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「2027年の開業を断念」遅々として進まないリニア問題。静岡県知事だけではない「責任の所在」

日刊SPA! / 2024年4月23日 8時51分

当初、渡辺議員本人も出馬への意欲を示していましたが、立憲民主党の泉健太代表から引き止められて不出馬へと転じています。

◆県知事選には静岡県内の代理戦争的な側面も

そのほか、静岡県知事選に出馬を表明しているのは、前浜松市長の鈴木康友氏と川勝知事の下で副知事を務めた大村慎一氏の2名です。

静岡県は静岡市と浜松市という2つの政令指定都市を抱えていますが、両市は現在も対抗心を燃やすライバル都市です。
県庁がある静岡市は、当然ながら静岡県の中心都市であることを自負しています。他方、浜松市は自動車メーカーのスズキ、楽器メーカーの河合楽器製作所、楽器製作だけではなくスポーツ用品や自動車部品なども手がけるヤマハなど、製造業が盛んな都市のために静岡経済を牽引していると自認しています。

こうした静岡市と浜松市のライバル関係は、静岡県知事選においても水面下で火花を散らしてきました。静岡県知事選は、静岡市財界と浜松市財界の代理戦争的な側面も多分にあるのです。

◆まさに「静岡市vs浜松市」の構図に

このほど県知事選に立候補を表明した鈴木康友氏は、前浜松市長です。仮に静岡県知事に当選しても、静岡市を中心とする静岡県中部地方の市民・企業から受け入れられてもらえるかが焦点になるでしょう。ここで対応を誤ると、鈴木県政は一気に停滞しかねません。

もう一人の立候補表明者である大村慎一氏は、川勝県政1期目で副知事を務めた経歴を持っています。大村氏は静岡市出身なので、鈴木氏と大村氏との県知事選はまさに静岡市vs浜松市の構図になります。

くわえて、県議会の立憲民主党・国民民主党系の会派である「ふじのくに県民クラブ」が鈴木氏を、自由民主党系の会派である自民改革会議が大村氏を推薦するなど、与野党の対決構図にもなりつつあります。

鈴木・大村両氏は、ともにリニアを推進する方針を明らかにしています。鈴木氏も大村氏も、「リニアが開業すれば、(静岡県の全駅を通過する)東海道新幹線は“のぞみ”中心のダイヤから、“ひかり”と“こだま”中心のダイヤになるので、リニア開業は静岡県にもメリットがある」と主張しています。

これはリニアが開業することで、東海道新幹線“のぞみ”の役割がリニアに移るという予測に基づく見解です。東海道新幹線の利用者はコロナで減少しましたが、コロナ収束前後から再び増加に転じています。そして、今後も“のぞみ”の需要は堅調に伸びることが予想されています。

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