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「退職代行」を使って内定辞退された人事の嘆き「小さな会社だから嫌になったのかな」という声も

日刊SPA! / 2024年4月28日 15時52分

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 現在の大学生の就職戦線は売り手市場。リクルートの就職みらい研究所が発表する『就職プロセス調査』によると、この春卒業の大学生の就職内定率は3月の卒業時点で96.8%となっている。
 一方、これに対して24年卒の大学生の内容辞退率は63.6%。2社以上から内定を得た学生が47.5%半数近いことを考えれば当然のことだが、23年8月1日時点で辞退率が62.5%となっており、ほとんどの学生はそれ以前に内定辞退の申し入れを行っていることを意味する。

 しかし、少数ながら年明け以降の入社式が迫った時期で辞退する者もおり、これをやられる企業にとってはたまったものではない。工業用品の卸販売会社に勤める牧野満也さん(仮名・46歳)は、昨年まで採用担当を務めていたが、入社まで残り半月と迫った23年3月中旬、内定を出していた男子大学生が突然就職を辞退してきたという。

◆代行業者経由の内定辞退で本人と連絡を取れず

「内定承諾書にはサインしていましたし、その年の1月に行った内定者懇親会では『春からよろしくお願いします!』と元気に答えていたので完全に予想外の事態でした」

 しかも、内定辞退の連絡をしてきたのは、本人ではなく退職代行サービスを行っている業者。時期が時期なので自分で伝えにくかったのは理解できるが、裏を返せば会社側と直接連絡を取り合う意志がないということだ。

「上司は『こればっかりは仕方ないよ』と言いましたが、本人と話ができれば不安を取り除くことができたかもしれませんし、入社時期を遅らせる措置を取ることもできたと思います。ウチの会社は大企業じゃないので臨機応変に対応することも可能でした。だから、話し合いの余地すら与えられなかったことは悲しかったですし、大事な人材を逃してしまったことに採用担当として責任を感じました」

◆新人が来るのを楽しみにしていたのに…

 代行業者からは「一身上の都合」以上の詳しい理由は教えてもらえず、本人からのお詫びのメッセージなども特になし。牧野さんの会社には約50人の従業員がいるが、その半数は50代以上と高齢化が進んでおり、若い人材の確保が急務となっていた。ゆえにたった1人でも新入社員が減るのは思った以上の打撃だったのだ。

「2名の予定だった新卒採用者が1名になったわけですから。配属先や指導係を誰にするのかもすでに決まっていたのに全部パー。彼が入るはずだった部署の課長は新人が来るのを楽しみしていたため、私以上にショックを受けていました。また、専務も『ウチが小さな会社だから嫌になったのかなぁ』ってボヤくし、去年の春は新年度の始まりなのにあまりいい雰囲気ではありませんでした」

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