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住宅の間取り「LDK」はもう古い。「KDL」がいちばん便利である理由

日刊SPA! / 2024年4月21日 8時53分

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今、住宅系のYouTube界隈を騒がせている男がいる。動画チャンネル『ジュータクギャング』の押村知也だ。設計から建築、インテリアコーディネイトに至るまで住宅に関するすべてをこなす住宅のスペシャリスト「住空間クリエイター」である。歯に衣着せぬ彼の発言は、わかりやすくて痛快。『ジュータクギャング』は、更新のたびに視聴者の心をつかみまくっている。そんな押村は5月2日、自身の考えや思いを綴った初の書籍『美しい家のつくりかた』を発売する。押村が手がける住宅の核には「LDKをKDLに再定義する」という明確な哲学がある。その狙いを尋ねた。
◆LDKはもう古い。KDLに再定義すべき理由

家をつくるとき、大抵の人はなんの根拠もなくリビングの間取りを中心に考える。ハウスメーカーの営業や、設計担当者もまず「リビングは何畳くらいほしいですか?」と尋ねるのが定番だ。しかし、押村は「リビングは最後で、まずはキッチンを考えるべし」と断言する。「家の中心はキッチンであり、家族はそこに集まるもの」だからだ。押村はこの発想を「KDL」と表現している。通常のLDK=リビング・ダイニング・キッチンではなく、KDL=キッチン・ダイニング・リビングの順番こそが正しい考え方だという意味である。

「僕は10代の頃、ロサンゼルスで暮らした経験があるのですが、向こうの家庭ではキッチンが家族のコミュニケーションの場となっていることを知りました。朝はコーヒーを飲みながら、夜は食事をともにしながら、団欒の時間をキッチンで過ごすのです。僕が目指すKDLというのは、まさにそうしたスタイル。キッチンが家族のコミュニケーションの場として機能していたのです」

では、リビングとダイニングが果たす役割は、どう定義するのか。

「みなさん、リビングが家族の場所だと思われていますが、実際そこで何をしているかを思い浮かべてください。まず黙ってテレビを観ます。スマホも触るでしょう。本を読んだり、うとうと昼寝をしたりする。どうですか。意外とバラバラな行動を取っていることがわかるはずです。つまり、現在のリビングは来客を応接する場でもなく、ファミリーが集う場でもなく、個人がプライベートをすごすための空間なのです。一方、ダイニングはファミリーの場でもありますが、僕は、社交の場だと考えて設計しています。つまり、お客様を招く場、ゲストが訪れたときに機能するスペースと定義しているのです。かつて、日本には応接間というものがありましたが、今はほとんどつくられません。お客様とお茶をして、夜には食事をする場合、それらはリビングよりも、ダイニングで行ったほうが便利だと思いませんか?」

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