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大規模特殊詐欺「ルフィ」を壊滅させた2人の女⑦〜フィリピンからの遠隔犯行を一部始終見ていた女

日刊SPA! / 2024年4月3日 15時47分

 一連の事件の中でも象徴的な「狛江事件」、とりわけルフィグループ幹部が強制送還されてからは、この狛江事件でも逮捕・起訴できるかどうかが捜査の分水嶺となっていた。被害者が死亡している以上、警察としては是が非でも、容疑者を逮捕・起訴しなければならない事件でもあった。

 そして4人は逮捕された。
 実はこの4人の逮捕の裏には山田の供述があった。
 
 狛江事件の当日、ルフィ幹部は刑務所内の通称「VIPルーム」に集まり、日本の実行犯と電話をつなぎ、犯行の一部始終に指示を出していた。それを山田が聞いており、その様子を捜査機関に話したのだ。生々しい証言だった。

◆「マジで死ぬとは思わなかったんだけど……」

「殴ってもいい、体を縛れ」。

 渡邉や藤田が実行役に指示を出す。そこに今村がより過激な指示を出す。
「指の骨を折ってやれ、そうすればカネのありかを話すだろ!」
 
 実行犯はその証拠に、倒れた被害者の写真を撮って送ってきた。さらに数時間後、狛江事件がネットニュースになると、
VIPルームで言い争うルフィグループ幹部らの姿を山田は目撃していた。

◆狛江事件とルフィを結び付けたもの

 ニュースを見た渡邉が声を上げた。
「まずいことになってる。おばあさん死んだってなってる」

 藤田はすかさず今村を責めた。
「お前さ、どうすんの。ヤバいよ」
 
 動揺を隠せない今村。
「ちょっと待って。マジで死ぬとは思わなかったんだけど……」

 山田の証言は具体的で臨場感に溢れていた。さらにその場で小島智信が発言していなかったことも供述している。小島は狛江事件で逮捕されたものの、不起訴になっていることからも、狛江事件とルフィを結び付けたのは、山田の証言にほかならないだろう。

 山田がルフィを壊滅に追い込んだのだった。

◆女に寝首をかかれた「ルフィ」

 渡邉らルフィは女らの性格を見抜き、アメとムチを使い分け、結局は使い捨てのコマのように扱ったが、最後はその女らに寝首をかかれたのだ。
 
 山田はその後の裁判で、懲役3年(求刑同4年6月)の判決が言い渡された。一部の事件で追起訴されたため、今後量刑が変わる(前述)可能性もあるが、執行猶予なしの実刑判決だ。

 一方の柴田は懲役4年6月(求刑同7年)。控訴することなく刑が確定し、すでに刑に服している。

柴田の裁判では、裁判官による異例の説諭が行われたことを加えておきたい。

◆裁判での異例の説諭

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