のアリス』は3位

日刊SPA! / 2024年4月1日 15時50分

◆西島秀俊の演技力が光った

 父娘関係はなかなか改善されず、一方で響はバイオリンを再開しようとしないので、物語の中盤では焦れそうになった。しかし、制作者側にとっては計算ずくだったのだろう。父娘関係が早々と元通りになり、響が簡単に音楽を再開していたら、都合が良過ぎた。そもそも世界的マエストロの俊平が、地方オーケストラを率いることが現実離れしているのだから、ほかの部分は回り道を繰り返すくらいで良かった。

 海外での評価も高い西島の演技はやはり出色だった。誰にでも限りなく優しく、高校球児から音楽界に転じながら大成功を収めるという奇跡のような人物を、実在するかのように見せた。こじらせ系の芦田には少し違和感もおぼえたが、女優として大成するには溌剌とした役ばかりをやっているわけにはいかないだろう。

 最終回には俊平がマエストロとして再び世界に羽ばたく。父娘関係が回復した響は立て直された晴見フィルハーモニーに加わった。タイトルはきれいに回収された。

◆3位『厨房のありす』(日本テレビ)

 門脇麦(31)が演じた主人公の八重森ありすは天才的料理人。自閉スペクトラム症というハンデがあり、その特性から頑固でこだわりが強い。コミュニケーションも苦手だ。一方で純粋かつ努力家。他人を思いやる気持ちも強い。

 まず、ハンデを個性と捉えたところが光った。日本のドラマはハンデのある人は不幸な存在と決めつけがちだが、それは思い込みと物語上の都合に過ぎない。

 ありすはレストラン「ありすのお勝手」で料理の腕を振るう。並外れた化学の知識と驚異的な記憶力によって、訪れる客の健康状態に最適な料理を提供し、喜ばれた。「どれだけ食材を用意しているの?」とも思ったが、そこはファンタジー。

◆ミステリー要素が濃くなった終盤戦

 やがて、ありすの母親の死の真相究明と実父探しというミステリー要素が色濃くなる。レストランのホール担当・酒江倖生(永瀨廉)の父親を死に追いやった理由の解明もあった。もっとも、全体の作風は一貫してハートフルコメディ。門脇、永瀨、ありすの父親役の大森南朋(52)らの演技が巧みだったから、ミステリー要素が無理なく溶け込んだ。

 門脇のコメディエンヌとしての才能がいかんなく発揮された。セリフを口にしないときも動作で笑わせてくれた。まるで小動物のような小走り、うろたえ方、おびえが傑作だった。

◆2位『正直不動産2』(NHK)

 前作は山下智久(38)が演じる主人公の不動産営業マン・永瀬財地が、嘘が吐けなくなってしまい、仕事で四苦八する物語だった。今回の永瀨は新入社員の十影健人(板垣瑞生)の教育に頭を抱え、ライバル社の大嘘つき営業マン・神木涼真(ディーン・フジオカ)に苦しめられた。

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